令和8年(2026年)問23|贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例の適用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.受贈者について、住宅取得等資金の贈与を受けた年分の所得税法に定める合計所得金額が3,000万円を超える場合でも、この特例の適用を受けることができる。

2.受贈者が住宅取得等資金の贈与を受けた年の1月1日において18歳以上でなければ、この特例の適用を受けることができない。

3.日本国外に住宅用の家屋を新築した場合でも、この特例の適用を受けることができる。

4.直系尊属から住宅用の家屋の贈与を受けた場合でも、この特例の適用を受けることができる。


【答え:2】

1.受贈者について、住宅取得等資金の贈与を受けた年分の所得税法に定める合計所得金額が3,000万円を超える場合でも、この特例の適用を受けることができる。

1・・・ 誤り

「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」とは、父母や祖父母から、自分が住む家を買ったり建てたりするためのお金をもらったときに、一定の金額までは贈与税をかけないことにする制度のことを言います(租税特別措置法70条の2)。「直系尊属」とは、父母や祖父母のように、自分より上の世代の直接の血のつながりがある人のことを言います。

この特例を使える受贈者(お金をもらう人)には所得の制限があり、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下でなければなりません。さらに、家の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、1,000万円以下でなければなりません(租税特別措置法70条の2第2項1号)。

もともと高い所得がある人は、親からの援助がなくても家を買えるので、税金を安くしてあげる必要がないと考えられているのです。ですので、合計所得金額が3,000万円を超える場合でも使えるというのは誤りです。

なお、この特例は、令和8年12月31日までの贈与が対象となっています。令和9年以降の贈与については、令和9年度の税制改正で延長されるかどうかを確認しておきましょう。


2.受贈者が住宅取得等資金の贈与を受けた年の1月1日において18歳以上でなければ、この特例の適用を受けることができない。

2・・・ 正しい

この特例を受けられるのは、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の人に限られます(租税特別措置法70条の2第2項1号)。民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに合わせて、以前の「20歳以上」から「18歳以上」に変わりました。

注意したいのは、年齢を判断する日が「贈与を受けた日」ではなく、「贈与を受けた年の1月1日」だという点です。たとえば、令和8年5月に18歳の誕生日を迎えた人が、その年の10月に祖父からお金をもらったとしても、その年の1月1日にはまだ17歳だったので、この特例は使えません。

ほかにも、この特例を使うには、贈与を受けた人の合計所得金額が2,000万円以下であること、贈与を受けた年の翌年3月15日までに家を新築・取得してそこに住むこと(または、その後遅滞なく住むことが確実と見込まれること)などの要件があります。

非課税になる金額は、省エネ性能や耐震性が高い「質の高い住宅」なら1,000万円まで、それ以外の住宅なら500万円までです。

なお、この特例は、令和8年12月31日までの贈与が対象となっています。令和9年以降の贈与については、令和9年度の税制改正で延長されるかどうかを確認しておきましょう。


3.日本国外に住宅用の家屋を新築した場合でも、この特例の適用を受けることができる。

3・・・ 誤り

この特例の対象になる住宅用の家屋は、日本国内にあるものに限られます(租税特別措置法70条の2第2項2号、同法施行令)。日本国外に家を新築しても、この特例を受けることはできません。

この特例は、日本の住宅を買ったり建てたりする人を増やして、国内の住宅市場を活発にしたり、良い住宅を増やしたりすることが目的です。たとえば、祖父母からお金をもらって、ハワイに別荘を建てたり、海外に移住して家を建てたりしても、日本の住宅市場のためにはなりませんよね。ですので、日本国外の家は対象外とされています。

また、この特例を受けるには、受贈者がその家に住むことが必要ですので、別荘のように自分が住むためではない家も対象になりません。

このほか、家屋の床面積が40㎡以上240㎡以下であることや、家屋の床面積の2分の1以上が自分の住むための部分であることなどの要件もあります。


4.直系尊属から住宅用の家屋の贈与を受けた場合でも、この特例の適用を受けることができる。

4・・・ 誤り

この特例は、名前のとおり「住宅取得等資金」、つまり家を新築したり買ったり増改築したりするための「お金(金銭)」の贈与を受けた場合の特例です(租税特別措置法70条の2第1項、第2項5号)。

ですので、親や祖父母から、家そのものの贈与を受けた場合には、この特例を使うことはできません。たとえば、父親が持っている家をそのまま息子にあげた場合は、お金ではなく家そのものをもらっているので、この特例の対象外になり、通常どおり贈与税がかかります(相続時精算課税制度を選ぶことはできます)。

また、家を建てるための土地だけを先にもらった場合も同じく対象外です。ただし、もらったお金で家といっしょにその敷地を買う場合や、家を新築する前に先に敷地を買う場合は、その土地の購入にあてたお金も対象になります。

「お金をもらって家を買う」のと、「家そのものをもらう」のとでは扱いが違う、というところがひっかけになっています。


令和8年(2026年):宅建試験・過去問

問1
所有者不明土地・管理不全土地
問2
賃貸借
問3
共有
問4
相続(法定相続分)
問5
契約の終了
問6
売買契約・賃貸借契約
問7
代理
問8
売買契約
問9
法定地上権
問10
契約総合
問11
借地権
問12
建物賃貸借
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法・開発許可
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)
問24
不動産取得税
問25
地価公示法
問26
広告
問27
監督処分・罰則
問28
宅建士
問29
媒介契約
問30
営業保証金
問31
宅地・宅建業の定義
問32
犯罪収益移転防止法
問33
専任の宅建士
問34
重要事項説明・35条書面
問35
報酬計算(売買)
問36
重要事項説明
問37
報酬計算(貸借)
問38
37条書面
問39
業務上の規制
問40
業務上の規制
問41
届出
問42
クーリングオフ
問43
重要事項説明
問44
案内所等の規制
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物

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