この条文のポイント
- 宅建業法第9条は商号・役員・事務所・専任宅建士に変更があった場合の届出義務を規定
- 届出期限は変更日から30日以内、届出先は免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)
- 届出を怠ると業務停止・免許取消・50万円以下の罰金のリスク
宅建業法第9条は、宅建業者が商号・役員(代表者)・事務所・専任宅建士の4項目に変更があった場合、30日以内に免許権者へ届け出る義務を定めた規定です。代表者変更をはじめ実務・試験の両方で問われる重要テーマを、結論→届出事項→手続き→具体例→リスク→試験対策の順に整理します。
変更届出が必要な4つの事項
届出対象は、宅建業者名簿の登載事項のうち法第8条第2項第2号〜第6号に該当するものに限られます。
- 商号または名称:会社名・屋号の変更(例:ABC不動産→XYZ不動産)
- 役員・政令使用人の氏名:代表者交代、取締役の就退任、個人事業主の氏名変更など
- 事務所の名称・所在地:事務所の移転・新設・廃止
- 専任の宅地建物取引士の氏名:各事務所の専任宅建士の交代
免許証番号など上記以外の名簿記載事項は届出対象外です。「届出が必要な事項の範囲」は試験で頻出なので正確に押さえましょう。
届出期限・届出先・添付書類
期限と届出先
変更があった日から30日以内に、免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)へ届出書(施行規則第5条の3)を提出します。
変更内容ごとの主な添付書類
- 代表者・役員変更:登記事項証明書・住民票・欠格事由に該当しない旨の誓約書
- 事務所移転:賃貸借契約書の写し・事務所の写真・地図
- 専任宅建士変更:宅建士証の写し・登録証明書
具体例で理解する変更届出
例1:代表者が交代した場合
株式会社A不動産の代表取締役が田中氏から鈴木氏に交代したケースです。変更日から30日以内に免許権者へ届出書と、新代表者の登記事項証明書・誓約書を提出します。宅建試験で「宅建業 代表者変更」の届出手続きとして問われやすい典型例です。
例2:本店を他府県へ移転した場合
東京都から大阪府へ本店を移転した場合は、次の3ステップで処理されます。
- 移転先の管轄機関(地方整備局)に変更届を提出
- 大阪側が名簿を変更し東京側へ通知
- 東京側が旧情報を削除し書類を大阪側へ送付
なお、事務所の新設・廃止により免許区分(知事免許⇔大臣免許)が変わる場合は「届出」ではなく免許換えが必要です。この区別は試験の最重要ポイントです。
届出を怠った場合のリスク
- 業務停止処分:旧所在地のまま営業を続けた場合など
- 免許取消:代表者変更や専任宅建士変更を届け出なかった場合
- 罰金:50万円以下の罰金(宅建業法第83条)
試験で狙われる頻出ポイント
- 届出期限は「30日以内」──廃業届と同じだが、免許換えの申請とは別の手続き
- 届出先は免許権者に直接提出する
- 届出事項は名簿登載事項の一部(8条2項2号〜6号)であり全部ではない
- 「届出」で足りる変更と「免許換え」が必要な変更を区別できるかが合否を分ける
まとめ
- 届出対象は商号・役員(代表者)・事務所・専任宅建士の4項目
- 届出期限は変更日から30日以内
- 届出先は免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)
- 届出を怠ると業務停止・免許取消・50万円以下の罰金のリスク
- 試験では届出事項の範囲と、届出/免許換えの区別が頻出
宅建業法第9条に関する過去問
宅建試験では、届出期限・届出事項の範囲・届出と免許換えの違いが繰り返し問われます。以下は典型的な出題パターンです。
過去問例①:届出期限
宅建業者は、商号を変更したときは、その旨を免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に届け出なければならない。届出期限は変更後30日以内である。
答え:正しい(宅建業法第9条。商号変更は届出対象で、期限は30日以内)
過去問例②:届出事項の範囲
宅建業者は、事務所の電話番号を変更したときは、変更後30日以内に免許権者に届け出なければならない。
答え:誤り(電話番号は宅建業者名簿の登載事項ではあるが、第9条の届出対象事項ではない)
過去問例③:届出と免許換えの区別
宅建業者が事務所を他の都道府県に移転して免許区分が変わる場合、第9条の変更届出で足りる。
答え:誤り(免許区分が変わる場合は免許換え(第7条)が必要)
次に学ぶべき条文
第9条の変更届出を理解したら、関連する条文も合わせて学習しましょう。
免許換えのルールと具体例。第9条の届出との違いを押さえる最重要条文。
宅地建物取引業者名簿の内容・役割・行政処分の影響。
宅建業者名簿の閲覧方法と確認できる情報。
廃業・解散・破産時の届出義務と免許失効。






