次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1.法第55条第1項の規定により、第一種住居地域内においては、建築物の高さは、10m又は12mのうち当該地域に関する都市計画に定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。
2.特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、都道府県知事の承認を得て、条例で、法第48条第1項から第13項までの規定による用途の制限を緩和することができる。
3.住宅、老人ホーム、図書館は工業専用地域内には建築することができないが、診療所、寺院は工業専用地域内を含めすべての用途地域内において建築することができる。
4.高度利用地区内において、建築物の敷地面積は、用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、当該最低限度以上でなければならない。公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で公益上必要なものの敷地についても同様である。
1・・・ 誤り
「建築物の高さの限度」とは、建物の高さを、10mまたは12mのうち都市計画で定めた高さ以下におさえなければならないというルールのことを言います(建築基準法55条1項)。いわゆる「絶対高さ制限」です。
この制限があるのは、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域の3つの用途地域だけです。これらの地域は、低い住宅が建ち並ぶ、日当たりのよい静かな住環境を守るための地域だからです。たとえば、2階建ての家が多い住宅街に、いきなり高い建物が建つのを防ぐためのルールです。
第一種住居地域は、住居の環境を守るための地域ではありますが、マンションなどの中高層の建物も建てられる地域なので、10mまたは12mの高さ制限はありません。ですので、本肢は誤りです。
低層住居専用地域と田園住居地域だけの制限には、ほかに外壁の後退距離の制限などもあるので、まとめて押さえておきましょう。
2・・・ 誤り
「特別用途地区」とは、用途地域の中の一定の地区で、その地区の特性にふさわしい土地利用の増進や環境の保護などの特別な目的を実現するため、用途地域の指定を補ってさらに定める地区のことを言います。たとえば、文教地区や観光地区などがあります。
特別用途地区内では、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合は、条例で、用途地域による用途制限を厳しくする(強化する)ことができます(建築基準法49条1項)。
また、用途制限をゆるめる(緩和する)こともできますが、その場合は、「国土交通大臣」の承認を得て、条例で定めなければなりません(建築基準法49条2項)。ゆるめる場合は、全国的な用途地域のルールをくずすことになるので、国がチェックするのです。
ですので、「都道府県知事の承認」というのは誤りです。強化は条例だけでよく、緩和は国土交通大臣の承認が必要、という点をしっかり押さえておきましょう。
3・・・ 正しい
「工業専用地域」とは、工業の利便を増進するため定める地域のことを言います。工場のためだけの地域なので、人が住むための建物などは建てられません。
工業専用地域では、住宅、共同住宅、老人ホーム、図書館などは建築することができません(建築基準法48条13項、別表第2(わ)項)。たとえば、大きな化学工場が並ぶ地域に住宅があると、住む人の健康や安全によくないからです。
これに対して、診療所、寺院や神社、教会などの宗教施設は、工業専用地域を含めて、すべての用途地域で建築することができます。ほかにも、保育所、公衆浴場、巡査派出所、公衆電話所なども、すべての用途地域で建築することができます。診療所は、工場で働く人がけがをしたときなどにも必要ですし、宗教施設は地域の人のよりどころとしてどこにでも必要とされるからです。
「どの用途地域でも建てられる建物」はまとめて覚えておくと、用途制限の問題で役立ちます。
4・・・ 誤り
「敷地面積の最低限度」とは、建物の敷地を一定の広さ以上にしなければならないというルールのことを言います。土地が細かく分けられて、小さな家がぎっしり建ち並ぶのを防ぐためのものです。
用途地域に関する都市計画で建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、建築物の敷地面積は、その最低限度以上でなければなりません(建築基準法53条の2第1項)。前半は、この内容を述べたものです。
誤っているのは後半です。この敷地面積の最低限度は、公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で公益上必要なものの敷地には適用されません(建築基準法53条の2第1項2号)。たとえば、交番は小さな土地にあることが多いですが、地域の安全のために必要な建物なので、敷地が狭くても建てられるようにしているのです。
ほかにも、建蔽率の限度が10分の8とされている地域内で防火地域内にある耐火建築物等の敷地や、特定行政庁が許可したものなども、適用されない例外になっています。
令和8年(2026年):宅建試験・過去問
- 問1
- 所有者不明土地・管理不全土地
- 問2
- 賃貸借
- 問3
- 共有
- 問4
- 相続(法定相続分)
- 問5
- 契約の終了
- 問6
- 売買契約・賃貸借契約
- 問7
- 代理
- 問8
- 売買契約
- 問9
- 法定地上権
- 問10
- 契約総合
- 問11
- 借地権
- 問12
- 建物賃貸借
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法・開発許可
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 盛土規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 贈与税(住宅取得等資金の非課税特例)
- 問24
- 不動産取得税
- 問25
- 地価公示法
- 問26
- 広告
- 問27
- 監督処分・罰則
- 問28
- 宅建士
- 問29
- 媒介契約
- 問30
- 営業保証金
- 問31
- 宅地・宅建業の定義
- 問32
- 犯罪収益移転防止法
- 問33
- 専任の宅建士
- 問34
- 重要事項説明・35条書面
- 問35
- 報酬計算(売買)
- 問36
- 重要事項説明
- 問37
- 報酬計算(貸借)
- 問38
- 37条書面
- 問39
- 業務上の規制
- 問40
- 業務上の規制
- 問41
- 届出
- 問42
- クーリングオフ
- 問43
- 重要事項説明
- 問44
- 案内所等の規制
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物






