令和8年(2026年)問33|専任の宅建士

専任の宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「宅地建物取引士」は成年者であるものとする。

ア.宅地建物取引士は、宅地建物取引業者の通常の勤務時間を勤務する状態でなくとも専任の宅地建物取引士となることができる。

イ.宅地建物取引士は、同一の宅地建物取引業者の複数の事務所において、専任の宅地建物取引士を務めることができる。

ウ.宅地建物取引業者は、宅地建物取引業を営む事務所ごとに、業務に従事する者5名につき1名以上、宅地建物取引士を配置しなければならないが、専任の宅地建物取引士である必要はない。

エ.重要事項説明書の記名及び法第37条の規定に基づく書面の記名については、専任の宅地建物取引士でなければ行ってはならない。

1.一つ

2.二つ

3.三つ

4.なし


【答え:4(正しいものはなし)】

ア.宅地建物取引士は、宅地建物取引業者の通常の勤務時間を勤務する状態でなくとも専任の宅地建物取引士となることができる。

ア・・・ 誤り

「専任の宅地建物取引士」とは、宅建業者の事務所に、常に勤めていて(常勤性)、もっぱら宅建業の仕事をしている(専従性)宅建士のことを言います。宅建業者は、事務所ごとに、一定の数の専任の宅建士を置かなければなりません(宅建業法31条の3第1項)。

国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」では、「専任」とは、原則として、宅建業者の通常の勤務時間を勤務し、専ら宅建業に従事する状態をいうとされています。たとえば、会社の勤務時間が朝9時から夕方6時までなら、その時間ずっと宅建業の仕事をしている必要があります。

なお、ITを活用して、事務所以外の場所(自宅など)で働くテレワークも認められていますが、その場合でも、通常の勤務時間を勤務していることが前提です。週に1日だけ来るアルバイトのような人は専任の宅建士にはなれません。ですので、この肢は誤りです。


イ.宅地建物取引士は、同一の宅地建物取引業者の複数の事務所において、専任の宅地建物取引士を務めることができる。

イ・・・ 誤り

専任の宅地建物取引士は、その事務所に常に勤めて、もっぱらその事務所で宅建業の仕事をしている必要があります(宅建業法31条の3第1項)。

1人の宅建士が、同じ宅建業者の複数の事務所で専任の宅建士になることは、できません。たとえば、本店と支店で1人の宅建士を両方の専任の宅建士として数えることを認めてしまうと、実際にはどちらか一方の事務所にしかいないのに、両方にいることになってしまいます。これでは、事務所ごとに宅建士を置かせて、お客さんを守ろうとした意味がなくなってしまいます。

同じ会社の中であっても、1人の専任の宅建士は、1つの事務所にしか数えることができないので、この肢は誤りです。


ウ.宅地建物取引業者は、宅地建物取引業を営む事務所ごとに、業務に従事する者5名につき1名以上、宅地建物取引士を配置しなければならないが、専任の宅地建物取引士である必要はない。

ウ・・・ 誤り

宅建業者は、宅建業を営む事務所ごとに、業務に従事する者5名につき1名以上の割合で、「専任」の宅地建物取引士を置かなければなりません(宅建業法31条の3第1項、宅建業法施行規則15条の5の3)。

たとえば、事務所で働く人が12人いる場合、12÷5=2.4なので、端数を切り上げて3人以上の専任の宅建士が必要です。ここでいう「業務に従事する者」には、営業の人だけでなく、事務の人や代表者も含まれます。

この肢は、「専任の宅建士である必要はない」としている点が誤りです。事務所に置かなければならないのは専任の宅建士です。

なお、案内所などの「事務所以外で専任の宅建士を置くべき場所」(契約を結んだり申込みを受けたりする案内所など)では、人数にかかわらず1名以上の専任の宅建士を置けば足ります。事務所とのちがいとして押さえておきましょう。


エ.重要事項説明書の記名及び法第37条の規定に基づく書面の記名については、専任の宅地建物取引士でなければ行ってはならない。

エ・・・ 誤り

「重要事項説明書」とは、契約を結ぶ前に、物件や取引条件の大切なことをお客さんに説明するための書面のことを言います(宅建業法35条)。「37条書面」とは、契約が成立した後に、契約の内容を書いて当事者に渡す書面のことを言います(宅建業法37条)。

この2つの書面には、宅地建物取引士が記名しなければなりません(宅建業法35条5項、37条3項)。しかし、ここでいう宅建士は、専任の宅建士である必要はありません。専任でない宅建士、たとえば週に何日かだけ働いている宅建士でも、記名することができます。重要事項の説明についても同じで、専任でない宅建士が行うことができます。

宅建士にだけ任された仕事(重要事項の説明、重要事項説明書への記名、37条書面への記名)は、専任かどうかに関係なく、宅建士であれば誰でもできます。この点はよく出題されるので、しっかり押さえておきましょう。

以上より、アからエはすべて誤りで、正しいものは「なし」となります。


令和8年(2026年):宅建試験・過去問

問1
所有者不明土地・管理不全土地
問2
賃貸借
問3
共有
問4
相続(法定相続分)
問5
契約の終了
問6
売買契約・賃貸借契約
問7
代理
問8
売買契約
問9
法定地上権
問10
契約総合
問11
借地権
問12
建物賃貸借
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法・開発許可
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)
問24
不動産取得税
問25
地価公示法
問26
広告
問27
監督処分・罰則
問28
宅建士
問29
媒介契約
問30
営業保証金
問31
宅地・宅建業の定義
問32
犯罪収益移転防止法
問33
専任の宅建士
問34
重要事項説明・35条書面
問35
報酬計算(売買)
問36
重要事項説明
問37
報酬計算(貸借)
問38
37条書面
問39
業務上の規制
問40
業務上の規制
問41
届出
問42
クーリングオフ
問43
重要事項説明
問44
案内所等の規制
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物

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