平成30年(2018年)問7/宅建過去問

(解説について改正民法適用済み)
債権譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1.譲渡禁止特約のある債権の譲渡を受けた第三者が、その特約の存在を知らなかったとしても、知らなかったことにつき重大な過失があれば、債務者は第三者に対して履行を拒むことができる。(改正民法に伴い問題文を一部変更)

2.債権の譲受人が譲渡禁止特約の存在を知っていれば、さらにその債権を譲り受けた転得者がその特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がなかったとしても、債務者はその転得者に対して、債務の履行を拒むことができる。(改正民法に伴い問題文を一部変更)

3.譲渡禁止特約に反して債権を譲渡した債権者は、債務者に対して、債務の履行を請求することができない。(改正民法に伴い問題文を一部変更)

4.譲渡禁止特約のある債権をもって質権の目的とした場合において、質権者がその特約の存在について悪意であるときは、当該質権設定は有効であるが、質権者からの質権の実行としての履行請求に対して履行を拒むことができる。(改正民法に伴い問題文を一部変更)


 

 

 

 

 

 

【答え:2】


1.譲渡禁止特約のある債権の譲渡を受けた第三者が、その特約の存在を知らなかったとしても、知らなかったことにつき重大な過失があれば、債務者は第三者に対して履行を拒むことができる。

1・・・正しい

債権に譲渡禁止特約がついているにもかかわらず債権譲渡をしても、原則、債権譲渡は有効です。

ただし、譲受人が悪意または重過失の場合、債務者は、履行を拒むことができます。

よって、正しいです。

本問はしっかり理解しないといけない問題ですね!

何を理解すべきかわかりますか?

個別指導」では試験で得点できるよう理解すべき点を解説していきます!


2.債権の譲受人が譲渡禁止特約の存在を知っていれば、さらにその債権を譲り受けた転得者がその特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がなかったとしても、債務者はその転得者に対して、債務の履行を拒むことができる。

2・・・誤り

債権に譲渡禁止特約がついていても、譲受人が善意かつ無重過失であれば、譲受人は有効に債権を取得できます(=譲受人は債務者に対抗できる)。

このルールは転得者にも適用されます。

つまり、転得者が善意かつ無重過失であれば、転得者は有効に債権を取得できます(=転得者は債務者に対抗できる)。

平成30年問7-2:宅建過去問解説

本肢の場合、
債務者は「悪意の譲受人」に対しては対抗できる(債務の履行を拒むことができる)が
債務者は「善意無重過失の転得者」に対しては対抗できません(債務の履行を拒むことができません)。

つまり、本肢は誤りです。


3.譲渡禁止特約に反して債権を譲渡した債権者は、債務者に対して、債務の履行を請求することができない。

3・・・正しい

平成30年問7-3:宅建過去問解説

その譲渡禁止特約に反して債権者が譲渡した場合、原則、その債権譲渡は有効です。

そして、債権者は、債権を譲渡しているので、すでに債権を持っていません。

そのため、譲渡禁止特約に反して債権を譲渡した債権者は、債務者に対して、債務の履行を請求することができません。

この問題は「問題文の理解」が重要です。問題文の理解については宅建合格する上で一番重要なノウハウです!

なので、個別指導で解説します!

 


4.譲渡禁止特約のある債権をもって質権の目的とした場合において、質権者がその特約の存在について悪意であるときは、当該質権設定は有効であるが、質権者からの質権の実行としての履行請求に対して履行を拒むことができる。

4・・・正しい

平成30年問7-4:宅建過去問解説

上図をご覧ください。債権者が貸金債権を持っていて、これを第三者(質権者)のために質権を設定したとします。

「貸金債権」に質権を設定するということは、「貸金債権」は第三者に渡すことになります。

つまり、債権譲渡と似ているわけです。

そのため、債権譲渡のルールを使います。

つまり、選択肢1の通り、譲渡禁止特約のついた債権の譲渡も原則有効です。そのため、質権設定は有効です
ただし、■質権者が悪意もしくは重過失があった場合、債務者は履行を拒むことができます。

本肢は、質権者が悪意なので、債務者は履行を拒むことができるので、〇となります。

令和6年度 個別指導開講

平成30年度(2018年)宅建試験・過去問

問1
意思表示
問2
代理
問3
停止条件
問4
時効
問5
事務管理
問6
法定地上権
問7
債権譲渡
問8
賃貸借(判決文)
問9
相殺
問10
相続
問11
借地権
問12
借家権
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
国土利用計画法
問16
都市計画法
問17
都市計画法(開発許可)
問18
建築基準法
問19
建築基準法
問20
宅地造成等規制法
問21
土地区画整理法
問22
農地法
問23
登録免許税
問24
不動産取得税
問25
不動産鑑定評価基準
問26
広告
問27
建物状況調査
問28
業務上の規制
問29
8種制限
問30
報酬
問31
報酬計算(空き家等の特例)
問32
監督処分
問33
媒介契約
問34
37条書面
問35
35条書面
問36
免許
問37
クーリングオフ
問38
手付金等の保全措置
問39
35条書面
問40
業務の規制
問41
免許の要否
問42
宅建士
問43
営業保証金
問44
保証協会
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物
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