法定地上権の重要ポイントと解説

法定地上権のポイント一覧

  1. 法定地上権が成立すると、建物の所有者は、地主に対抗できる(明渡請求を拒むことができる)
  2. 法定地上権の成立要件①:抵当権設定時に、建物が存在する
  3. 法定地上権の成立要件②:抵当権設定時に、土地と建物の所有者は同一である
  4. 法定地上権の成立要件③:土地と建物の一方または両方に抵当権が設定されている
  5. 法定地上権の成立要件④:競売の結果、土地と建物が別々の者になった

抵当権地上権とは?

同一の所有者に属する土地・建物について抵当権の実行または強制競売が行われた結果、土地と建物の所有者が異なることとなった場合、建物存続のための地上権が設定したものとみなす制度です。

法定地上権の基本的な図

例えば、BはAに対して、2000万円貸し、 その担保として、A所有の建物だけに抵当権を設定してもらいました。
その後、Aは2000万円を返さないため、抵当権を実行した。(競売にかけた)
Cが建物を競落し、所有権を得た。
しかし、建物には土地の賃借権がないため、競落したCは所有者Aに出ていけ!と言われると困るわけです。
そのため、法定地上権が設定されたとみなされます。

結果として、地主Aから「建物を壊して、出ていけ!」と言われても、建物の新所有者Cは「法定地上権の成立しているので、出ていきません!」と対抗できます。

法定地上権の成立条件

法定地上権が成立するには以下の4つをすべて満たさなければなりません。
どれか一つでも要件を満たしていないと、その時点で法定地上権は成立しません!

抵当権設定時に、建物が存在する

⇒更地に抵当権が設定された後に、建物が建築され、競売になっても、法定地上権は成立しません。また、法定地上権の成否は1番抵当権を設定した時に建物があるかどうかで判断します。

抵当権設定時に、土地と建物の所有者は同一である

⇒抵当権設定時に土地と建物が同じ親族同士であっても所有者が異なっていれば、法定地上権は成立しません

土地と建物の一方または両方に抵当権が設定されている

競売の結果、土地と建物が別々の者になった

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法定地上権の問題一覧

■問1
土地の所有者が、当該土地の借地人から抵当権が設定されていない地上建物を購入した後、建物の所有権移転登記をする前に土地に抵当権を設定した場合、当該抵当権の実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。 (2009-問7-4)

 

答え:正しい

法定地上権の成立要件は以下の3つです。 1.抵当権設定当時、土地と建物の両方が存在し、同一所有者である。 2.土地と建物のどちらか一方、または、両方に抵当権が設定された。 3.抵当権の実行により、土地と建物の所有者が異なった 。 これらを全て満たした時に法定地上権が成立します。 本問は、法定地上権の成立要件の一つである「1.土地と建物の所有者が同一所有者であること」について、土地について抵当権設定当時に登記をしていなくても構わないとしています。したがって、本問も法定地上権は成立します。 細かい内容は「個別指導プログラム」でお伝えします。


■問2
土地に1番抵当権が設定された当時、土地と地上建物の所有者が異なっていたとしても、2番抵当権設定時に土地と地上建物の所有者が同一人となれば、土地の抵当権の実行により土地と地上建物の所有者が異なるにいたったときは、地上建物について法定地上権が成立する。 (2009-問7-3)

 

答え:誤り

法定地上権の成立要件は以下の3つです。 1.抵当権設定当時、土地と建物の両方が存在し、同一所有者である。 2.土地と建物のどちらか一方、または、両方に抵当権が設定された。 3.抵当権の実行により、土地と建物の所有者が異なった 。 これらを全て満たした時に法定地上権が成立します。 本問は、「土地に1番抵当権が設定された当時、土地と地上建物の所有者が異なっていた」ということは、1を満たさないので法定地上権は成立しません。


■問3
土地及びその地上建物の所有者が同一である状態で、土地に1番抵当権が設定され、その実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。 (2009-問7-1)

 

答え:正しい

法定地上権の成立要件は以下の3つです。

1.抵当権設定当時、土地と建物の両方が存在し、同一所有者である。
2.土地と建物のどちらか一方、または、両方に抵当権が設定された。
3.抵当権の実行により、土地と建物の所有者が異なった 。

これらを全て満たした時に法定地上権が成立します。

そして、本問をみると、「抵当権設定当時に土地及びその地上建物の所有者が同一」「土地に抵当権が設定」「抵当権実行により土地と地上建物の所有者が異なった」という3つを全て満たしているので、法定地上権は成立します!


■問4
更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。 (2009-問7-2)

 

答え:正しい

法定地上権の成立要件は以下の3つです。

1.抵当権設定当時、土地と建物の両方が存在し、同一所有者である。
2.土地と建物のどちらか一方、または、両方に抵当権が設定された。
3.抵当権の実行により、土地と建物の所有者が異なった 。

これらを全て満たした時に法定地上権が成立します。

本問は、抵当権設定当時に更地なので、1を満たしません。

したがって、法定地上権は認められません。1番抵当権設定当時に建物がなければいけません。


■問5
Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。 Aが甲土地に抵当権を設定した当時、甲土地上にA所有の建物があり、当該建物をAがCに売却した後、Bの抵当権が実行されてDが甲土地を競落した場合、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできない。 (2016-問4-1)

 

答え:正しい

この問題は理解するのが難しい問題です。そもそもどのように問題文を理解するのかが重要なので、この点について個別指導で詳しく理解の仕方をお伝えします!

とりあえず、ポイントをまとめると下記の通りですが、ポイントだけ押さえる勉強法では、実力はつきません、、、しっかり理解学習を実践していきましょう!

本肢は法定地上権の成立要件を問う問題です。法定地上権の成立要件は下記の通りです。

1.抵当権設定時に土地の上に建物が存在すること
2.抵当権設定時に土地と建物が同一所有者であること
3.土地又は建物に抵当権が設定されること
4.抵当権実行により土地・建物が異なる所有者になったこと

※これまでの解説では1.2を1つにまとめています。今回は分けました。

本肢は上記要件をすべて満たしているので、Cは法定地上権を有します。

したがって、Cは、土地を利用する権利を主張することができるため、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできません。

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