令和8年(2026年)問34|重要事項説明・35条書面

宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明及び重要事項説明書に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、説明の相手方は、宅地建物取引業者ではないものとする。

1.区分所有権の目的である建物の貸借の媒介を行う場合、その専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めの案があるときはその内容を説明する必要がある。

2.宅地建物取引士は、相手方の承諾を得て重要事項説明書を電磁的方法で提供し、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、宅地建物取引士証の提示を省略することができる。

3.宅地建物取引業者が自ら売主である宅地の売買契約締結の日よりも前に売買代金の一部として売主が50万円の預り金を受領しようとする場合、重要事項説明書に、保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合はその概要を記載しなければならない。

4.宅地建物取引業者Aが、自ら売主として買主Bに対し建物の売却を行う場合における重要事項の説明について、Aは、Bに対し、代金以外に授受される金銭の額だけでなく、当該金銭の授受の目的についても説明しなければならない。


【答え:2】

1.区分所有権の目的である建物の貸借の媒介を行う場合、その専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めの案があるときはその内容を説明する必要がある。

1・・・ 正しい

「区分所有建物」とは、マンションのように、1つの建物の中が部屋ごとに分かれていて、部屋ごとに持ち主がいる建物のことを言います。各部屋のことを「専有部分」と言い、マンションのルールのことを「規約」と言います。

区分所有建物の貸借の媒介をする場合、専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容を説明しなければなりません。まだ正式に決まっていない「規約の案」の段階のものも含まれます(宅建業法35条1項6号、宅建業法施行規則16条の2第3号)。

たとえば、「ペットを飼ってはいけない」「部屋を事務所として使ってはいけない」「楽器を演奏してはいけない」といったルールは、部屋を借りて住む人にとっても大事なことです。借りた後で犬が飼えないと分かったら困りますよね。そのため、売買だけでなく貸借の場合にも説明が必要とされています。

これに対して、共用部分に関する規約や、計画修繕積立金などは、貸借の場合は説明しなくてよいとされています。借りる人は修繕のお金を払わないからです。この違いも押さえておきましょう。


2.宅地建物取引士は、相手方の承諾を得て重要事項説明書を電磁的方法で提供し、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、宅地建物取引士証の提示を省略することができる。

2・・・ 誤り

「IT重説」とは、テレビ会議などのIT(インターネットを使った仕組み)を使って、パソコンやスマートフォンの画面越しに重要事項の説明をすることを言います。また、「電磁的方法」による提供とは、紙の書面のかわりに、PDFファイルなどのデータで書面を渡すことを言います。重要事項説明書は、相手方の承諾を得れば電磁的方法で提供することができます(宅建業法35条8項)。

しかし、宅建士は、重要事項の説明をするときは、相手方に宅地建物取引士証を示さなければなりません(宅建業法35条4項)。これはIT重説の場合でも同じです。国土交通省の「解釈・運用の考え方」でも、IT重説を行うときは、宅建士が宅地建物取引士証を画面上で提示し、相手方がそれを画面上で目で見て確認できたことを確かめることとされています。

説明しているのが本当に宅建士なのかを確認できることは、相手方にとってとても大事なことです。画面越しだからといって、宅建士証の提示を省略することはできません。ですので、この肢は誤りです。


3.宅地建物取引業者が自ら売主である宅地の売買契約締結の日よりも前に売買代金の一部として売主が50万円の預り金を受領しようとする場合、重要事項説明書に、保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合はその概要を記載しなければならない。

3・・・ 正しい

「支払金又は預り金」とは、代金や手付金、家賃などの名目で、宅建業者が受け取ったり、預かったりするお金のことを言います。この支払金又は預り金を受領しようとする場合は、保全措置を講ずるかどうか、講ずる場合はその措置の概要を、重要事項説明書に書いて説明しなければなりません(宅建業法35条1項11号)。「保全措置」とは、宅建業者が倒産したりしてお金を返せなくなったときに、銀行などがかわりにお金を返してくれるようにしておくことを言います。

ただし、50万円未満のものは、この説明の対象から外されています(宅建業法施行規則16条の3第1号)。この肢は50万円ちょうどなので、「50万円未満」にはあたりません。ですので、説明が必要です。

また、契約を結ぶ日より前に受け取るお金は、手付金等の保全措置(宅建業法41条、41条の2)の対象になる「手付金等」にはあたらないので、こちらの除外にもあたりません。

「50万円未満」は除かれ、「50万円」は含まれる、という境目は数字のひっかけとしてよく出題されるので、注意しましょう。


4.宅地建物取引業者Aが、自ら売主として買主Bに対し建物の売却を行う場合における重要事項の説明について、Aは、Bに対し、代金以外に授受される金銭の額だけでなく、当該金銭の授受の目的についても説明しなければならない。

4・・・ 正しい

宅建業者は、重要事項の説明として、代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額と、その金銭の授受の目的を説明しなければなりません(宅建業法35条1項7号)。

「代金以外に授受される金銭」とは、たとえば、手付金、固定資産税の清算金、敷金、礼金、保証金などのことです。買主にとっては、代金のほかに、いくらのお金を、何のために払うのかが分からないと、契約するかどうかを正しく判断できません。

たとえば、「手付金300万円」とだけ聞かされても、それが解約手付なのか、代金の一部に充てられるのかなどが分からなければ困りますよね。そのため、金額だけでなく、そのお金を払う目的も説明しなければならないとされています。

この肢のように宅建業者Aが自ら売主になる場合でも同じで、AはBに対し、金銭の額と授受の目的の両方を説明しなければなりません。


令和8年(2026年):宅建試験・過去問

問1
所有者不明土地・管理不全土地
問2
賃貸借
問3
共有
問4
相続(法定相続分)
問5
契約の終了
問6
売買契約・賃貸借契約
問7
代理
問8
売買契約
問9
法定地上権
問10
契約総合
問11
借地権
問12
建物賃貸借
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法・開発許可
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)
問24
不動産取得税
問25
地価公示法
問26
広告
問27
監督処分・罰則
問28
宅建士
問29
媒介契約
問30
営業保証金
問31
宅地・宅建業の定義
問32
犯罪収益移転防止法
問33
専任の宅建士
問34
重要事項説明・35条書面
問35
報酬計算(売買)
問36
重要事項説明
問37
報酬計算(貸借)
問38
37条書面
問39
業務上の規制
問40
業務上の規制
問41
届出
問42
クーリングオフ
問43
重要事項説明
問44
案内所等の規制
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物

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