不在者Aが、家庭裁判所から失踪宣告を受けた。Aを単独相続したBは相続財産である甲土地をCに売却(以下この問において「本件売買契約」という。)して登記も移転したが、その後、生存していたAの請求によって当該失踪宣告が取り消された。本件売買契約当時に、Aの生存について、(ア)Bが善意でCが善意、(イ)Bが悪意でCが善意、(ウ)Bが善意でCが悪意、(エ)Bが悪意でCが悪意、の4つの場合があり得るが、これらのうち、民法の規定及び判例によれば、Cが本件売買契約に基づき取得した甲土地の所有権をAに対抗できる場合を全て掲げたものとして正しいものはどれか。
1.(ア)、(イ)、(ウ)
2.(ア)、(イ)
3.(ア)、(ウ)
4.(ア)
【答え:4】
本件売買契約当時に、Aの生存について、(ア)Bが善意でCが善意、(イ)Bが悪意でCが善意、(ウ)Bが善意でCが悪意、(エ)Bが悪意でCが悪意、の4つの場合があり得るが、これらのうち、Cが本件売買契約に基づき取得した甲土地の所有権をAに対抗できる場合を全て掲げたものとして、下記は正しいか。
1.(ア)、(イ)、(ウ)
1・・・誤り
失踪宣告とは,生死不明の者に対して,法律上死亡したものとみなす効果を生じさせる制度で、家庭裁判所によって失踪宣告が行われます。
上記の通り、不在者Aが失踪宣告を受けると、Aは死亡したものとみなされるので、Aの財産は、相続人に相続されます。
本問の場合、相続人Bが単独相続をしています。
その後、相続人Bは、「相続財産である甲土地」をCに売却して移転登記もしました。
しかし、実際にはAは生存しており、Aの請求によって当該失踪宣告が取り消された。
この場合、Aの生存について、相続人Bが善意、かつ、Cも善意の場合に限って、Cは、甲土地の所有権をAに対抗することができます。
つまり、
(ア)Bが善意でCが善意の場合のみ、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できます。
(イ)Bが悪意でCが善意の場合、(ウ)Bが善意でCが悪意の場合、(エ)Bが悪意でCが悪意の場合は、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できません。
【本肢】
「(ア)、(イ)、(ウ)の場合、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できる」となっているので誤りです。
2・・・誤り
「(ア)、(イ)の場合、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できる」となっているので誤りです。
3・・・誤り
「(ア)、(ウ)の場合、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できる」となっているので誤りです。
4・・・正しい
(ア)Bが善意でCが善意の場合のみ、Cは、甲土地の所有権をAに対抗できるので、正しいです。
令和4年(2022年):宅建試験・過去問
- 問1
- 背信的悪意者(判決文)
- 問2
- 相続
- 問3
- 制限行為能力者
- 問4
- 抵当権
- 問5
- 期間
- 問6
- 賃貸借・使用貸借
- 問7
- 失踪宣告
- 問8
- 地上権・賃貸借
- 問9
- 辞任
- 問10
- 取得時効
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 宅地造成等規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 印紙税
- 問24
- 固定資産税
- 問25
- 地価公示
- 問26
- 事務所の定義
- 問27
- 報酬
- 問28
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問29
- 宅建士
- 問30
- 業務上の規制
- 問31
- 媒介契約
- 問32
- 契約書(37条書面)
- 問33
- 宅建士
- 問34
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問35
- 業務上の規制
- 問36
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問37
- 広告
- 問38
- クーリングオフ
- 問39
- 保証協会
- 問40
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問41
- 営業保証金・保証協会
- 問42
- 媒介契約(専属専任)
- 問43
- 8種制限
- 問44
- 契約書(37条書面)
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物