平成25年(2013年)問42/宅建過去問

甲県知事の宅地建物取引士資格登録(以下この問において「登録」という。)を受けている取引士Aへの監督処分に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1.Aは、乙県内の業務に関し、他人に自己の名義の使用を許し、当該他人がその名義を使用して取引士である旨の表示をした場合、乙県知事から必要な指示を受けることはあるが、取引士として行う事務の禁止の処分を受けることはない。

2.Aは、乙県内において業務を行う際に提示した宅地建物取引士証が、不正の手段により交付を受けたものであるとしても、乙県知事から登録を消除されることはない。

3.Aは、乙県内の業務に関し、乙県知事から取引士として行う事務の禁止の処分を受け、当該処分に違反したとしても、甲県知事から登録を消除されることはない。

4.Aは、乙県内の業務に関し、甲県知事又は乙県知事から報告を求められることはあるが、乙県知事から必要な指示を受けることはない。


 

 

 

 

 

【答え:2】

>>監督処分のポイントはこちら


1.Aは、乙県内の業務に関し、他人に自己の名義の使用を許し、当該他人がその名義を使用して取引士である旨の表示をした場合、乙県知事から必要な指示を受けることはあるが、取引士として行う事務の禁止の処分を受けることはない。

1・・・誤り

取引士が、他人に名義貸しをして、当該他人がその名義を使用して取引士である旨の表示することは事務禁止処分事由です。
登録した都道府県知事(甲県知事)だけでなく、業務地の都道府県知事(乙県知事)も、取引士に対し、事務禁止処分も行えますし、それより軽い指示処分も行うことができます。


2.Aは、乙県内において業務を行う際に提示した宅地建物取引士証が、不正の手段により交付を受けたものであるとしても、乙県知事から登録を消除されることはない。

2・・・正しい

不正手段により取引士証の交付を受けた場合、登録消除処分になります。
そして、登録消除処分を行えるのは登録した都道府県知事(甲県知事)だけです。
乙県知事はAを登録を消除することはできません。


3.Aは、乙県内の業務に関し、乙県知事から取引士として行う事務の禁止の処分を受け、当該処分に違反したとしても、甲県知事から登録を消除されることはない。

3・・・誤り

事務の禁止処分に違反することは、登録消除処分事由です。
そして、登録消除処分を行えるのは登録した都道府県知事(甲県知事)だけです。
乙県知事はAを登録を消除することはできません。


4.Aは、乙県内の業務に関し、甲県知事又は乙県知事から報告を求められることはあるが、乙県知事から必要な指示を受けることはない。

4・・・誤り

■報告要求
国土交通大臣は、すべての取引士に対して、
都道府県知事は、その登録した取引士及び当該都道府県の区域内でその事務を行う取引士に対 して、取引士の事務の適正な遂行を確保するため必要があると認めるときは、その事務について必要な報告を求めることができます。
つまり、甲県知事も、乙県知事も、取引士Aに対して報告を求めることができます。

■指示(指示処分)
登録知事(甲県知事)だけでなく、業務地の都道府県知事(乙県知事)も、取引士に対し、指示処分や事務禁止処分を行うことができます。
本肢は「乙県知事から必要な指示を受けることはない」という記述が誤りです。


監督処分については出題ポイントも限られているので、ポイントをまずは押さえておきましょう
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平成25年(2013年)宅建試験過去問集

問1
民法の条文
問2
未成年者
問3
囲繞地通行権・地役権
問4
留置権
問5
抵当権
問6
物上保証・物上代位
問7
保証
問8
事務管理・賃貸借
問9
使用者責任・不法行為
問10
相続
問11
定期建物賃貸借
問12
借地権
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法・開発許可
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
宅地造成等規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
その他法令 国土利用計画法
問23
印紙税
問24
固定資産税
問25
地価公示法
問26
免許の基準
問27
営業保証金
問28
媒介契約
問29
重要事項説明
問30
重要事項説明
問31
37条書面
問32
広告開始時期の制限 契約締結時期の制限
問33
重要事項説明
問34
クーリングオフ
問35
37条書面
問36
37条書面
問37
報酬
問38
損害賠償額の予定・違約金
問39
保証協会
問40
手付金等の保全措置
問41
従業者名簿・帳簿
問42
監督処分
問43
宅建業法総合
問44
宅建士
問45
特定住宅瑕疵担保責任
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物
平成25年の宅建本試験を総括すると、 例年通りのレベルでした。 過去問分析をしっかりできている方は40点近くとれたとでしょう。 内容については、 民法については、一つの問題について、色々な分野から出題する複合的な問題が多かったように思えます。 そのため、曖昧な知識だと得点することができず、しっかり、ポイントを理解していなかった方は厳しかったかもしれません。 法令上の制限、宅建業法、税・その他については、基本的な問題が多かったですね。 個々の問題について、得点すべき問題か間違ってもよい問題かは各解説ページに記載してありますので、ご確認ください!
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