次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1.借地権者が借地権の登記をしておらず、当該土地上に所有権の登記がされている建物を所有しているときは、これをもって借地権を第三者に対抗することができるが、建物の表示の登記によっては対抗することができない。
2.借地権者が登記ある建物を火災で滅失したとしても、建物が滅失した日から2年以内に新たな建物を築造すれば、2年を経過した後においても、これをもって借地権を第三者に対抗することができる。
3.土地の賃借人が登記ある建物を所有している場合であっても、その賃借人から当該土地建物を賃借した転借人が対抗力を備えていなければ、当該転借人は転借権を第三者に対抗することができない。
4.借地権者が所有する数棟の建物が一筆の土地上にある場合は、そのうちの一棟について登記があれば、借地権の対抗力が当該土地全部に及ぶ。
【答え:4】
1・・・誤り
借地権者は、「借地権の登記」または「借地上の建物の登記」のいずれかを行えば、対抗要件を備えます。
そして、「借地上の建物の登記」については、保存登記をしていなくても、表示の登記だけでもよいとされています。
よって、建物の表示の登記によっても対抗することができるので誤りです。
2・・・誤り
「登記されている借地上の建物」が滅失したときは、借地権の対抗要件が失われてしまいます。しかし、このような場合でも、借地権者が、その滅失があった日および建物を新たに築造する旨等の一定事項を土地の上の見やすい場所に掲示すれば、滅失から2年間は借地権の対抗要件を存続させることができます。
そして、新たに建物を築造したら、その建物を「借地権者名義で登記」することで、2年経過後も借地権者は対抗要件を備えます。
この登記がなければ、2年経過後は、対抗力はなくなります。
本肢は、滅失から2年以内に築造していますが、築造した(新築した)建物の登記をしていないので借地権の対抗力はありません。
3・・・誤り
土地の賃借人(借地権者)が借地権の対抗要件を具備している場合、その賃借人(借地権者)から借地上の建物を賃借した転借人は、自己の転借権について対抗要件を備えているか否かにかかわらず、「賃借人の借地権」を援用する(使う)ことで、転借権を第三者に対抗することができます。
少し分かりづらいので、個別指導では図を使って解説します!
4・・・正しい
一筆の土地上に複数の建物がある場合には、少なくとも1つが借地権者が登記されている建物であれば、借地権の対抗力が土地全部に及びます。よって、正しいです。
少し分かりづらいので、個別指導では図を使って解説します!
令和2年(2020年)12月試験分:宅建試験・過去問
- 問1
- 不法行為
- 問2
- 代理
- 問3
- 親族
- 問4
- 債務不履行
- 問5
- 時効
- 問6
- 転貸借
- 問7
- 売買契約
- 問8
- 相続
- 問9
- 地役権
- 問10
- 共有
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 宅地造成等規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 登録免許税
- 問24
- 固定資産税
- 問25
- 地価公示法
- 問26
- 業務上の規制
- 問27
- 広告
- 問28
- 媒介契約
- 問29
- 業務上の規制
- 問30
- 保証協会
- 問31
- 免許
- 問32
- 35条書面
- 問33
- 営業保証金
- 問34
- 報酬
- 問35
- 37条書面
- 問36
- 業務上の規制
- 問37
- 37条書面
- 問38
- 宅建士
- 問39
- クーリングオフ
- 問40
- 業務上の規制
- 問41
- 業務上の規制
- 問42
- 35条書面
- 問43
- 宅建士
- 問44
- 宅地の定義
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物