令和8年(2026年)問41|届出

法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が行う届出に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1.Aが株主総会の決議により解散することとなった場合、Aを代表する役員であったBは、その旨を当該解散の日から2週間以内に甲県知事に届け出なければならない。

2.Aが乙県内に所在するマンション(100戸)について甲県内に案内所を設置して、売買契約を締結し、又は売買契約の申込みを受ける場合、Aは、業務を開始する日の10日前までに宅地建物取引業法第50条第2項の規定に基づく届出をしなければならないが、この届出は甲県知事にすれば足りる。

3.Aは、法人である宅地建物取引業者C(国土交通大臣免許)に吸収合併され、消滅した。この場合、Cを代表する役員Dは、当該合併の日から30日以内にAが消滅したことを国土交通大臣に届け出なければならない。

4.Aの取締役にいずれも宅地建物取引士ではないEとFが新たに就任した。Eが常勤、Fが非常勤である場合、AはEについてのみ役員の変更を甲県知事に届け出る必要がある。


【答え:2】

1.Aが株主総会の決議により解散することとなった場合、Aを代表する役員であったBは、その旨を当該解散の日から2週間以内に甲県知事に届け出なければならない。

1・・・ 誤り

宅建業者である法人が、合併や破産以外の理由で解散した場合は、「清算人」が、その日から30日以内に、免許権者に届け出なければなりません(宅建業法11条1項4号)。「清算人」とは、解散した会社の財産を整理して、借金を返したり、残った財産を分けたりする役目の人のことを言います。

この肢は、届け出る人を「代表する役員であったB」、期限を「2週間以内」としている点で、2か所誤りです。

廃業等の届出は、誰が届け出るかがよく問われます。死亡の場合は相続人、合併で消滅した場合は消滅した法人の代表役員であった者、破産の場合は破産管財人、合併・破産以外の解散の場合は清算人、廃業の場合は個人ならその本人、法人なら代表役員です。期限はいずれも30日以内(死亡の場合は死亡を知った日から30日以内)です。しっかり押さえておきましょう。


2.Aが乙県内に所在するマンション(100戸)について甲県内に案内所を設置して、売買契約を締結し、又は売買契約の申込みを受ける場合、Aは、業務を開始する日の10日前までに宅地建物取引業法第50条第2項の規定に基づく届出をしなければならないが、この届出は甲県知事にすれば足りる。

2・・・ 正しい

宅建業者は、一団の宅地建物(10区画以上の宅地や10戸以上の建物)の分譲のための案内所など、契約を結んだり申込みを受けたりする場所を設けるときは、業務を開始する日の10日前までに、一定の事項を届け出なければなりません(宅建業法50条2項、宅建業法施行規則19条3項)。この届出のことを「50条2項の届出」と言います。

届出先は、免許権者と、その案内所の所在地を管轄する都道府県知事の両方です(宅建業法50条2項)。

この肢では、Aの免許権者は甲県知事で、案内所も甲県内にあります。マンションは乙県内にありますが、届出先は物件の場所ではなく案内所の場所で決まります。そのため、免許権者も案内所の所在地を管轄する知事も、どちらも甲県知事になるので、甲県知事に届け出れば足ります。

もし案内所を乙県に設けた場合は、甲県知事と乙県知事の両方に届け出る必要があります。物件の所在地と案内所の所在地を混同しないようにしましょう。


3.Aは、法人である宅地建物取引業者C(国土交通大臣免許)に吸収合併され、消滅した。この場合、Cを代表する役員Dは、当該合併の日から30日以内にAが消滅したことを国土交通大臣に届け出なければならない。

3・・・ 誤り

宅建業者である法人が合併により消滅した場合は、その消滅した法人を代表する役員であった者が、合併の日から30日以内に、消滅した法人の免許権者に届け出なければなりません(宅建業法11条1項2号)。

「吸収合併」とは、ある会社が別の会社に吸収されて、吸収された会社がなくなることを言います。この肢では、AがCに吸収されて、Aはなくなっています。

この場合に届出をするのは、消滅したAの代表役員であった者です。吸収した側のCの代表役員Dではありません。また、届出先は、消滅したAの免許権者である甲県知事であり、国土交通大臣ではありません。

なくなった会社のことは、なくなった会社の関係者が、その会社に免許を与えた行政庁に届け出る、と考えると覚えやすいです。この肢は、届出をする人と届出先の2か所が誤りです。


4.Aの取締役にいずれも宅地建物取引士ではないEとFが新たに就任した。Eが常勤、Fが非常勤である場合、AはEについてのみ役員の変更を甲県知事に届け出る必要がある。

4・・・ 誤り

宅建業者は、宅建業者名簿に登載されている事項に変更があった場合は、30日以内に、免許権者に変更の届出をしなければなりません(宅建業法9条)。法人の場合、「役員の氏名」は宅建業者名簿の登載事項です(宅建業法8条2項3号)。

ここでいう「役員」には、常勤の役員だけでなく、非常勤の役員も含まれます。非常勤の取締役であっても、会社の経営に関わる立場にあることに変わりはないからです。また、役員が宅建士であるかどうかも関係ありません。

ですので、常勤のEだけでなく、非常勤のFについても、役員の変更として甲県知事に届け出る必要があります。

なお、免許の欠格事由を判断するときの「役員」にも、非常勤の役員が含まれます。役員といえば常勤・非常勤を問わない、と押さえておきましょう。


令和8年(2026年):宅建試験・過去問

問1
所有者不明土地・管理不全土地
問2
賃貸借
問3
共有
問4
相続(法定相続分)
問5
契約の終了
問6
売買契約・賃貸借契約
問7
代理
問8
売買契約
問9
法定地上権
問10
契約総合
問11
借地権
問12
建物賃貸借
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法・開発許可
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)
問24
不動産取得税
問25
地価公示法
問26
広告
問27
監督処分・罰則
問28
宅建士
問29
媒介契約
問30
営業保証金
問31
宅地・宅建業の定義
問32
犯罪収益移転防止法
問33
専任の宅建士
問34
重要事項説明・35条書面
問35
報酬計算(売買)
問36
重要事項説明
問37
報酬計算(貸借)
問38
37条書面
問39
業務上の規制
問40
業務上の規制
問41
届出
問42
クーリングオフ
問43
重要事項説明
問44
案内所等の規制
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物

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