宅地建物取引業者A(甲県知事免許)がその業務に関して広告を行った場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
1.Aは、宅地の造成に当たり、工事に必要とされる許可等の処分があった宅地について、当該処分があったことを明示して、工事完了前に、当該宅地の販売に関する広告を行った。
2.Aは、自ら売主として新築マンションを分譲するに当たり、建築基準法第6条第1項の確認の申請中であったため、「建築確認申請済」と明示して、当該建物の販売に関する広告を行い、建築確認を受けた後に売買契約を締結した。
3.Aは、中古の建物の売買において、当該建物の所有者Bから媒介の依頼を受け、取引態様の別を明示せずに自社ホームページに広告を掲載したが、広告を見た者からの問い合わせはなく、契約成立には至らなかった。
4.Aは、甲県知事から業務の全部の停止を命じられ、その停止の期間中に未完成の土地付建物の販売に関する広告を行ったが、当該土地付建物の売買の契約は当該期間の経過後に締結した。
【答え:1】
1・・・違反しない
未完成物件の場合、開発許可・建築確認など工事に必要な許可等の処分があった後でなければ、広告を行うことができません。
本肢は、「工事に必要とされる許可等の処分があった宅地」なので、広告をしても、宅建業法に違反しません。
2・・・違反する
未完成物件の場合、開発許可・建築確認など工事に必要な許可等の処分があった後でなければ、広告を行うことができません。
本肢のように建築確認申請済と明示しても広告することはできません。
したがって、宅建業法違反です。
ちなみに、売買契約の締結時期については
未完成物件の場合、開発許可・建築確認など工事に必要な許可等の処分があった後でなければ、売買契約を締結することができません。
したがって、本肢のように建築確認後であれば、売買契約は締結できます。
3・・・違反する
宅建業者は、「広告する時」「取引の注文を受けた時」は取引態様の別を明示しなければなりません。
これに例外ないないので、本肢のように「取引態様の別を明示せずに自社ホームページに広告を掲載した」場合、たとえ、広告を見た者からの問い合わせはなかったとしても宅建業法違反です。
4・・・違反する
宅建業者Aは業務の全部について業務停止処分を命じられているので、広告することもできません。したがって、業務停止期間中に広告を行っている本肢は宅建業法違反です。
平成28年度(2016年)宅建試験・過去問
- 問1
- 民法の条文
- 問2
- 制限行為能力者
- 問3
- 意思表示・対抗関係
- 問4
- 抵当権
- 問5
- 債権譲渡
- 問6
- 契約不適合責任
- 問7
- 賃貸借・使用者責任
- 問8
- 転貸借
- 問9
- 判決文
- 問10
- 相続
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 国土利用計画法
- 問16
- 都市計画法
- 問17
- 都市計画法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 建築基準法
- 問20
- 宅地造成等規制法
- 問21
- 土地区画整理法
- 問22
- 農地法
- 問23
- 印紙税
- 問24
- 不動産取得税
- 問25
- 不動産鑑定評価基準
- 問26
- 監督処分
- 問27
- 媒介契約
- 問28
- 8種制限
- 問29
- 業務上の規制
- 問30
- 重要事項説明・37条書面
- 問31
- 保証協会
- 問32
- 広告の規制
- 問33
- 報酬
- 問34
- 業務上の規制
- 問35
- 免許
- 問36
- 重要事項説明
- 問37
- 免許の基準・免許換え
- 問38
- 宅地建物取引士
- 問39
- 35条書面・37条書面
- 問40
- 営業保証金
- 問41
- 業務上の規制
- 問42
- 37条書面
- 問43
- 8種制限
- 問44
- クーリングオフ
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物