宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア A社の政令で定める使用人Bは、刑法第234条(威力業務妨害)の罪により、懲役2年、執行猶予2年の刑に処せられた後、A社を退任し、新たにC社の政令で定める使用人に就任した。Bの執行猶予期間が満了していない場合に、C社が免許を申請しても、免許を受けることができない。
イ D社は、不正の手段により免許を取得したことによる免許の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分がなされるまでの間に、宅地建物取引業法第11条の規定による廃業の届出をした。その廃業に相当の理由がなかった場合、当該公示の日の40日前にD社の取締役を退任したEは、当該届出から5年経過しなければ、免許を申請しても免許を受けることができない。
ウ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であるFの法定代理人であるGが、刑法第206条(現場助勢)の罪により罰金の刑に処せられていた場合、その刑の執行が終わった日から5年を経過していなくても、Fは免許を申請すれば免許を受けることができる。
エ H社の政令で定める使用人Jは、裁判所へJ自身の破産申し立てを行った後、H社を退任し、裁判所から破産手続の開始決定を受けるまでの間に、新たにK社の政令で定める使用人に就任した。その後、Jが復権を得た場合、その日から5年を経過しなくても、K社が免許を申請すれば、免許を受けることができる。
1.一つ
2.二つ
3.三つ
4.四つ
ア・・・ 正しい
宅建業法では、法人の「役員」だけでなく、支店長などの「政令で定める使用人」が欠格事由に該当する場合も、その会社(法人)全体が免許を受けられないと定めています。
今回のケースでBさんが受けたのは「懲役刑」です。
原則、禁錮以上の刑(刑務所に入る刑)に処せられた場合、刑の執行が終わってから5年を経過するまで免許を受けられません。
また、執行猶予がついた場合、執行猶予期間中は「欠格事由」に該当しますが、執行猶予期間が無事に満了すれば、直ちに(5年待たずに)欠格事由ではなくなります。
現在「まだ執行猶予期間中」なので、Bは現時点で「欠格事由」に該当し、C社も欠格となり、C社が免許を申請しても、免許を受けることができません。
イ・・・ 正しい
本肢は、悪いことをして「免許取消処分」になりそうな会社が、処分を受ける前に自ら「廃業届」を出して逃げ得をすることを防ぐルールを質問しています。
法人が「①不正の手段で免許を取得」「②業務停止処分に違反」「③業務停止処分に該当し、情状が特に重い」といった重い違反(三大悪事)を犯した場合、聴聞の公示日から処分が決定するまでの間に、「相当の理由(病気や倒産など)」なく廃業届を出したとしても、その届出から5年間は免許を受けられません。
役員への連座(60日ルール) このルールは会社だけでなく、その会社にいた「役員」にも及びます。 ポイントは、「聴聞の公示日前60日以内」に役員であったかどうかです。
本肢を見ると、
- D社: 不正手段による免許取得(三大悪事)で聴聞公示後に廃業。
- Eさん: 聴聞の公示日の40日前に取締役を退任。
Eさんは「公示日前60日以内」に役員だった人物に該当します。したがって、D社が駆け込み廃業をした以上、元役員のEさんも届出から5年間は個人の免許取得も、他社の役員就任もできない(欠格事由に該当する)ということになります。
ウ・・・ 誤り
宅建業法では、まだ判断能力が十分でない可能性がある「営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者」が免許を申請する場合、そのバックにいる「法定代理人(親権者など)」を厳しくチェックします。
なぜなら、本人が未成年でも、実質的に業務をコントロールするのが法定代理人であれば、その代理人が「欠格事由(免許を与えてはいけない条件)」に該当している場合、クリーンな宅建業界を維持できないからです。
そして、罰金刑の場合、どんな罪でもアウトというわけではありません。以下の罪で罰金刑を受けた場合に欠格事由となります。
- 宅建業法違反
- 暴力的な罪(傷害、暴行、脅迫、現場助勢など)
- 背任罪
今回の「現場助勢罪」は、この「暴力的な罪」に含まれます。したがって、法定代理人Gさんは「刑の執行が終わってから5年間」は欠格事由に該当します。
そのため、未成年者Fは免許を申請しても免許を受けることができません。
エ・・・ 正しい
宅建業法では、破産手続開始の決定を受けた者は、原則として免許を受けることができません。しかし、この制限は永遠ではありません。
復権を得た場合、直ちに(その瞬間に)欠格事由に該当しなくなります。
「5年待ち」は不要: 禁錮刑や懲役刑などの「刑罰」の場合は、執行終了から5年を待つ必要がありますが、破産による復権には「5年間の待機期間」というルールは存在しません。
この問題のJさんは、少し特殊な動きをしています。
- H社時代: 自分で破産の申し立てを行う。
- 退任後: K社の「政令で定める使用人」に就任。
- 就任後: 破産手続開始の決定を受ける(=この時点でK社は本来ダメ)。
- 現在: 復権を得た。
Jさんが「復権」を得た瞬間に、Jさんは法律上の「クリーンな状態」に戻ります。したがって、K社の役員や使用人にJさんがいたとしても、Jさんが原因で免許が拒否されることはありません。たとえ「復権から5年」が経過していなくても、復権=即復活と覚えておきましょう。
令和7年(2025年):宅建試験・過去問
- 問1
- 意思表示・物権変動
- 問2
- 保証・連帯保証
- 問3
- 意思表示
- 問4
- 担保物権・相殺
- 問5
- 相続(代襲相続)
- 問6
- 物権変動
- 問7
- 民法総合
- 問8
- 共有
- 問9
- 連帯債務
- 問10
- 契約不適合責任
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 盛土規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 登録免許税
- 問24
- 固定資産税
- 問25
- 不動産鑑定評価基準
- 問26
- 報酬計算
- 問27
- 重要事項説明・35条書面
- 問28
- 業務上の規制
- 問29
- 37条書面
- 問30
- 重要事項説明・35条書面
- 問31
- 業務上の規制
- 問32
- 8種制限
- 問33
- 35条書面・37条書面
- 問34
- 免許の基準
- 問35
- 保証協会
- 問36
- 重要事項説明
- 問37
- 業務上の規制
- 問38
- 免許
- 問39
- 媒介契約
- 問40
- クーリングオフ
- 問41
- 免許
- 問42
- 宅建士
- 問43
- 重要事項説明書・35条書面
- 問44
- 犯罪収益移転防止法
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物







