AはBに対して、Aが所有する甲土地を1,000万円で売却したい旨の申込みを郵便で令和4年7月1日に発信した(以下この問において「本件申込み」という。)が、本件申込みがBに到達する前にAが死亡した場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.Bが承諾の通知を発する前に、BがAの死亡を知ったとしても、本件申込みは効力を失わない。
2.Aが、本件申込みにおいて、自己が死亡した場合には申込みの効力を失う旨の意思表示をしていたときには、BがAの死亡を知らないとしても本件申込みは効力を失う。
3.本件申込みが効力を失わない場合、本件申込みに承諾をなすべき期間及び撤回をする権利についての記載がなかったときは、Aの相続人は、本件申込みをいつでも撤回することができる。
4.本件申込みが効力を失わない場合、Bが承諾の意思表示を発信した時点で甲土地の売買契約が成立する
。
1・・・誤り
契約の申込みの通知をした後に、申込者が、「①死亡、または、②意思無能力者、③制限行為能力者」になった場合、相手方が承諾の通知を発する前に、①~③の事実を知ったときは、その申込みは効力を失います。
よって、本肢の場合、Bが承諾の通知を発する前に、BがAの死亡を知ったのであれば、本件申込みは効力を失うので、誤りです。
2・・・正しい
契約の申込みの通知をした後に、申込者が、「①死亡、または、②意思無能力者、③制限行為能力者」になった場合、申込者が、「①~③の事由が生じたときは、申込みの効力を失う」旨の意思表示をしていたときは、その意思表示に従い、その申込みは効力を失います。
よって、本肢は正しいです。
3・・・誤り
承諾の期間を定めないでした申込みは、原則、承諾を受けるのに相当な期間を経過するまでは撤回することができません。
ただし、撤回する権利を留保した場合は、例外として、相当期間の経過前でも撤回することができます。
本肢の場合、「撤回をする権利についての記載がなかった」となっているので、例外には当たらないので、原則で考えます。
よって、相続人は申込者の権利義務を承継するため、承諾を受けるのに相当な期間を経過するまでは撤回できません。
本肢は理解していただきたい内容があるので、個別指導で解説します!
4・・・誤り
契約は、申込みに対して、相手方が承諾をしたときに成立します。
そして、意思表示は、その通知が相手方に届いたときに効力を生じます。
よって、契約の成立時期は、発信した時点ではなく、申込者に承諾の通知が届いた時です。
令和3年(2021年)12月試験分:宅建試験・過去問
- 問1
- 自力救済(判決文)
- 問2
- 相隣関係
- 問3
- 成年被後見人
- 問4
- 売買契約
- 問5
- 代理
- 問6
- 物権変動
- 問7
- 相続
- 問8
- 民法総合
- 問9
- 売買契約・賃貸借契約
- 問10
- 抵当権
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 宅地造成等規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 登録免許税
- 問24
- 固定資産税
- 問25
- 地価公示法
- 問26
- 契約書面(37条書面)
- 問27
- 8種制限
- 問28
- 監督処分・罰則
- 問29
- 免許
- 問30
- 広告
- 問31
- 報酬
- 問32
- 保証協会
- 問33
- 媒介契約
- 問34
- 宅地・建物の定義
- 問35
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問36
- 免許
- 問37
- 宅建士
- 問38
- 業務上の規制
- 問39
- 保証協会
- 問40
- 契約書面(37条書面)
- 問41
- 宅建士
- 問42
- 契約書面(37条書面)
- 問43
- クーリングオフ
- 問44
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物