宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第47条及び第47条の2に規定されている業務に関する禁止事項に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、Aは宅地建物取引業者である。
1.Aが、賃貸アパートの媒介に当たり、入居申込者が無収入であることを知っており、入居申込書の収入欄に「年収700万円」とあるのは虚偽の記載であることを認識したまま、その事実を告げずに貸主に提出した行為は法に違反する。
2.Aが、分譲マンションの購入を勧誘するに際し、うわさをもとに「3年後には間違いなく徒歩5分の距離に新しく私鉄の駅ができる」と告げた場合、そのような計画はなかったとしても、故意にだましたわけではないので法には違反しない。
3.Aは、建売住宅の売買の相手方である買主から手付放棄による契約の解除の通知を受けたとしても、すでに所有権の移転登記を行い引渡しも済んでいる場合は、そのことを理曲に当該契約の解除を拒むことができる。
4.Aが、宅地の売買契約締結の勧誘に当たり、相手方が手付金の手持ちがないため契約締結を迷っていることを知り、手付金の分割払いを持ちかけたことは、契約締結に至らなかったとしても法に違反する。
【答え:2】
1・・・正しい
取引の関係者の資力・信用に関する事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為は宅建業法において禁止されている事項です。
本肢の「入居申込者が無収入であることを知りながら、入居申込書の収入欄に年収700万円と虚偽記載する行為」は上記の不実を告げる行為なので宅建業法違反です。
2・・・誤り
売買契約の締結について勧誘をするに際に
宅地建物の将来の環境又は交通その他の利便について誤解させるべき断定的判断を提供することは禁止されています。
したがって、本肢の「3年後には間違いなく徒歩5分の距離に新しく私鉄の駅ができる」と告げる行為は宅建業法違反です。
3・・・正しい
手付解除は相手方が履行に着手するまでしか行うことができません。
本肢の「すでに所有権移転登記を行い引き渡しを済んでいる」ということは売主が履行に着手しているので、買主は手付解除をすることはできません。
したがって、宅建業者Aは上記を理由に契約解除を拒むことはできます。
4・・・正しい
「手付けについて貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為」は禁止されています。
手付の貸与等とは?
- 現実に宅建業者が手付金を貸し付ける行為
- 約束手形によって手付金を受領する行為
- 手付金の分割払いを認める行為
- 手付金を契約後に受領することとし、契約締結時に受領しない行為(手付金の後払い)
を指します。
本肢は、分割払いを持ちかけているのでこの時点で違反です。
平成28年度(2016年)宅建試験・過去問
- 問1
- 民法の条文
- 問2
- 制限行為能力者
- 問3
- 意思表示・対抗関係
- 問4
- 抵当権
- 問5
- 債権譲渡
- 問6
- 契約不適合責任
- 問7
- 賃貸借・使用者責任
- 問8
- 転貸借
- 問9
- 判決文
- 問10
- 相続
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 国土利用計画法
- 問16
- 都市計画法
- 問17
- 都市計画法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 建築基準法
- 問20
- 宅地造成等規制法
- 問21
- 土地区画整理法
- 問22
- 農地法
- 問23
- 印紙税
- 問24
- 不動産取得税
- 問25
- 不動産鑑定評価基準
- 問26
- 監督処分
- 問27
- 媒介契約
- 問28
- 8種制限
- 問29
- 業務上の規制
- 問30
- 重要事項説明・37条書面
- 問31
- 保証協会
- 問32
- 広告の規制
- 問33
- 報酬
- 問34
- 業務上の規制
- 問35
- 免許
- 問36
- 重要事項説明
- 問37
- 免許の基準・免許換え
- 問38
- 宅地建物取引士
- 問39
- 35条書面・37条書面
- 問40
- 営業保証金
- 問41
- 業務上の規制
- 問42
- 37条書面
- 問43
- 8種制限
- 問44
- クーリングオフ
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物