次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものの組合せとして、正しいものはどれか。なお、この問において「建築確認」とは、建築基準法第6条第1項の確認をいうものとする。
ア 宅地建物取引業者Aは、建築確認の済んでいない建築工事完了前の賃貸住宅の貸主Bから当該住宅の貸借の媒介を依頼され、取引態様を媒介と明示して募集広告を行った。
イ 宅地建物取引業者Cは、建築確認の済んでいない建築工事完了前の賃貸住宅の貸主Dから当該住宅の貸借の代理を依頼され、代理人として借主Eとの間で当該住宅の賃貸借契約を締結した。
ウ 宅地建物取引業者Fは、自己の所有に属しない宅地について、自ら売主として、宅地建物取引業者Gと売買契約の予約を締結した。
エ 宅地建物取引業者Hは、農地の所有者Iと建物の敷地に供するため農地法第5条の許可を条件とする売買契約を締結したので、自ら売主として宅地建物取引業者ではない個人JとI所有の農地の売買契約を締結した。
1.ア、イ
2.ア、エ
3.イ、ウ
4.ウ、エ
ア・・・違反する
建物の建築に関する工事の完了前においては、建築確認があった後でなければ、建物の売買及び貸借に関する広告をすることができません。
よって、建築確認前の住宅の貸借の媒介を依頼され、募集広告を行った場合、取引態様を媒介と明示したとしても違反です。
イ・・・違反しない
建物建築に関する工事の完了前においては、建築確認があった後でなければ、建物につき、自ら当事者として売買契約を締結したり、売買契約を代理又は媒介することができません。
一方、貸借については、上記ルールはないので、建築確認前でも賃貸借契約を締結することができます。
よって、違反ではないです。
ウ・・・違反しない
売主が宅建業者で、買主が宅建業者でない場合、売主の宅建業者は、「自己の所有に属しない宅地又は建物」について、自ら売主となる売買契約を締結することができません。そして、売買契約には予約契約も含まれます。(自己所有に属しない宅地建物の売買契約の締結の制限=8種制限の一つ)
しかし、本問は、買主が宅建業者なので、上記ルールは適用されません。
よって、自己所有に属しない不動産でも、買主業者Gと売買契約の予約を締結することができます。
エ・・・違反する
農地の所有者I-(農地法5条許可を停止条件として売買契約)→宅建業者H(売主)→非宅建業者J(買主)
売主業者Hは、停止条件付で、Iから「建物の敷地に供するため農地(宅地)」を取得しています。
そして、停止条件付の売買契約では、「取得」したことにならないので、当該農地は、「自己所有に属しない宅地建物」となります。
売主業者Hは、「宅地建物取引業者ではない個人J」と売買契約を締結したら違反です。
令和3年(2021年)12月試験分:宅建試験・過去問
- 問1
- 自力救済(判決文)
- 問2
- 相隣関係
- 問3
- 成年被後見人
- 問4
- 売買契約
- 問5
- 代理
- 問6
- 物権変動
- 問7
- 相続
- 問8
- 民法総合
- 問9
- 売買契約・賃貸借契約
- 問10
- 抵当権
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 宅地造成等規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 登録免許税
- 問24
- 固定資産税
- 問25
- 地価公示法
- 問26
- 契約書面(37条書面)
- 問27
- 8種制限
- 問28
- 監督処分・罰則
- 問29
- 免許
- 問30
- 広告
- 問31
- 報酬
- 問32
- 保証協会
- 問33
- 媒介契約
- 問34
- 宅地・建物の定義
- 問35
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問36
- 免許
- 問37
- 宅建士
- 問38
- 業務上の規制
- 問39
- 保証協会
- 問40
- 契約書面(37条書面)
- 問41
- 宅建士
- 問42
- 契約書面(37条書面)
- 問43
- クーリングオフ
- 問44
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物