宅地建物取引士に関する次の記述について、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものの組合せは1から4のうちどれか。
ア.宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは説明の相手方からの請求の有無にかかわらず宅地建物取引士証を提示しなければならず、また、取引の関係者から請求があったときにも宅地建物取引士証を提示しなければならない。
イ.宅地建物取引士の登録を受けるには、宅地建物取引士資格試験に合格した者で、5年以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものであり、法第18条第1項各号に掲げる事由に該当しないことが、必要である。
ウ.都道府県知事は、不正の手段によって宅地建物取引士資格試験を受けようとした者に対して、その試験を受けることを禁止することができ、また、その禁止処分を受けた者に対し3年を超えない期間を定めて受験を禁止することができる。
エ.宅地建物取引士資格試験に合格した者は、合格した日から10年以内に登録の申請をしなければ、その合格は無効となる。
1.ア、イ
2.ア、ウ
3.イ、エ
4.ウ、エ
ア・・・ 正しい
「宅地建物取引士証」とは、宅建士であることを証明するカードのことを言います。顔写真や氏名、登録番号などが書かれています。
宅建士は、重要事項の説明をするときは、説明の相手方から請求がなくても、必ず宅地建物取引士証を相手方に提示しなければなりません(宅建業法35条4項)。これは、説明をしている人が本当に宅建士であることを、相手方に確認してもらうためです。これに違反すると10万円以下の過料に処せられることがあります(宅建業法86条)。
また、重要事項の説明のとき以外でも、取引の関係者から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければなりません(宅建業法22条の4)。たとえば、契約の場面で、買主から「本当に宅建士ですか、取引士証を見せてください」と言われたら、見せなければなりません。
なお、従業者証明書は、取引の関係者から請求があったときに提示するもので、重要事項の説明のときに請求がなくても見せなければならない、というルールはありません。宅地建物取引士証との違いを押さえておきましょう。
イ・・・ 誤り
宅建士の登録を受けるには、宅建試験に合格した人で、宅地や建物の取引に関して2年以上の実務の経験がある人、または国土交通大臣がその実務の経験がある人と同じ以上の能力があると認めた人であることが必要です(宅建業法18条1項、同法施行規則)。問題文の「5年以上」は誤りです。
「国土交通大臣が同等以上の能力があると認めた人」とは、主に、実務経験が2年に足りない人が「登録実務講習」という講習を受けて修了した人のことを言います。たとえば、大学生や他の業界で働いている人が宅建試験に合格した場合でも、登録実務講習を修了すれば、実務経験がなくても登録を受けることができます。
さらに、破産して復権を得ていない人や、拘禁刑以上の刑に処せられてから5年を経過していない人など、宅建業法18条1項各号に定める欠格事由に当たらないことも必要です。
欠格事由の「5年」と、実務経験の「2年」を混同させるひっかけになっています。
ウ・・・ 正しい
都道府県知事は、不正の手段によって宅建試験を受けたり、受けようとしたりした人に対して、合格の決定を取り消したり、その試験を受けることを禁止したりすることができます(宅建業法17条1項)。たとえば、試験会場でカンニングをしたり、替え玉受験をしようとしたりした場合です。
そして、都道府県知事は、これらの処分を受けた人に対して、情状により、3年以内の期間を定めて試験を受けることができないようにすることもできます(宅建業法17条3項)。問題文の「3年を超えない期間」は「3年以内」と同じ意味なので、正しいです。
なお、宅建試験は、国土交通大臣の指定を受けた指定試験機関(一般財団法人不動産適正取引推進機構)が実施していて、指定試験機関も、合格の取消しや受験の禁止の処分をすることができます(宅建業法17条2項)。ただし、3年以内の受験禁止の処分をすることができるのは、都道府県知事だけです。
エ・・・ 誤り
宅建試験に合格した人は、その合格は一生有効です。登録の申請をしなければ合格が無効になる、という期限はありません。たとえば、学生時代に宅建試験に合格して、20年後に不動産会社に転職してから登録の申請をすることもできます。
宅建業法でいう有効期間は、合格や登録ではなく、宅地建物取引士証の有効期間です。宅地建物取引士証の有効期間は5年です(宅建業法22条の2第3項)。また、宅地建物取引士証の交付を受けようとする人は、原則として、交付の申請前6か月以内に行われる法定講習を受けなければなりませんが、試験に合格した日から1年以内に交付を受ける場合は、この法定講習は不要です(宅建業法22条の2第2項)。
「合格」「登録」「宅地建物取引士証」の3つは、どれに期限があるのかを区別しておくことが大事です。合格と登録には期限がなく、取引士証には5年の有効期間があります。
以上より、誤っているものはイとエなので、正解は3です。
令和8年(2026年):宅建試験・過去問
- 問1
- 所有者不明土地・管理不全土地
- 問2
- 賃貸借
- 問3
- 共有
- 問4
- 相続(法定相続分)
- 問5
- 契約の終了
- 問6
- 売買契約・賃貸借契約
- 問7
- 代理
- 問8
- 売買契約
- 問9
- 法定地上権
- 問10
- 契約総合
- 問11
- 借地権
- 問12
- 建物賃貸借
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法・開発許可
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 盛土規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)
- 問24
- 不動産取得税
- 問25
- 地価公示法
- 問26
- 広告
- 問27
- 監督処分・罰則
- 問28
- 宅建士
- 問29
- 媒介契約
- 問30
- 営業保証金
- 問31
- 宅地・宅建業の定義
- 問32
- 犯罪収益移転防止法
- 問33
- 専任の宅建士
- 問34
- 重要事項説明・35条書面
- 問35
- 報酬計算(売買)
- 問36
- 重要事項説明
- 問37
- 報酬計算(貸借)
- 問38
- 37条書面
- 問39
- 業務上の規制
- 問40
- 業務上の規制
- 問41
- 届出
- 問42
- クーリングオフ
- 問43
- 重要事項説明
- 問44
- 案内所等の規制
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物






