令和7年(2025年)問14|不動産登記法

不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1.登記官は、一筆の土地の一部が別の地目となったときであっても、職権でその土地の分筆の登記をすることができない。

2.登記事項証明書の交付の請求は、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。

3.権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。

4.建物の合併の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。


【答え:1】

1.登記官は、一筆の土地の一部が別の地目となったときであっても、職権でその土地の分筆の登記をすることができない。

1・・・ 誤り

不動産登記は、原則として所有者などの「申請」によって行われます(これを申請主義といいます)。しかし、例外的に登記官が自らの権限で行う「職権」による登記が認められているケースがあります。

そもそも登記の役割は、不動産の「物理的な状況」を正しく公示することです。 例えば、広い「山林」の一部を整地して「宅地」にした場合、そのまま放置されると、登記簿上のデータと現実の土地の状態がズレてしまいます。

そのため、上記の場合、所有者から申請がない場合でも、登記官は「職権で」分筆の登記をしなければなりません(不動産登記法第39条第2項)。これは「できる(任意)」ではなく「しなければならない(義務)」という点も、試験で狙われやすいポイントです。

上記「地目の変更」以外にも、土地の「地積(面積)」が実際と異なっている場合なども、登記官は職権で更正登記をすることができます。

 


2.登記事項証明書の交付の請求は、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。

2・・・ 正しい

不動産登記の内容を確認するための「登記事項証明書」は、かつては法務局の窓口へ行くのが当たり前でしたが、現在はIT化が進んでいます。登記事項証明書の交付の請求は、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法(オンライン)によりすることができます(不動産登記規則第194条)。


3.権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。

3・・・ 正しい

不動産登記法において、権利の登記(所有権移転や抵当権設定など)は、「登記権利者」と「登記義務者」が協力して申請するのが大原則です。よって、本肢は正しいです。

原則があれば必ず「例外」があります。試験ではこちらの例外が頻出です。「相手がいなくても真実性が確認できる場合」や「相手が存在しない場合」が該当します。

  • 確定判決による登記
    裁判所が「登記せよ」と命じた場合、真実性は公的に証明されているため、勝訴した側が単独で申請できます。
  • 相続・法人の合併(一般承継)
    登記義務者(被相続人など)が亡くなっているため、共同申請は不可能です。
  • 登記名義人の氏名・住所の変更
    自分の住所が変わっただけなので、相手方は存在しません。
  • 仮登記(一定の場合)
    登記義務者の承諾書がある場合などは、例外的に単独で申請可能です。

表示に関する登記」(土地の地目変更や建物の新築など)は、権利の争いではないため、常に所有者による単独申請となります。今回の「権利に関する登記」との違いを明確に区別しておきましょう!


4.建物の合併の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。

4・・・ 正しい

建物の合併の登記は、表題部所有者(まだ権利の登記をしていない人)か、所有権の登記名義人(すでに権利の登記をしている人)でなければ申請することができません。

そもそも「建物の合併」とは、別々の登記簿に載っていたA棟とB棟を、ガッチャンコして「1個の建物」として扱う手続きです。
これを行うと、建物の範囲や権利関係が大きく変わります。そのため、「その建物の持ち主(所有者)」以外の人が勝手に申請することは認められていません。

 



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問1
意思表示・物権変動
問2
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問7
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