売買代金債権(以下この問において「債権」という。)の譲渡(令和3年7月1日に譲渡契約が行われたもの)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.譲渡制限の意思表示がされた債権が譲渡された場合、当該債権譲渡の効力は妨げられないが、債務者は、その債権の全額に相当する金銭を供託することができる。
2.債権が譲渡された場合、その意思表示の時に債権が現に発生していないときは、譲受人は、その後に発生した債権を取得できない。
3.譲渡制限の意思表示がされた債権の譲受人が、その意思表示がされていたことを知っていたときは、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもって譲受人に対抗することができる。
4.債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知し、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができず、その譲渡の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
1・・・正しい
譲渡制限の意思表示がある債権(譲渡禁止特約付きの債権)が譲渡された場合であっても、債権譲渡は有効です(民法466条2項)。
上記の場合、債務者は、債権の全額に相当する金銭を履行地の供託所に供託することができます(民法466条の2第1項)。
※「譲渡制限の意思表示」とは、当事者間で「債権の譲渡禁止特約」を付けたりした場合です。
上記ルールについては、理解した方が、応用力も付くので、個別指導で、理解の仕方を解説します!
2・・・誤り
現に発生していない債権(将来的に発生する予定の債権:将来債権という)も債権譲渡ができます(民法466条の6第1項)。
そして、将来債権の譲受人は、債権の発生と同時に当然にその債権を取得します(民法466条の6第2項)。
したがって、「譲受人は、その後に発生した債権を取得できない」は誤りです。
この点も理解しないと、ひっかけ問題に引っかかってしまうので、個別指導で理解の仕方を解説します!
3・・・正しい
譲渡制限の意思表示(譲渡禁止特約)について、譲受人が「悪意」または「善意重過失」だった場合、債務者は、譲受人への債務の履行を拒否することができます。
さらに、譲渡人に対する弁済等をもって譲受人に対抗することができます(民法466条3項)。
よって、本問は正しいです。
本問は「譲渡人に対する弁済等をもって譲受人に対抗することができる」という部分を理解していない人が多いので、個別指導で、具体例を入れながら理解の仕方を解説します!
4・・・正しい
第三者に対する債権譲渡の対抗要件は、「①譲渡人から債務者への通知」、「②債務者の承諾」のどちらか一方でよいですが、上記の「通知または承諾」は確定日付のある証書によって行わなければなりません(民法467条)。
よって、本問は正しいです!
債権譲渡の対抗要件は頻出なので、しっかり注意点等を含めて整理しておきましょう!
個別指導では、注意点も含めて解説します!
令和3年(2021年)10月試験分:宅建試験・過去問
- 問1
- 同時履行の抗弁権(判決文)
- 問2
- 連帯債務
- 問3
- 民法総合
- 問4
- 配偶者居住権
- 問5
- 制限行為能力者
- 問6
- 債権譲渡
- 問7
- 売買契約
- 問8
- 工作物責任
- 問9
- 相続
- 問10
- 選択債権
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 宅地造成等規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 所得税
- 問24
- 不動産取得税
- 問25
- 不動産鑑定評価基準
- 問26
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問27
- 免許
- 問28
- 宅建士
- 問29
- 業務上の規制
- 問30
- 広告
- 問31
- 保証協会
- 問32
- 免許
- 問33
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問34
- 営業保証金
- 問35
- 宅建士
- 問36
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問37
- 重要事項説明・37条書面
- 問38
- 媒介契約
- 問39
- クーリングオフ
- 問40
- 業務上の規制
- 問41
- 37条書面
- 問42
- 8種制限
- 問43
- 業務上の規制
- 問44
- 報酬計算
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物