Aは、隣人Bの留守中に台風が接近して、屋根の一部が壊れていたB宅に甚大な被害が生じる差し迫ったおそれがあったため、Bからの依頼なくB宅の屋根を修理した。この場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.Aは、Bに対して、特段の事情がない限り、B宅の屋根を修理したことについて報酬を請求することができない。
2.Aは、Bからの請求があったときには、いつでも、本件事務処理の状況をBに報告しなければならない。
3.Aは、B宅の屋根を善良な管理者の注意をもって修理しなければならない。
4.AによるB宅の屋根の修理が、Bの意思に反することなく行われた場合、AはBに対し、Aが支出した有益な費用全額の償還を請求することができる。
【答え:3】
1・・・正しい
事務管理については、事務管理者Aは、たとえ事務管理をしたとしても、本人Bに報酬を請求することはできません。
事務管理とは何か?
また、事務管理のポイントについては個別指導で解説します。
2・・・正しい
事務管理とは何か?
また、事務管理のポイントについては個別指導で解説します。
そして、本肢の「事務管理者の報告義務」は、委任契約の「受任者の報告義務」が準用されるので、事務処理中は、本人から請求がある時に限り、事務管理者は処理状況を報告しなければなりません。
したがって、〇となります!
※請求がなければ、報告する必要はない
3・・・誤り
結論から言えば、「差し迫った事情がある場合、善管注意義務までは負わない」ので本肢は誤りです。
事務管理者Aは、本人Bの財産に甚大な被害が発生する差し迫った事情があるため、事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失がある場合のみ損害賠償責任を負います。
そもそも、事務管理者Aは、好意で、隣人Bの屋根の修理を行っています。そのため、多少過失があったとしても、損害賠償債務は負わなくてもよいということです。
事務管理者Aが、悪意もしくは重過失により損害を与えた場合のみ、本人Bに対して賠償責任を負います。
本問は対比して覚えていただきたい部分があるので、個別指導で解説します!
4・・・正しい
事務管理者Aは、本人Bの意思に反することなく、本人Bのために有益な費用を支出したときは、本人Bに対し、その償還を請求することができます。
本肢の事例で、Bが「Aの屋根の修理について納得している」場合、Aは、有益費を、本人Bに請求することができます。
本肢は上記解説だけだとイメージしにくいと思うので、個別指導で、イメージの仕方まで解説します!
平成30年度(2018年)宅建試験・過去問
- 問1
- 意思表示
- 問2
- 代理
- 問3
- 停止条件
- 問4
- 時効
- 問5
- 事務管理
- 問6
- 法定地上権
- 問7
- 債権譲渡
- 問8
- 賃貸借(判決文)
- 問9
- 相殺
- 問10
- 相続
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 国土利用計画法
- 問16
- 都市計画法
- 問17
- 都市計画法(開発許可)
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 建築基準法
- 問20
- 宅地造成等規制法
- 問21
- 土地区画整理法
- 問22
- 農地法
- 問23
- 登録免許税
- 問24
- 不動産取得税
- 問25
- 不動産鑑定評価基準
- 問26
- 広告
- 問27
- 建物状況調査
- 問28
- 業務上の規制
- 問29
- 8種制限
- 問30
- 報酬
- 問31
- 報酬計算(空き家等の特例)
- 問32
- 監督処分
- 問33
- 媒介契約
- 問34
- 37条書面
- 問35
- 35条書面
- 問36
- 免許
- 問37
- クーリングオフ
- 問38
- 手付金等の保全措置
- 問39
- 35条書面
- 問40
- 業務の規制
- 問41
- 免許の要否
- 問42
- 宅建士
- 問43
- 営業保証金
- 問44
- 保証協会
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物