令和7年(2025年)問46|住宅金融支援機構

独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.機構は、災害により住宅が滅失した場合におけるその住宅に代わるべき住宅の建設又は購入に係る貸付金について、一定の元金返済の据置期間を設けることができる。

2.機構は、証券化支援事業(買取型)において、債務者又は債務者の親族が居住する住宅のみならず、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権についても譲受けの対象としている。

3.機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事に係る貸付けについて、貸付金の償還を高齢者の死亡時に一括して行うという制度を設けている。

4.機構は、市街地の土地の合理的な利用に寄与する一定の建築物の建設に必要な資金の貸付けを業務として行っている。


【答え:2】

1.機構は、災害により住宅が滅失した場合におけるその住宅に代わるべき住宅の建設又は購入に係る貸付金について、一定の元金返済の据置期間を設けることができる。

1・・・ 正しい

機構は、災害により住宅が滅失した人に対して、代替となる住宅の建設、購入又は被災住宅の補修に必要な資金を貸し付ける業務を行っています。この貸付金について、主務大臣と協議の上、元金据置期間を設けることができます(機構業務方法書24条2項)。よって、正しいです。

災害で家を失った方は、精神的にも経済的にも非常に苦しい状況にあります。新しい家を建てる資金を借りたとしても、すぐに返済が始まっては生活が立ち行きません。

そのため、機構は「元金の返済を一定期間待ってあげる(据置期間)」という特別な配慮をすることができるようになっています。

試験対策として、以下の3点をセットで覚えておきましょう。

  1. 対象となる資金: 住宅の「建設」「購入」だけでなく、「補修」も含まれます
  2. 据置期間の設定: 機構が主務大臣と協議した上で、元金の返済を待つことができます。
  3. 高齢者向けの特例(関連知識): 災害復興建築物の貸付けにおいて、高齢者が借りる場合は「毎月の支払いは利息のみとし、元金は死亡時に一括返済する」という高齢者向け返済特例も認められています。
💡 初学者のためのワンポイント・アドバイス
「据置(すえおき)期間」という言葉に馴染みがないかもしれませんが、「元金の返済をストップして、利息の支払いだけでいい期間」だとイメージしてください。家が完成して生活が落ち着くまでの「準備期間」を設けてあげている、機構の優しさですね。

 


2.機構は、証券化支援事業(買取型)において、債務者又は債務者の親族が居住する住宅のみならず、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権についても譲受けの対象としている。

2・・・ 誤り

証券化支援事業(買取型)は、平たく言えば「国民がマイホームを持ちやすくするため」の制度です。 そのため、機構が金融機関から買い取ってくれるローン(譲受けの対象)は、以下のものに限定されています。

  • 「自ら」居住する住宅
  • 「親族」が居住する住宅

本肢にある「賃貸住宅(アパートなど)」は、居住目的ではなく「投資・収益目的」とみなされるため、この事業の対象からは外れます。ここがひっかかりやすいポイントです。

「賃貸住宅は一切ダメなの?」と疑問に思うかもしれませんが、実は「直接融資」という別の枠組みであれば、一定の条件(省エネ住宅や災害復興など)で賃貸住宅への貸し付けが行われることがあります。

 


3.機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事に係る貸付けについて、貸付金の償還を高齢者の死亡時に一括して行うという制度を設けている。

3・・・ 正しい

機構は、高齢者に対する直接融資に関して「高齢者向け返済特例制度」を設けています。これは、亡くなるまでは月々の支払いは利息のみで、死亡時に融資住宅や敷地の売却等により借入金の元金を一括返済する制度です(機構業務方法書24条4項)。

高齢者の方が、バリアフリー化などのリフォームをしたいと思っても、年金暮らしの中で重いローン返済を抱えるのは現実的ではありませんよね。

そこで機構は、以下のような仕組みを提供しています。

  • 生存中支払うのは「利息のみ」(元金の返済は不要)
  • 死亡時相続人が「元金を一括返済」(家や敷地の売却代金などで精算)。

そして、試験で狙われる「対象工事」です。
この制度は、どんな工事でもOKというわけではありません。下記工事が対象です。

  • バリアフリー工事(段差解消、手すり設置など)
  • 耐震改修工事

「高齢者が、安全(バリアフリー)かつ安心(耐震)に住み続けるためのリフォーム」を応援する制度だと考えれば、分かりやすいです。

 


4.機構は、市街地の土地の合理的な利用に寄与する一定の建築物の建設に必要な資金の貸付けを業務として行っている。

4・・・ 正しい

機構は、合理的土地利用建築物(市街地の土地の合理的な利用に寄与する一定の建築物で相当の住宅部分を有するもの)の建設若しくは新築の合理的土地利用建築物の取得の購入に必要な資金の貸付けを行っています(機構法13条1項7号)。

合理的土地利用建築物とは、都市部の限られた土地を有効活用するために、例えば「1階に店舗が入っていて、上層階がマンションになっている複合ビル」のような建物です。土地の高度利用に貢献する建物の建設を支援するために、機構は直接融資しています。これを実務上は「まちづくり融資」と呼んだりします。

 



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令和7年(2025年):宅建試験・過去問

問1
意思表示・物権変動
問2
保証・連帯保証
問3
意思表示
問4
担保物権・相殺
問5
相続(代襲相続)
問6
物権変動
問7
民法総合
問8
共有
問9
連帯債務
問10
契約不適合責任
問11
借地権
問12
借家権
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
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都市計画法
問16
都市計画法(開発許可)
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
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不動産鑑定評価基準
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問31
業務上の規制
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重要事項説明
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問48
統計
問49
土地
問50
建物

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