法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が行う届出に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.Aが株主総会の決議により解散することとなった場合、Aを代表する役員であったBは、その旨を当該解散の日から2週間以内に甲県知事に届け出なければならない。
2.Aが乙県内に所在するマンション(100戸)について甲県内に案内所を設置して、売買契約を締結し、又は売買契約の申込みを受ける場合、Aは、業務を開始する日の10日前までに宅地建物取引業法第50条第2項の規定に基づく届出をしなければならないが、この届出は甲県知事にすれば足りる。
3.Aは、法人である宅地建物取引業者C(国土交通大臣免許)に吸収合併され、消滅した。この場合、Cを代表する役員Dは、当該合併の日から30日以内にAが消滅したことを国土交通大臣に届け出なければならない。
4.Aの取締役にいずれも宅地建物取引士ではないEとFが新たに就任した。Eが常勤、Fが非常勤である場合、AはEについてのみ役員の変更を甲県知事に届け出る必要がある。
1・・・ 誤り
宅建業者である法人が、合併や破産以外の理由で解散した場合は、「清算人」が、その日から30日以内に、免許権者に届け出なければなりません(宅建業法11条1項4号)。「清算人」とは、解散した会社の財産を整理して、借金を返したり、残った財産を分けたりする役目の人のことを言います。
この肢は、届け出る人を「代表する役員であったB」、期限を「2週間以内」としている点で、2か所誤りです。
廃業等の届出は、誰が届け出るかがよく問われます。死亡の場合は相続人、合併で消滅した場合は消滅した法人の代表役員であった者、破産の場合は破産管財人、合併・破産以外の解散の場合は清算人、廃業の場合は個人ならその本人、法人なら代表役員です。期限はいずれも30日以内(死亡の場合は死亡を知った日から30日以内)です。しっかり押さえておきましょう。
2・・・ 正しい
宅建業者は、一団の宅地建物(10区画以上の宅地や10戸以上の建物)の分譲のための案内所など、契約を結んだり申込みを受けたりする場所を設けるときは、業務を開始する日の10日前までに、一定の事項を届け出なければなりません(宅建業法50条2項、宅建業法施行規則19条3項)。この届出のことを「50条2項の届出」と言います。
届出先は、免許権者と、その案内所の所在地を管轄する都道府県知事の両方です(宅建業法50条2項)。
この肢では、Aの免許権者は甲県知事で、案内所も甲県内にあります。マンションは乙県内にありますが、届出先は物件の場所ではなく案内所の場所で決まります。そのため、免許権者も案内所の所在地を管轄する知事も、どちらも甲県知事になるので、甲県知事に届け出れば足ります。
もし案内所を乙県に設けた場合は、甲県知事と乙県知事の両方に届け出る必要があります。物件の所在地と案内所の所在地を混同しないようにしましょう。
3・・・ 誤り
宅建業者である法人が合併により消滅した場合は、その消滅した法人を代表する役員であった者が、合併の日から30日以内に、消滅した法人の免許権者に届け出なければなりません(宅建業法11条1項2号)。
「吸収合併」とは、ある会社が別の会社に吸収されて、吸収された会社がなくなることを言います。この肢では、AがCに吸収されて、Aはなくなっています。
この場合に届出をするのは、消滅したAの代表役員であった者です。吸収した側のCの代表役員Dではありません。また、届出先は、消滅したAの免許権者である甲県知事であり、国土交通大臣ではありません。
なくなった会社のことは、なくなった会社の関係者が、その会社に免許を与えた行政庁に届け出る、と考えると覚えやすいです。この肢は、届出をする人と届出先の2か所が誤りです。
4・・・ 誤り
宅建業者は、宅建業者名簿に登載されている事項に変更があった場合は、30日以内に、免許権者に変更の届出をしなければなりません(宅建業法9条)。法人の場合、「役員の氏名」は宅建業者名簿の登載事項です(宅建業法8条2項3号)。
ここでいう「役員」には、常勤の役員だけでなく、非常勤の役員も含まれます。非常勤の取締役であっても、会社の経営に関わる立場にあることに変わりはないからです。また、役員が宅建士であるかどうかも関係ありません。
ですので、常勤のEだけでなく、非常勤のFについても、役員の変更として甲県知事に届け出る必要があります。
なお、免許の欠格事由を判断するときの「役員」にも、非常勤の役員が含まれます。役員といえば常勤・非常勤を問わない、と押さえておきましょう。
令和8年(2026年):宅建試験・過去問
- 問1
- 所有者不明土地・管理不全土地
- 問2
- 賃貸借
- 問3
- 共有
- 問4
- 相続(法定相続分)
- 問5
- 契約の終了
- 問6
- 売買契約・賃貸借契約
- 問7
- 代理
- 問8
- 売買契約
- 問9
- 法定地上権
- 問10
- 契約総合
- 問11
- 借地権
- 問12
- 建物賃貸借
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法・開発許可
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 盛土規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)
- 問24
- 不動産取得税
- 問25
- 地価公示法
- 問26
- 広告
- 問27
- 監督処分・罰則
- 問28
- 宅建士
- 問29
- 媒介契約
- 問30
- 営業保証金
- 問31
- 宅地・宅建業の定義
- 問32
- 犯罪収益移転防止法
- 問33
- 専任の宅建士
- 問34
- 重要事項説明・35条書面
- 問35
- 報酬計算(売買)
- 問36
- 重要事項説明
- 問37
- 報酬計算(貸借)
- 問38
- 37条書面
- 問39
- 業務上の規制
- 問40
- 業務上の規制
- 問41
- 届出
- 問42
- クーリングオフ
- 問43
- 重要事項説明
- 問44
- 案内所等の規制
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物






