質権の重要ポイントと解説

質権のポイント一覧

  1. 質権は動産・不動産・債権に設定することができる
  2. 質権は目的物(物や債権)を引渡すことで成立する

質権とは?

AがBからお金を借りたことで、担保として、時計をBに引き渡しました。
この場合、借金返済までBに留置してもらい、 もし、お金を返さなければ、その時計を競売(売却)して、その売却代金から借金の返済にあてることができるようにしました。
この時計を、「使用でき」「返済できなければ売ることができる」権利を質権といいます。

債務者Aは、債権者Bからお金を借りた。その担保に債務者Aに対して、自己所有の時計を質入れした。

質権の性質

質権には、付従性随伴性不可分性物上代位性、全て認められています。

質権の目的物

質権の対象となれるものは、動産(時計など)、不動産、債権などの権利も質に入れることができます

権利質(債権質)について、少し詳しく説明すると、BがAにお金を貸すことで、Bは貸金債権を得ます。BがCからお金を借りるために、この貸金債権を質入れすることができるということです。

債権質の図です。AはBからお金を借りた。そして、BはCからお金を借りた。その担保として、BはAに対する貸金債権に質権を設定した。

質権の成立要件

質権は目的物(物や債権)を引渡すことで成立します。
つまり、契約書に署名捺印することで成立するわけではないので、注意してください!

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質権の問題一覧

■問1
質権は、占有の継続が第三者に対する対抗要件と定められているため、動産を目的として質権を設定することはできるが、登記を対抗要件とする不動産を目的として質権を設定することはできない。 (2007-問7-3)

 

答え:誤り

質権は動産だけでなく不動産にも設定できます。

したがって、「質権は、登記を対抗要件とする不動産を目的として質権を設定することはできない」という記述は誤りです。

質権についてはイメージも出来たほうがいいですし、質権の種類についても一緒に学習しておきましょう。

なので、「個別指導」で解説しています。


■問2
Aは、Bから建物を賃借し、Bに3,000万円の敷金を預託した。その後、Aは、Bの承諾を得て、この敷金返還請求権につき、Cからの借入金債務を担保するために、Cのために適法に質権を設定した。CのAに対する債権の弁済期が到来した場合、Cは、Bに対し、Bがこの質権設定を承諾したことを根拠に、この敷金返還請求権の弁済期の前に、当該敷金を直ちにCに交付するよう請求できる。 (2002-問5-4)

 

答え:誤り

質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができます。しかし、取立てができるのは、敷金返還請求権の弁済期が到来してからです。したがって、敷金返還請求権の弁済期の前に、当該敷金を直ちにCに交付するよう請求できません。

これも問題文および解説について理解すれば当然のことです。上記を覚えるのではなく、問題文の状況を理解することが重要です!

この点について「個別指導」で解説しています。

あなたも勉強の仕方を「丸暗記学習」から「理解学習」に切り替えて合格力を付けましょう!

丸暗記学習では「忍耐力」は付きますが「合格力」はつきません。。。。


■問3
Aは、Bから建物を賃借し、Bに3,000万円の敷金を預託した。その後、Aは、Bの承諾を得て、この敷金返還請求権につき、Cからの借入金債務を担保するために、Cのために適法に質権を設定した。CのAに対する債権の弁済期の前に、この敷金返還請求権の弁済期が到来した場合は、Cは、Bに対し、当該敷金を供託するよう請求できる。 (2002-問5-3)

 

答え:正しい

質権が設定されている債権(敷金返還請求権)の弁済期が、質権者Cの債権の弁済期前に到来したときは、質権者Cは、第三債務者Bに、弁済すべき金額を供託させることができます。

したがって、本問は正しいです。

この問題はしっかり理解することが重要です。

具体的にどのような状況なのかを理解していないと、単に解説を覚えても「使えない知識」となるだけです。

個別指導」では、問題文を細かく分解して、どのように問題文を理解していくかを図を使って解説してきます!

このような長い問題文も自力で理解できるようにならないと一向に合格に近付きません。

問題文の理解の仕方については普通の解説書や予備校では教えていないので、「個別指導」で学んでください!

もちろん、なぜ供託という制度があるかも解説しています!


■問4
Aは、Bから建物を賃借し、Bに3,000万円の敷金を預託した。その後、Aは、Bの承諾を得て、この敷金返還請求権につき、Cからの借入金債務を担保するために、Cのために適法に質権を設定した。CのAに対する利息請求権は、常に満期となった最後の2年分についてのみ、この質権の被担保債権となる。 (2002-問5-2)

 

答え:誤り

CがAにお金を貸して、約束の期限にAが返済しないと「Cの(Aに対する)貸金債権」の利息がドンドン増えていきます。そして、この利息請求権も質権によって担保(保証)されるのですが、「満期となった最後の2年分」に制限されません。

したがって、本問は誤りです。

では「満期となった最後の2年分」とはどういうことでしょうか?

この点は「個別指導」で具体例を使いながら詳しく解説します。

合格するために、きちんと言葉を理解していきましょう!


■問5
質権は、債権者と債務者との間の契約により成立する。 (2009-問5-2)

 

答え:正しい

質権や抵当権は、「債権者」とその「債務者」や「物上保証人」との合意によって成立する担保物権(約定担保物権)ですが、 先取特権や留置権は、法律によって当然に発生する担保物権(法定担保物権)です。

そのため、質権は債権者と債務者との間の契約により成立します。

したがって、正しいです。

これは具体例がないとなかなか理解しづらいので、「個別指導」では具体例を出して解説しています。

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