令和8年(2026年)問5|契約の終了

契約の終了に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1.書面によらない贈与は、未履行部分について、各当事者が契約の解除をすることができる。

2.書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。

3.書面によらない使用貸借の貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。

4.書面でする使用貸借は、貸主の死亡によって契約が終了する。


【答え:4】

1.書面によらない贈与は、未履行部分について、各当事者が契約の解除をすることができる。

1・・・ 正しい

「贈与」とは、ある人が自分の財産をただで相手にあげる契約のことを言います。

書面によらない贈与、つまり口約束だけの贈与は、各当事者が解除をすることができます。ただし、すでに履行が終わった部分については解除できません(民法550条)。「履行」とは、約束したことを実際に行うことを言います。

たとえば、おじさんが甥に「車をあげる」と口約束しただけなら、まだ車を渡していない間は、おじさんも甥も契約をやめることができます。口約束だと、軽い気持ちで言ってしまうことがあるので、取り消せるようにしているのです。一方で、すでに車を渡してしまっていれば、もう解除はできません。

「未履行部分」はまだ履行していない部分のことなので、その部分は解除できます。ですので、この肢は正しいです。


2.書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。

2・・・ 正しい

「消費貸借」とは、お金などを借りて、それを使ったうえで、同じ種類・量の物を返す契約のことを言います。代表的なのはお金の貸し借りです。

書面でする消費貸借は、物を渡す前でも、合意だけで成立します(民法587条の2第1項)。そして、借主は、貸主からお金などを受け取るまでは、契約の解除をすることができます(民法587条の2第2項前段)。たとえば、銀行と書面でお金を借りる契約をしたけれども、お金を受け取る前に必要がなくなった場合、借主は契約をやめることができます。いらなくなったお金を無理に借りさせて利息を払わせるのはおかしいからです。

なお、この解除によって貸主が損害を受けたときは、貸主は借主にその賠償を請求することができます(民法587条の2第2項後段)。ですので、この肢は正しいです。


3.書面によらない使用貸借の貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。

3・・・ 正しい

「使用貸借」とは、物をただで貸し借りする契約のことを言います。たとえば、友だちに車をただで貸すような場合です。お金を取って貸すのは「賃貸借」なので、区別しましょう。

使用貸借の貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができます。ただし、書面による使用貸借の場合は解除できません(民法593条の2)。

ただで貸す約束は、貸主にとって何も得がないので、口約束だけなら、物を渡す前であればやめることができるようにしているのです。一方で、きちんと書面にした場合は、貸主もよく考えて約束したといえるので、勝手にやめることはできません。

この肢は「書面によらない使用貸借」の話なので、借主が受け取るまでは貸主は解除できます。ですので、この肢は正しいです。


4.書面でする使用貸借は、貸主の死亡によって契約が終了する。

4・・・ 誤り

「使用貸借」とは、物をただで貸し借りする契約のことを言います。

使用貸借は、借主の死亡によって終了します(民法597条3項)。使用貸借は、「この人だから、ただで貸してあげる」という、貸主と借主の個人的な関係で成り立っている契約だからです。たとえば、親が息子にただで家を貸していた場合、息子が亡くなったら、その契約は終わり、息子の相続人がそのまま使い続けることはできません。

一方、貸主が死亡しても、使用貸借は終了しません。貸主の相続人が貸主の立場を受け継ぎます。これは、書面でする使用貸借でも書面によらない使用貸借でも同じです。

ですので、「貸主の死亡によって契約が終了する」というのは誤りです。「借主」の死亡で終わり、「貸主」の死亡では終わらない、という点はよく出題されるので、しっかり押さえておきましょう。


令和8年(2026年):宅建試験・過去問

問1
所有者不明土地・管理不全土地
問2
賃貸借
問3
共有
問4
相続(法定相続分)
問5
契約の終了
問6
売買契約・賃貸借契約
問7
代理
問8
売買契約
問9
法定地上権
問10
契約総合
問11
借地権
問12
建物賃貸借
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法・開発許可
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)
問24
不動産取得税
問25
地価公示法
問26
広告
問27
監督処分・罰則
問28
宅建士
問29
媒介契約
問30
営業保証金
問31
宅地・宅建業の定義
問32
犯罪収益移転防止法
問33
専任の宅建士
問34
重要事項説明・35条書面
問35
報酬計算(売買)
問36
重要事項説明
問37
報酬計算(貸借)
問38
37条書面
問39
業務上の規制
問40
業務上の規制
問41
届出
問42
クーリングオフ
問43
重要事項説明
問44
案内所等の規制
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物

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