保証に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、保証契約は令和2年4月1日以降に締結されたものとする。
1.特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行により契約が解除された場合には、原状回復義務である既払代金の返還義務についても保証する責任がある。
2.主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担も加重され、主たる債務者が時効の利益を放棄すれば、その効力は連帯保証人に及ぶ。
3.委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の弁済をしたが、主たる債務者が当該保証人からの求償に対して、当該弁済日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
4.委託を受けた保証人は、履行の請求を受けた場合だけでなく、履行の請求を受けずに自発的に債務の消滅行為をする場合であっても、あらかじめ主たる債務者に通知をしなければ、同人に対する求償が制限されることがある。
【答え:2】
1・・・正しい
特定物売買において、買主が売主に代金を支払った後、「売主の債務不履行」によって契約が解除された場合は、「売主の債務を保証していた保証人」は、「売主の代金返還債務」についても責任を負います。
つまり、保証人は、売主に既に支払われた代金の返還義務についても保証する責任があります。
よって、正しいです。
2・・・誤り
主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されません。
例えば、初めの契約で、主たる債務・保証債務も1,000万円であったとします。その後、主たる債務者が追加で500万円を借りた場合、自動的に保証債務も1,500万円とはなりません(加重されない)。
よって、この部分は誤りです。
また、「時効の利益の放棄」は相対効なので、主たる債務者が時効完成後に時効の利益を放棄したとしても、保証人にはその効果は及ばず、時効の完成を主張することはできます。
よって、この部分も誤りです。
3・・・正しい
委託を受けた保証人が弁済期前に弁済した場合に、主たる債務者が債権者に対し、その債務消滅行為以前の相殺の原因を有していたときは、その反対債権は保証人に移転し、保証人が債権者に対して履行を請求することができます。
簡単にいえば、主たる債務者が持っていた反対債権が、保証人に移転して、保証人が債権者に履行請求できるということです。
具体例を出せば簡単なので個別指導で具体例を解説します!
理解をすれば、宅建レベルの内容はそれほど難しくないです!
4・・・正しい
委託を受けた保証人が弁済等をするときには、履行の請求を受けたかどうかに関係なく、主たる債務者への事前通知が必要です。 この事前通知を怠った場合、主たる債務者は債権者に対抗できた事由(例えば相殺できる反対債権)をもって保証人に対抗できます。 これも具体例を出せば簡単なので個別指導で具体例を解説します!
令和2年(2020年)10月試験分:宅建試験・過去問
- 問1
- 囲繞地と袋地
- 問2
- 保証
- 問3
- 契約の解除(判決文)
- 問4
- 賃貸借契約
- 問5
- 委任契約
- 問6
- 錯誤
- 問7
- 保証
- 問8
- 相続
- 問9
- 売買契約・贈与契約
- 問10
- 時効
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 宅地造成等規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 印紙税
- 問24
- 不動産取得税
- 問25
- 不動産鑑定評価基準
- 問26
- 免許
- 問27
- 広告
- 問28
- 宅建士
- 問29
- 媒介契約
- 問30
- 報酬計算
- 問31
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問32
- 8種制限
- 問33
- 37条書面
- 問34
- 宅建士
- 問35
- 営業保証金
- 問36
- 保証協会
- 問37
- 37条書面
- 問38
- 媒介契約
- 問39
- 業務上の規制
- 問40
- クーリングオフ
- 問41
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問42
- 8種制限
- 問43
- 免許の基準
- 問44
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物