宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
1.Aは、宅地建物取引業者ではないBが所有する宅地について、Bとの間で確定測量図の交付を停止条件とする売買契約を締結した。その後、停止条件が成就する前に、Aは自ら売主として、宅地建物取引業者ではないCとの間で当該宅地の売買契約を締結した。
2.Aは、その主たる事務所に従事する唯一の専任の宅地建物取引士Dが令和元年5月15日に退職したため、同年6月10日に新たな専任の宅地建物取引士Eを置いた。
3.Aは、宅地建物取引業者Fから宅地の売買に関する注文を受けた際、Fに対して取引態様の別を明示しなかった。
4.Aは、宅地の貸借の媒介に際し、当該宅地が都市計画法第29条の許可の申請中であることを知りつつ、賃貸借契約を成立させた。
【答え:4】
1・・・違反する
非宅建業者B→宅建業者A→非宅建業者
宅建業者は、「自己の所有に属しない宅地又は建物」について、自ら売主となる売買契約を締結することができません。 そのため、「AがBから宅地を取得する契約を締結していない場合」、または「本問のように、売買契約を締結していても停止条件が付いている場合、当該宅地は「自己所有に属しない宅地」に当たります。 よって、Aは非宅建業者Cと売買契約を締結することはできないので、本問は違反となります。 基本的な問題ですが、解けない方が多い問題なので、きちんと理解する必要があります。 なので、理解の仕方は「個別指導」でお伝えします!、
2・・・違反する
専任宅建士(専任取引士)が退職することで、法定数に満たないこととなった場合、宅建業者は2週間以内に、専任宅建士を設置する必要があります。 本問の場合、5月15日に退職しているので、2週間以内(=5月29日まで)に、新たに専任宅建士を設置する必要があります。 したがって、「6月10日に新たな専任の宅地建物取引士Eを置いた」では遅いため、宅建業法違反です。
3・・・違反する
「取引態様の別」を明示する必要があるのは、「①広告をする時」または「②注文を受けた時」です。 本問の場合、「宅建業者Aは、注文を受けた際、Fに対して取引態様の別を明示しなかった」となっているので宅建業法違反です。 買主Fが宅建業者であっても、取引態様の別の明示は必要です。
※ 「取引態様の別」とは、「売主」「代理」「媒介」のどれに当たるかということです。
4・・・違反しない
「都市計画法第29条の許可」とは「開発許可」を指します。 そして、宅建業者が未完成物件の「売買」の契約を締結する場合、開発許可などの処分を受け後でなければ契約締結することができないですが、本問は「貸借」です。 「貸借」の場合、開発許可などの処分前でも契約締結することが可能なので、本問は宅建業法に違反しません。 この問題は基本問題ですが、整理できていなくて失点する方が多いです。 なので、「個別指導」では整理の仕方をお伝えします!
令和元年(平成31年)度(2019年)宅建試験・過去問
- 問1
- 対抗関係
- 問2
- 意思表示
- 問3
- 契約不適合責任
- 問4
- 不法行為
- 問5
- 代理(判決文)
- 問6
- 相続
- 問7
- 弁済
- 問8
- 請負
- 問9
- 時効
- 問10
- 抵当権
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 宅地造成等規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 所得税
- 問24
- 固定資産税
- 問25
- 地価公示法
- 問26
- 免許
- 問27
- 8種制限
- 問28
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問29
- 監督処分・罰則
- 問30
- 広告規制
- 問31
- 媒介契約
- 問32
- 報酬計算(空き家等の特例)
- 問33
- 保証協会
- 問34
- 37条書面
- 問35
- 業務上の規制
- 問36
- 37条書面
- 問37
- 手付金等の保全措置
- 問38
- クーリング・オフ
- 問39
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問40
- 業務上の規制
- 問41
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問42
- 宅地の定義
- 問43
- 免許の基準
- 問44
- 宅建士
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計(省略)
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物