令和7年(2025年)問19|盛土規制法

宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市及び中核市にあってはその長をいうものとし、地方自治法に基づく施行時特例市に係る経過措置については考慮しないものとする。

1.工事主は、特定盛土等規制区域内において行われる特定盛土等又は土石の堆積に関する政令で定める規模の工事の許可の申請をするときは、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に対し、説明会の開催その他の当該特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない。

2.宅地造成等工事規制区域内の土地の工事主又は工事施行者は、宅地造成等に伴う災害が生じないよう、その土地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。

3.都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のために必要があると認める場合においては、その土地の所有者、管理者、占有者、工事主又は工事施行者に対して、擁壁等の設置等の必要な措置をとることを勧告することができる。

4.宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事の許可を受けた工事主は、当該許可に係る土地の見やすい場所に、主務省令で定めるところにより、氏名又は名称その他の主務省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。


【答え:2】

1.工事主は、特定盛土等規制区域内において行われる特定盛土等又は土石の堆積に関する政令で定める規模の工事の許可の申請をするときは、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に対し、説明会の開催その他の当該特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない。

1・・・ 正しい

大規模な盛土や土石の堆積は、崩落した場合に周辺住民の生命や財産に甚大な被害を及ぼします。そのため、工事を始める前の「許可申請」の段階で、周辺住民に「どんな工事を、どう安全に行うのか」を知らせる義務を課しています。

  • 対象者: 工事施行に係る土地の周辺地域の住民
  • タイミング: 許可の申請をする「あらかじめ」(事前)

特定盛土等規制区域内で行われる特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の許可を申請しようとする工事主は、あらかじめ、土地の周辺住民に対し、説明会の開催等を実施して工事の内容を周知させなければなりません(盛土規制法29条)。

周知させる方法としては、①説明会の開催、②書面の配布、③掲示+インターネット上での情報提供、④都道府県が定める方法の4つが認められています(盛土規制法規則6条)。

 


2.宅地造成等工事規制区域内の土地の工事主又は工事施行者は、宅地造成等に伴う災害が生じないよう、その土地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。

2・・・ 誤り

盛土規制法第22条1項では、土地を安全な状態に保つ努力義務(保全義務)を負うのは、工事主や工事施行者ではありません

正しくは、その土地の「所有者、管理者、または占有者」です。試験対策としては、これらをまとめて「所有者等(下記3者)」と覚えましょう。

  • 所有者: 土地のオーナー
  • 管理者: 土地を管理している人(管理会社など)
  • 占有者: 実際にその土地を借りて住んでいる人など

では、なぜ「工事主」ではダメなのか? 「工事主(施主)」や「工事施行者(建設業者)」は、あくまで工事を行っている間の責任者です。 しかし、この法律が求めているのは、工事が終わった後も含めて「その土地をずっと(常時)安全に保つこと」です。そのため、その土地に直接権利を持っている「所有者等」に義務を課しています。

 


3.都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のために必要があると認める場合においては、その土地の所有者、管理者、占有者、工事主又は工事施行者に対して、擁壁等の設置等の必要な措置をとることを勧告することができる。

3・・・ 正しい

都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要がある場合は、その土地の所有者・管理者・占有者・工事主又は工事施行者に対し、擁壁の設置や改造を勧告することができます(盛土規制法22条2項)。

この規定(法22条2項)の肝は、「誰が」「誰に対して」「何を」できるかという点にあります。

  • 誰が: 都道府県知事(指定都市等の長を含む)
  • 誰に対して: 土地の所有者、管理者、占有者、工事主、工事施行者
  • 何を: 擁壁の設置などの改善を「勧告」できる

 


4.宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事の許可を受けた工事主は、当該許可に係る土地の見やすい場所に、主務省令で定めるところにより、氏名又は名称その他の主務省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。

4・・・ 正しい

宅地造成等工事規制区域内で行われる宅地造成等に関する工事の許可を受けた工事主、特定盛土規制区域内で行われる特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の届出をした又は許可を受けた工事主は、許可又は届出に係る土地の見やすい場所に所定の標識を掲げる必要があります(盛土規制法49条)。

大規模な盛土や宅地造成が行われる際、近隣住民や通行人が「この工事はちゃんと許可を得ているのか?」「責任者は誰か?」をひと目で確認できるようにするためです。街中で見かける「建設業の許可票」と同じ役割です。

標識に記載する内容は下記の通りです!

  1. 工事主の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  2. 工事の許可年月日及び許可番号又は工事の届出年月日
  3. 工事施行者の氏名又は名称
  4. 現場管理者の氏名又は名称
  5. 工事の着手予定年月日及び工事の完了予定年月日
  6. 宅地造成等に関する工事を行う土地の区域の見取図
  7. 盛土若しくは切土の高さ又は土石の堆積の最大堆積高さ
  8. 盛土若しくは切土をする又は土石の堆積を行う土地の面積
  9. 盛土若しくは切土の土量又は土石の堆積の最大堆積土量
  10. 工事に係る問合せを受けるための工事関係者の連絡先
  11. 許可又は届出を担当した都道府県の部局の名称及び連絡先

 



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令和7年(2025年):宅建試験・過去問

問1
意思表示・物権変動
問2
保証・連帯保証
問3
意思表示
問4
担保物権・相殺
問5
相続(代襲相続)
問6
物権変動
問7
民法総合
問8
共有
問9
連帯債務
問10
契約不適合責任
問11
借地権
問12
借家権
問13
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問14
不動産登記法
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都市計画法
問16
都市計画法(開発許可)
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問18
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