(解説について改正民法適用済み)
次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び判例並びに下記判決文によれば、誤っているものはどれか。
(判決文)
本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後に無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為が有効になるものではないと解するのが相当である。けだし、無権代理人がした行為は、本人がその追認をしなければ本人に対してその効力を生ぜず(民法113条1項)、本人が追認を拒絶すれば無権代理行為の効力が本人に及ばないことが確定し、追認拒絶の後は本人であっても追認によって無権代理行為を有効とすることができず、右追認拒絶の後に無権代理人が本人を相続したとしても、右追認拒絶の効果に何ら影響を及ぼすものではないからである。
1.本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合、その後は本人であっても無権代理行為を追認して有効な行為とすることはできない。
2.本人が追認拒絶をした後に無権代理人が本人を相続した場合と、本人が追認拒絶をする前に無権代理人が本人を相続した場合とで、法律効果は同じである。
3.無権代理行為の追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
4.本人が無権代理人を相続した場合、当該無権代理行為は、その相続により当然には有効とならない。
【答え:2】
1・・・正しい
本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合、その時点で、無権代理行為の効力が本人に及ばないこと(契約の無効)が確定し、追認拒絶の後は本人であっても追認によって無権代理行為を有効とすることができません。 よって、本問は正しいです。
2・・・誤り
①本人が追認拒絶をした後に無権代理人が本人を相続した場合、追認拒絶によって、契約の無効が確定します。(選択肢1参照)
一方、 ②本人が追認拒絶をする前に無権代理人が本人を相続した場合、無権代理人は追認拒絶はできません 無権代理人が行った行為が有効となります。(判決文には記載されていないが基本事項)
よって、①と②とでは、法律効果は同じではありません。
3・・・正しい
無権代理行為の追認は、原則、契約の時にさかのぼってその効力を生じます。 ただし、第三者の権利を害することはできません。 「第三者の権利を害することはできない」とはどういうことか?「個別指導」で解説します! きちんと理解しておきましょう!
4・・・正しい
本人が無権代理人を相続した場合、当該無権代理行為は、その相続により当然には有効とはなりません。あとで、追認拒絶することは可能です。
【本人が追認拒絶できる理由】
本人が追認を拒絶しても信義則に反しないから
この点は、判決文には記載されていないが基本事項です。
「個別指導」では関連ポイントも一緒に解説します!
令和元年(平成31年)度(2019年)宅建試験・過去問
- 問1
- 対抗関係
- 問2
- 意思表示
- 問3
- 契約不適合責任
- 問4
- 不法行為
- 問5
- 代理(判決文)
- 問6
- 相続
- 問7
- 弁済
- 問8
- 請負
- 問9
- 時効
- 問10
- 抵当権
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 宅地造成等規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 所得税
- 問24
- 固定資産税
- 問25
- 地価公示法
- 問26
- 免許
- 問27
- 8種制限
- 問28
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問29
- 監督処分・罰則
- 問30
- 広告規制
- 問31
- 媒介契約
- 問32
- 報酬計算(空き家等の特例)
- 問33
- 保証協会
- 問34
- 37条書面
- 問35
- 業務上の規制
- 問36
- 37条書面
- 問37
- 手付金等の保全措置
- 問38
- クーリング・オフ
- 問39
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問40
- 業務上の規制
- 問41
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問42
- 宅地の定義
- 問43
- 免許の基準
- 問44
- 宅建士
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計(省略)
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物