平成25年(2013年)問4/宅建過去問

留置権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1.建物の賃借人が賃貸人の承諾を得て建物に付加した造作の買取請求をした場合、賃借人は、造作買取代金の支払を受けるまで、当該建物を留置することができる。

2.不動産が二重に売買され、第2の買主が先に所有権移転登記を備えたため、第1の買主が所有権を取得できなくなった場合、第1の買主は、損害賠償を受けるまで当該不動産を留置することができる。

3.建物の賃貸借契約が賃借人の債務不履行により解除された後に、賃借人が建物に関して有益費を支出した場合、賃借人は、有益費の償還を受けるまで当該建物を留置することができる。

4.建物の賃借人が建物に関して必要費を支出した場合、賃借人は、建物所有者ではない第三者が所有する敷地を留置することはできない。


 

 

 

 

 

 

 


【答え:4】


1.建物の賃借人が賃貸人の承諾を得て建物に付加した造作の買取請求をした場合、賃借人は、造作買取代金の支払を受けるまで、当該建物を留置することができる。

1・・・誤り

造作を留置することはできますが、造作買取請求権に基づいて建物を留置することはできません

造作って? そう思いますよね! 簡単に言えば、畳やふすま、エアコンなどの建物の設備等を言います。
借主がオーナー(貸主)に対して「エアコン付けさせてください!」と言って、エアコンを設置した場合、借家契約が修了する際に、エアコンを買い取ってもらえる権利があります。これが造作買取請求権です!
そして、借主がエアコンを買い取ってもらえる権利があるにも関わらず、オーナーがその代金を支払わない場合、
借主は「それなら建物を明渡ません!」と主張できるか?というのが本問の質問内容です。
ちなみに、「建物を留置する」=「建物を明け渡さずに使い続ける」と言う意味合いです。

この点について法律では、造作買取請求権を借主が持っていたとしても、つまり、オーナーがエアコン台を支払わなかったとしても、建物を留置することはできない(明渡を拒むことができない)となっています!

なぜでしょう?

それは使い古したエアコンなんて価値は数万円程度です。
それに対して建物の賃料は1か月で数万円、数か月立ては数十万円と膨れ上がり、価値は対等ではなくなります。
だから、借主は建物を留置できないわけです。
でも、建物を明け渡した後にエアコン台を請求する権利はあるので、明け渡し後に請求する形になります!

これで理解できましたよね!?

こうやって、具体例を使って、頭でイメージしながら理解していかないと実力は付かないですよ!
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2.不動産が二重に売買され、第2の買主が先に所有権移転登記を備えたため、第1の買主が所有権を取得できなくなった場合、第1の買主は、損害賠償を受けるまで当該不動産を留置することができる。

2・・・誤り

二重譲渡の対抗関係では、先に登記をした方が所有権を主張できます。
そして、先に登記をした者(第2買主)が第1買主に対して建物の引渡し請求をしてきた場合、第1買主は建物を留置することはできず、建物を明渡さないといけません。

この場合、第1買主は、売主に損害賠償請求ができます。
損害賠償されるまで建物を留置することはできません。(判例)


3.建物の賃貸借契約が賃借人の債務不履行により解除された後に、賃借人が建物に関して有益費を支出した場合、賃借人は、有益費の償還を受けるまで当該建物を留置することができる。

3・・・誤り

建物の賃借人が、債務不履行により賃貸借契約を解除された後に
権原のないことを知りながらその建物を不法に占有する間に有益費を支出しても建物を留置できません。
なぜなら、そもそも、不法に占有しているからです。
不法に占有して、建物の古いキッチンをシステムキッチンに変えたからその有益費を払うまで建物を明渡しません!
というのはおかしいですよね!


4.建物の賃借人が建物に関して必要費を支出した場合、賃借人は、建物所有者ではない第三者が所有する敷地を留置することはできない。

4・・・正しい

建物の賃借人が建物に関して必要費を支出した場合
「建物」を留置することはできます。
これは、建物賃借人と建物賃貸人との間の債権債務の話で
建物の下の土地の所有者である第三者には関係ない話です。
つまり、建物賃借人は、建物所有者ではない第三者が所有する敷地までは留置することはできません。
簡単にいえば、建物賃借人は土地所有者には対抗できないわけです。


過去問をしっかり解いていれば解ける問題ですね!

平成25年(2013年)宅建試験過去問集

内容
問1 民法の条文
問2 未成年者
問3 囲繞地通行権・地役権
問4 留置権
問5 抵当権
問6 物上保証・物上代位
問7 保証
問8 事務管理・賃貸借
問9 使用者責任・不法行為
問10 相続
問11 定期建物賃貸借
問12 借地権
問13 区分所有法
問14 不動産登記法
問15 都市計画法
問16 都市計画法・開発許可
問17 建築基準法
問18 建築基準法
問19 宅地造成等規制法
問20 土地区画整理法
問21 農地法
問22 その他法令
国土利用計画法
問23 印紙税
問24 固定資産税
問25 地価公示法
問26 免許の基準
問27 営業保証金
問28 媒介契約
問29 重要事項説明
問30 重要事項説明
問31 37条書面
問32 広告開始時期の制限
契約締結時期の制限
問33 重要事項説明
問34 クーリングオフ
問35 37条書面
問36 37条書面
問37 報酬
問38 損害賠償額の予定・違約金
問39 保証協会
問40 手付金等の保全措置
問41 従業者名簿・帳簿
問42 監督処分
問43 宅建業法総合
問44 宅建士
問45 特定住宅瑕疵担保責任
問46 住宅金融支援機構
問47 不当景品類及び不当表示防止法
問48 統計
問49 土地
問50 建物
平成24年の宅建本試験を総括すると、 例年通りのレベルでした。 過去問分析をしっかりできている方は40点近くとれたとでしょう。 内容については、 民法については、一つの問題について、色々な分野から出題する複合的な問題が多かったように思えます。 そのため、曖昧な知識だと得点することができず、しっかり、ポイントを理解していなかった方は厳しかったかもしれません。 法令上の制限、宅建業法、税・その他については、基本的な問題が多かったですね。 個々の問題について、得点すべき問題か間違ってもよい問題かは各解説ページに記載してありますので、ご確認ください!
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