宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、甲県に本店と支店を設け、営業保証金として1,000万円の金銭と額面金額500万円の国債証券を供託し、営業している。この場合に関する次の記述のうち宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.Aは、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変吏した場合は、遅滞なく、移転後の本店の最寄りの供託所に新たに営業保証金を供託しなければならない。
2.Aは、営業保証金が還付され、営業保証金の不足額を供託したときは、供託書の写しを添附して、30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。
3.本店でAと宅地建物取引業に関する取引をした者(宅建業者を除く)は、その取引により生じた債権に関し、1,000万円を限度としてAからその債権の弁済を受ける権利を有する。
4.Aは、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変更した場合において、従前の営業保証金を取りもどすときは、営業保証金の還付を請求する権利を有する者に対し、一定期間内に申し出るべき旨の公告をしなければならない。
【答え:1】
1・・・正しい
金銭と国債証券で営業保証金を供託している宅建業者が、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変吏した場合、保管替えはできず、二重供託をする必要があります。
手続きとしては、遅滞なく、移転後の本店の最寄りの供託所に新たに営業保証金を供託しなければなりません。
保管替えができるのは営業保証金を「現金のみ」で供託している場合だけです。
2・・・誤り
本肢は「30日以内」という記述が誤りです。
営業保証金が還付され、営業保証金の不足額を供託したときは、その供託物受入れの記載のある供託書の写しを添附して、2週間以内に、その旨を免許権者に届け出なければなりません。
記述は、30日以内としていますから誤りとなります。
3・・・誤り
還付請求できるお金の上限は、その宅建業者が供託した営業保証金の額です。
本肢の場合、本店と支店を有する宅建業者なので、たとえ、支店が1つであったとしても1500万円を限度に還付請求することができます。
したがって、「1000万円を限度として」という記述が誤りです。
4・・・誤り
営業保証金を取り戻す場合、原則として公告をする必要があります。
ただし、例外として「二重供託をした場合」は公告せずに従前に供託した営業保証金を取り戻すことができます。
本肢の宅建業者Aは金銭と国債証券で供託しているので、本店を移転により最寄りの供託所が変更した場合は必ず二重供託を行います。したがって、従前の営業保証金を取りもどすときに一定期間内に申し出るべき旨の公告は不要です。
平成28年度(2016年)宅建試験・過去問
- 問1
- 民法の条文
- 問2
- 制限行為能力者
- 問3
- 意思表示・対抗関係
- 問4
- 抵当権
- 問5
- 債権譲渡
- 問6
- 契約不適合責任
- 問7
- 賃貸借・使用者責任
- 問8
- 転貸借
- 問9
- 判決文
- 問10
- 相続
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 国土利用計画法
- 問16
- 都市計画法
- 問17
- 都市計画法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 建築基準法
- 問20
- 宅地造成等規制法
- 問21
- 土地区画整理法
- 問22
- 農地法
- 問23
- 印紙税
- 問24
- 不動産取得税
- 問25
- 不動産鑑定評価基準
- 問26
- 監督処分
- 問27
- 媒介契約
- 問28
- 8種制限
- 問29
- 業務上の規制
- 問30
- 重要事項説明・37条書面
- 問31
- 保証協会
- 問32
- 広告の規制
- 問33
- 報酬
- 問34
- 業務上の規制
- 問35
- 免許
- 問36
- 重要事項説明
- 問37
- 免許の基準・免許換え
- 問38
- 宅地建物取引士
- 問39
- 35条書面・37条書面
- 問40
- 営業保証金
- 問41
- 業務上の規制
- 問42
- 37条書面
- 問43
- 8種制限
- 問44
- クーリングオフ
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物