令和8年(2026年)問16|都市計画法・開発許可

都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、この問において条例による特別の定めはないものとし、「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

1.開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

2.開発許可を受けた開発行為により、従前の公共施設に代えて新たな公共施設が設置されることとなる場合においては、従前の公共施設の用に供していた土地で国又は地方公共団体が所有するものは、工事完了の公告の日の翌日において当該開発許可を受けた者に帰属するものとする。

3.開発許可を受けた開発区域内においては、工事完了の公告があった後は、原則として、建築物を改築し、又はその用途を変更して当該開発許可に係る予定の建築物以外の建築物としてはならない。

4.開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権を取得した者は、都道府県知事の承認の有無にかかわらず、当該開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができる。


【答え:4】

1.開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

1・・・ 正しい

「開発許可」とは、建物を建てるために土地の区画や形を変える工事(開発行為)をするときに、都道府県知事から受けなければならない許可のことを言います。たとえば、山林を切り開いて住宅地をつくるような工事です。

開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければなりません(都市計画法38条)。工事を途中でやめる場合は、許可ではなく届出でよいのです。

よく似たものとして、開発許可の内容を変更するときは、原則として都道府県知事の許可が必要で(都市計画法35条の2第1項)、工事が完了したときは、都道府県知事に届け出て、完了検査を受けます(都市計画法36条1項)。廃止は「遅滞なく届出」、変更は「許可」という違いはよく出題されるので、しっかり押さえておきましょう。


2.開発許可を受けた開発行為により、従前の公共施設に代えて新たな公共施設が設置されることとなる場合においては、従前の公共施設の用に供していた土地で国又は地方公共団体が所有するものは、工事完了の公告の日の翌日において当該開発許可を受けた者に帰属するものとする。

2・・・ 正しい

「公共施設」とは、道路、公園、下水道、緑地、広場、河川、運河、水路などのことを言います。

開発行為をすると、もとからあった道路をなくして、新しい道路をつけかえることがあります。たとえば、開発区域の中に市の道路が通っていて、開発業者がそれをなくして別の場所に新しい道路をつくる場合です。

このように、開発許可を受けた開発行為によって、従前の公共施設に代えて新たな公共施設が設置されることとなる場合、従前の公共施設の用に供していた土地で国又は地方公共団体が所有するものは、工事完了の公告の日の翌日に、開発許可を受けた者に帰属します(都市計画法40条1項)。そのかわりに、新しい公共施設の用に供する土地は、その日に国又は地方公共団体に帰属します。

古い道路の土地と新しい道路の土地を交換するようなイメージです。開発業者は新しい道路の土地を市などに渡すかわりに、使わなくなった古い道路の土地をもらえるので、公平になっているのです。


3.開発許可を受けた開発区域内においては、工事完了の公告があった後は、原則として、建築物を改築し、又はその用途を変更して当該開発許可に係る予定の建築物以外の建築物としてはならない。

3・・・ 正しい

「工事完了の公告」とは、開発行為の工事が許可の内容どおりに終わったことを、都道府県知事が完了検査をしたうえで広く知らせることを言います。

開発許可を受けた開発区域内では、工事完了の公告があった後は、原則として、開発許可の申請で予定した建築物(予定建築物)以外の建築物を新築したり、建築物を改築したり用途を変更して予定建築物以外の建築物にしたりしてはなりません(都市計画法42条1項)。たとえば、住宅を建てる予定で開発許可を受けた土地に、工場を建てることは原則としてできません。予定の建物だからこそ許可したのに、別の建物を建てられてしまっては困るからです。

ただし、都道府県知事が利便の増進上もしくは開発区域の周辺の環境の保全上支障がないと認めて許可したときや、その土地に用途地域等が定められているときは、例外として認められます(都市計画法42条1項ただし書)。本肢は「原則として」と書いているので、正しいです。


4.開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権を取得した者は、都道府県知事の承認の有無にかかわらず、当該開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができる。

4・・・ 誤り

「地位の承継」とは、開発許可を受けた人が持っていた、許可に基づいて工事をすることができる立場を、別の人が引き継ぐことを言います。

引き継ぎ方には2つのパターンがあります。1つ目は「一般承継」で、開発許可を受けた人が亡くなって相続人が引き継ぐ場合や、会社が合併した場合です。この場合は、手続きなしで当然に地位を承継します(都市計画法44条)。

2つ目は「特定承継」で、本肢のように、開発許可を受けた者から開発区域内の土地の所有権などを買い取った人が引き継ぐ場合です。この場合は、都道府県知事の承認を受けて、地位を承継することができます(都市計画法45条)。たとえば、開発業者Aから開発途中の土地を買った業者Bが、そのまま工事を続けたいときは、知事の承認が必要です。Bにきちんと工事を続ける能力があるかどうかを知事が確かめる必要があるからです。

ですので、「都道府県知事の承認の有無にかかわらず」承継できるというのは誤りです。相続などの一般承継は承認不要、土地を買った特定承継は承認が必要、という違いをしっかり押さえておきましょう。


令和8年(2026年):宅建試験・過去問

問1
所有者不明土地・管理不全土地
問2
賃貸借
問3
共有
問4
相続(法定相続分)
問5
契約の終了
問6
売買契約・賃貸借契約
問7
代理
問8
売買契約
問9
法定地上権
問10
契約総合
問11
借地権
問12
建物賃貸借
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法・開発許可
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)
問24
不動産取得税
問25
地価公示法
問26
広告
問27
監督処分・罰則
問28
宅建士
問29
媒介契約
問30
営業保証金
問31
宅地・宅建業の定義
問32
犯罪収益移転防止法
問33
専任の宅建士
問34
重要事項説明・35条書面
問35
報酬計算(売買)
問36
重要事項説明
問37
報酬計算(貸借)
問38
37条書面
問39
業務上の規制
問40
業務上の規制
問41
届出
問42
クーリングオフ
問43
重要事項説明
問44
案内所等の規制
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物

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