宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で建物(代金2,400万円)の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア Aは、Bとの間における建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を480万円とし、かつ、違約金の額を240万円とする特約を定めた。この場合、当該特約は全体として無効となる。
イ Aは、Bとの間における建物の売買契約の締結の際、原則として480万円を超える手付金を受領することができない。ただし、あらかじめBの承諾を得た場合に限り、720万円を限度として、480万円を超える手付金を受領することができる。
ウ AがBとの間で締結する売買契約の目的物たる建物が未完成であり、AからBに所有権の移転登記がなされていない場合において、手付金の額が120万円以下であるときは、Aは手付金の保全措置を講じることなく手付金を受領することができる。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
【答え:1】
ア・・・誤り
損害賠償額の予定等の制限については、違約金と損害賠償額の合計で計算し、代金の2割を超えて特約した場合、超えた分についてのみ無効となります。全てが無効となるわけではありません。 つまり、本問では2400万円の2割である480万円を超える部分(240万円分)についてのみ無効です。
イ・・・誤り
本問は売主が宅建業者、買主が非宅建業者の場合なので、8種制限が適用されます。 まず、売主業者が受領できる手付金額は代金(2400万円)の10分の2が限度です。 つまり、売主業者Aが受領できる手付金額は480万円が限度です。 買主が承諾をしたとしても、480万円を超える手付金を受領することは許されません。基本的な問題ですね!
ウ・・・正しい
宅建業者は、自ら売主(買主:宅建業者以外)となる売買契約を締結する場合、原則、手付金等の保全措置を講じた後でなければ、買主から手付金等を受領してはいけません。ただし、例外もあります。 本問の「建物が未完成」という記述から「未完成物件」であることがわかります。 未完成物件の場合、下記に該当すると例外として保全措置不要です。
- 代金の5%以下の場合、かつ、1000万円以下の場合
- 買主へ所有権移転登記をした場合
本問は手付金の額が120万円(5%)以下なので、①に該当し、保全措置を講じずに手付金を受領できます。
平成27年度(2015年)宅建試験・過去問
- 問1
- 民法の条文
- 問2
- 通謀虚偽表示
- 問3
- 賃貸借と使用貸借
- 問4
- 取得時効
- 問5
- 占有
- 問6
- 抵当権
- 問7
- 抵当権の処分
- 問8
- 同時履行の関係
- 問9
- 転貸借
- 問10
- 相続
- 問11
- 借家権
- 問12
- 定期借家権と普通借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法(開発許可)
- 問16
- 都市計画法
- 問17
- 建築基準法(建築確認)
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 宅地造成等規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 国土利用計画法
- 問22
- 農地法
- 問23
- 相続時精算課税制度
- 問24
- 固定資産税
- 問25
- 地価公示法
- 問26
- 宅地建物取引業の定義
免許の要否 - 問27
- 免許の基準
- 問28
- 媒介契約
- 問29
- 重要事項説明
- 問30
- 媒介契約
- 問31
- 35条書面の記載事項
- 問32
- 35条書面の記載事項
- 問33
- 報酬計算
- 問34
- 8種制限
- 問35
- 宅地建物取引士
- 問36
- 8種制限
- 問37
- 業務上の規制
- 問38
- 37条書面
- 問39
- 8種制限
- 問40
- 8種制限
- 問41
- 業務上の規制
- 問42
- 営業保証金と保証協会
- 問43
- 監督処分
- 問44
- 案内所
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計(省略)
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物