令和8年(2026年)問44|案内所等の規制

宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、売主である宅地建物取引業者B(甲県知事免許)から、分譲マンション(150戸)の販売代理を一括して受けた。Aが、当該マンションの所在する場所以外の場所にモデルルームを設置して、売買契約の申込みを受ける場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、当該マンション及びモデルルームは、甲県内に所在するものとする。

ア.モデルルームについて、Aは宅地建物取引業法第50条第2項の規定に基づく届出を行う必要はないが、売主であるBは、Aの商号及び名称も記載して、当該届出を行わなければならない。

イ.Aは、モデルルームに自己の標識を掲示する必要はないが、Bは掲示しなければならない。

ウ.Aは、成年者である専任の宅地建物取引士をモデルルームに置く必要はないが、Bは、モデルルームに成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。

エ.Aは、マンションの所在する場所に自己の標識を掲示しなければならないが、Bはその必要はない。

1.一つ

2.二つ

3.三つ

4.なし


【答え:4(正しいものはなし)】

ア.モデルルームについて、Aは宅地建物取引業法第50条第2項の規定に基づく届出を行う必要はないが、売主であるBは、Aの商号及び名称も記載して、当該届出を行わなければならない。

ア・・・ 誤り

「モデルルーム」とは、マンションを売り出すときに、部屋のつくりを見てもらうために、物件とは別の場所に設けられる見本の部屋のことを言います。ここで契約の申込みを受ける場合、宅建業法では「案内所」として扱われます。

契約の締結や申込みを受ける案内所などを設けるときは、業務を開始する日の10日前までに、免許権者と案内所の所在地を管轄する都道府県知事に、所在地や業務内容などを届け出なければなりません(宅建業法50条2項、宅建業法施行規則19条3項)。

この届出をしなければならないのは、その案内所を「設置した」宅建業者です。この肢では、販売代理を一括して受けたAがモデルルームを設置して申込みを受けているので、届出をしなければならないのはAです。売主であるBが届け出る必要はありません。

ですので、「Aは届出の必要はないが、Bが届け出なければならない」というのは、逆になっているので誤りです。


イ.Aは、モデルルームに自己の標識を掲示する必要はないが、Bは掲示しなければならない。

イ・・・ 誤り

「標識」とは、宅建業者の商号、免許証番号、代表者の氏名などを記載した看板のことで、その場所で営業している業者がどこの誰なのかを客に分かるようにするために掲示するものです(宅建業法50条1項)。

他の宅建業者が売主となる分譲の代理や媒介を、案内所を設置して行う場合、その案内所に標識を掲示しなければならないのは、案内所を設置した代理・媒介業者です(宅建業法施行規則19条1項)。そして、その標識には売主の商号や免許証番号も記載します。

この肢では、Aがモデルルームを設置しているので、Aが自己の標識を掲示しなければなりません。売主のBがモデルルームに標識を掲示する必要はありません。

ですので、「Aは掲示する必要はないが、Bは掲示しなければならない」というのは、逆になっているので誤りです。


ウ.Aは、成年者である専任の宅地建物取引士をモデルルームに置く必要はないが、Bは、モデルルームに成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。

ウ・・・ 誤り

宅建業者は、事務所だけでなく、契約の締結や申込みを受ける案内所などにも、成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければなりません(宅建業法31条の3第1項、宅建業法施行規則15条の5の2)。案内所の場合は、少なくとも1人以上を置く必要があります。

この義務を負うのも、案内所を設置した宅建業者です。この肢では、Aがモデルルームを設置して申込みを受けるので、Aが専任の宅建士を置かなければなりません。売主のBがモデルルームに専任の宅建士を置く必要はありません。

ですので、「Aは置く必要はないが、Bは置かなければならない」というのも、逆になっているので誤りです。

届出、標識、専任の宅建士は、いずれも「案内所を設置した業者」が義務を負うと覚えておくと整理しやすいです。


エ.Aは、マンションの所在する場所に自己の標識を掲示しなければならないが、Bはその必要はない。

エ・・・ 誤り

150戸の分譲マンションのように、一団の宅地建物(10区画以上の宅地や10戸以上の建物)を分譲する場合、その物件の所在する場所(いわゆる現地)にも標識を掲示しなければなりません(宅建業法50条1項、宅建業法施行規則19条1項2号)。

この現地の標識を掲示しなければならないのは、分譲をする宅建業者、つまり売主です。代理や媒介をするだけの宅建業者が現地に標識を掲示する義務はありません。

この肢では、売主はBなので、マンションの所在する場所に標識を掲示しなければならないのはBです。Aが掲示する必要はありません。

ですので、「Aは掲示しなければならないが、Bはその必要はない」というのは、逆になっているので誤りです。モデルルーム(案内所)は設置したA、現地は売主のBと、場所によって義務を負う業者が違う点に注意しましょう。

以上から、ア〜エはすべて誤りで、正しいものは「なし」です。


令和8年(2026年):宅建試験・過去問

問1
所有者不明土地・管理不全土地
問2
賃貸借
問3
共有
問4
相続(法定相続分)
問5
契約の終了
問6
売買契約・賃貸借契約
問7
代理
問8
売買契約
問9
法定地上権
問10
契約総合
問11
借地権
問12
建物賃貸借
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法・開発許可
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)
問24
不動産取得税
問25
地価公示法
問26
広告
問27
監督処分・罰則
問28
宅建士
問29
媒介契約
問30
営業保証金
問31
宅地・宅建業の定義
問32
犯罪収益移転防止法
問33
専任の宅建士
問34
重要事項説明・35条書面
問35
報酬計算(売買)
問36
重要事項説明
問37
報酬計算(貸借)
問38
37条書面
問39
業務上の規制
問40
業務上の規制
問41
届出
問42
クーリングオフ
問43
重要事項説明
問44
案内所等の規制
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物

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