令和8年(2026年)問17|建築基準法

建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.地方公共団体は、その地方の気候の特殊性により、建築基準法の規定又はこれに基づく命令の規定のみによっては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を付加することができる。

2.建築主は、5階建ての共同住宅を新築する場合において、特定行政庁が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたときは、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該共同住宅を使用させることができる。

3.共同住宅の住戸には、非常用の照明装置を設けなくてもよい。

4.特定行政庁は、2階建ての住宅の所有者に対して、当該住宅が建築基準法の規定に違反していない場合であっても、老朽化により、そのまま放置すれば著しく保安上危険となるおそれがあると認める場合においては、相当の猶予期限を付けて、当該住宅を除却するよう勧告することができる。


【答え:4】

1.地方公共団体は、その地方の気候の特殊性により、建築基準法の規定又はこれに基づく命令の規定のみによっては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を付加することができる。

1・・・ 正しい

建築基準法は全国共通のルールですが、日本は地域によって気候や風土が大きく違います。たとえば、雪がたくさん降る地域や、台風がよく来る地域、海の近くで塩の害がある地域などです。

そこで、地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模により、建築基準法の規定だけでは建築物の安全、防火又は衛生の目的を十分に達し難いと認める場合においては、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を付加することができます(建築基準法40条)。

ポイントは、条例でできるのは制限を「付加」すること、つまりルールを厳しくすることだという点です。たとえば、雪の多い地域で屋根の強さの基準を厳しくする、といったことができます。


2.建築主は、5階建ての共同住宅を新築する場合において、特定行政庁が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたときは、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該共同住宅を使用させることができる。

2・・・ 正しい

「検査済証」とは、建物の工事が終わった後に、建築主事や指定確認検査機関が完了検査をして、建築基準法に適合していると認めたときに交付される証明書のことを言います。また、「建築主」とは、建物を建てる工事を注文する人や自分で工事をする人のことを言います。

5階建ての共同住宅は、建築確認が必要な一定の建築物にあたります。このような建築物を新築する場合、建築主は、原則として、検査済証の交付を受けた後でなければ、その建物を使ったり、人に使わせたりしてはなりません(建築基準法7条の6第1項)。

しかし、その例外として、特定行政庁が仮使用の認定をしたときなどは、検査済証の交付を受ける前でも、仮に使用し、又は使用させることができます(建築基準法7条の6第1項1号)。「特定行政庁」とは、建築主事などを置いている市町村の長や、それ以外の地域では都道府県知事のことを言います。たとえば、大きなマンションで一部の工事だけ残っているけれど、安全上問題がない場合に、先に入居を始めることができるわけです。

なお、建築主事等や指定確認検査機関が一定の基準に適合していると認めたときや、完了検査の申請が受理された日から7日を経過したときも、仮に使用することができます。


3.共同住宅の住戸には、非常用の照明装置を設けなくてもよい。

3・・・ 正しい

「非常用の照明装置」とは、火事や地震などで停電したときに自動的に点灯して、人が安全に逃げられるように通路などを照らす照明のことを言います。

非常用の照明装置は、劇場、病院、ホテル、共同住宅などの特殊建築物や、一定の規模以上の建築物の居室や、そこから地上に通じる廊下、階段などに設けなければなりません(建築基準法35条、施行令126条の4)。

ただし、一戸建ての住宅や、長屋や共同住宅の住戸、病院の病室、下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室などには、設けなくてもよいとされています(施行令126条の4第1号)。住戸の中は住んでいる人が普段からよく知っている場所なので、停電しても逃げやすいからです。

注意したいのは、共同住宅でも、住戸の中ではなく、廊下や階段などの共用部分には、非常用の照明装置が必要になるという点です。


4.特定行政庁は、2階建ての住宅の所有者に対して、当該住宅が建築基準法の規定に違反していない場合であっても、老朽化により、そのまま放置すれば著しく保安上危険となるおそれがあると認める場合においては、相当の猶予期限を付けて、当該住宅を除却するよう勧告することができる。

4・・・ 誤り

特定行政庁は、一定の建築物について、建築基準法に違反していない場合でも、損傷、腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となり、又は著しく衛生上有害となるおそれがあると認める場合には、所有者などに対して、相当の猶予期限を付けて、除却などの措置をとるよう勧告することができます(建築基準法10条1項)。「勧告」とは、こうしたほうがよいと強くすすめることを言います。

しかし、この勧告ができるのは、劇場や病院、共同住宅などの特殊建築物で床面積の合計が200㎡をこえるものや、階数が5以上で延べ面積が1000㎡をこえる事務所などに限られています(建築基準法10条1項、6条1項1号、施行令14条の2)。2階建ての住宅は、この対象に入っていません。ですので、本肢は誤りです。

ただし、どんな建築物であっても、「現に」著しく保安上危険であり、又は著しく衛生上有害であると認める場合には、特定行政庁は、所有者などに除却などの措置を命ずることができます(建築基準法10条3項)。「おそれがある」段階の勧告は一定の建築物に限られ、「現に」危険な段階の命令はすべての建築物が対象になる、という違いを押さえておきましょう。


令和8年(2026年):宅建試験・過去問

問1
所有者不明土地・管理不全土地
問2
賃貸借
問3
共有
問4
相続(法定相続分)
問5
契約の終了
問6
売買契約・賃貸借契約
問7
代理
問8
売買契約
問9
法定地上権
問10
契約総合
問11
借地権
問12
建物賃貸借
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法・開発許可
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)
問24
不動産取得税
問25
地価公示法
問26
広告
問27
監督処分・罰則
問28
宅建士
問29
媒介契約
問30
営業保証金
問31
宅地・宅建業の定義
問32
犯罪収益移転防止法
問33
専任の宅建士
問34
重要事項説明・35条書面
問35
報酬計算(売買)
問36
重要事項説明
問37
報酬計算(貸借)
問38
37条書面
問39
業務上の規制
問40
業務上の規制
問41
届出
問42
クーリングオフ
問43
重要事項説明
問44
案内所等の規制
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物

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