令和4年(2022年)問7/宅建過去問

不在者Aが、家庭裁判所から失踪宣告を受けた。Aを単独相続したBは相続財産である甲土地をCに売却(以下この問において「本件売買契約」という。)して登記も移転したが、その後、生存していたAの請求によって当該失踪宣告が取り消された。本件売買契約当時に、Aの生存について、(ア)Bが善意でCが善意、(イ)Bが悪意でCが善意、(ウ)Bが善意でCが悪意、(エ)Bが悪意でCが悪意、の4つの場合があり得るが、これらのうち、民法の規定及び判例によれば、Cが本件売買契約に基づき取得した甲土地の所有権をAに対抗できる場合を全て掲げたものとして正しいものはどれか。

1.(ア)、(イ)、(ウ)

2.(ア)、(イ)

3.(ア)、(ウ)

4.(ア)


 

【答え:4】


不在者Aが、家庭裁判所から失踪宣告を受けた。Aを単独相続したBは相続財産である甲土地をCに売却(本件売買契約)して登記も移転したが、その後、生存していたAの請求によって当該失踪宣告が取り消された。

本件売買契約当時に、Aの生存について、(ア)Bが善意でCが善意、(イ)Bが悪意でCが善意、(ウ)Bが善意でCが悪意、(エ)Bが悪意でCが悪意、の4つの場合があり得るが、これらのうち、Cが本件売買契約に基づき取得した甲土地の所有権をAに対抗できる場合を全て掲げたものとして、下記は正しいか。

1.(ア)、(イ)、(ウ)

1・・・誤り

失踪宣告があり、不在者の財産を相続した相続人が第三者に売却した。この場合、相続人及び第三者がともに善意の場合に限って、第三者は失踪宣告取消し後の不在者に対して所有権を主張できる。

失踪宣告とは,生死不明の者に対して,法律上死亡したものとみなす効果を生じさせる制度で、家庭裁判所によって失踪宣告が行われます。

上記の通り、不在者Aが失踪宣告を受けると、Aは死亡したものとみなされるので、Aの財産は、相続人に相続されます。

本問の場合、相続人Bが単独相続をしています。

その後、相続人Bは、「相続財産である甲土地」をCに売却して移転登記もしました。

しかし、実際にはAは生存しており、Aの請求によって当該失踪宣告が取り消された。

この場合、Aの生存について、相続人Bが善意、かつ、Cも善意の場合に限って、Cは、甲土地の所有権をAに対抗することができます

つまり、

(ア)Bが善意でCが善意の場合のみ、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できます。

(イ)Bが悪意でCが善意の場合、(ウ)Bが善意でCが悪意の場合、(エ)Bが悪意でCが悪意の場合は、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できません。

【本肢】

「(ア)、(イ)、(ウ)の場合、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できる」となっているので誤りです。


2.(ア)、(イ)

2・・・誤り

「(ア)、(イ)の場合、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できる」となっているので誤りです。


3.(ア)、(ウ)

3・・・誤り

「(ア)、(ウ)の場合、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できる」となっているので誤りです。


4.(ア)

4・・・正しい

(ア)Bが善意でCが善意の場合のみ、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できるので、正しいです。

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令和4年(2022年):宅建試験・過去問

問1
背信的悪意者(判決文)
問2
相続
問3
制限行為能力者
問4
抵当権
問5
期間
問6
賃貸借・使用貸借
問7
失踪宣告
問8
地上権・賃貸借
問9
辞任
問10
取得時効
問11
借地権
問12
借家権
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法(開発許可)
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
宅地造成等規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
印紙税
問24
固定資産税
問25
地価公示
問26
事務所の定義
問27
報酬
問28
重要事項説明書(35条書面)
問29
宅建士
問30
業務上の規制
問31
媒介契約
問32
契約書(37条書面)
問33
宅建士
問34
重要事項説明書(35条書面)
問35
業務上の規制
問36
重要事項説明書(35条書面)
問37
広告
問38
クーリングオフ
問39
保証協会
問40
重要事項説明書(35条書面)
問41
営業保証金・保証協会
問42
媒介契約(専属専任)
問43
8種制限
問44
契約書(37条書面)
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物

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