令和3年(2021年)10月試験・問5/宅建過去問

次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1.令和4年4月1日において17歳の者は成年であるので、その時点で、携帯電話サービスの契約や不動産の賃貸借契約を1人で締結することができる。(改)

2.養育費は、子供が未成熟であって経済的に自立することを期待することができない期間を対象として支払われるものであるから、子供が成年に達したときは、当然に養育費の支払義務が終了する。

3.営業を許された未成年者が、その営業に関するか否かにかかわらず、第三者から法定代理人の同意なく負担付贈与を受けた場合には、法定代理人は当該行為を取り消すことができない。

4.意思能力を有しないときに行った不動産の売買契約は、後見開始の審判を受けているか否かにかかわらず効力を有しない。


【答え:4】

1.令和4年4月1日において17歳の者は成年であるので、その時点で、携帯電話サービスの契約や不動産の賃貸借契約を1人で締結することができる。(改)

1・・・誤り

令和4年4月1日以降は、18歳未満の者は未成年者です。そのため、法律行為(契約)を行う場合、原則として法定代理人の同意が必要です(民法5条)。

よって、未成年者(17歳)が、携帯電話サービスの契約や不動産の賃貸借契約を1人で(単独で)締結することはできないので誤りです。


2.養育費は、子供が未成熟であって経済的に自立することを期待することができない期間を対象として支払われるものであるから、子供が成年に達したときは、当然に養育費の支払義務が終了する。

2・・・誤り

養育費とは、子どもを監護・教育するために必要な費用です。 一般的にいえば、未成熟子(経済的・社会的に自立していない子)が自立するまで要する費用で、生活に必要な経費、教育費、医療費などです。

そして、未成熟子とは「経済的に独立していない子」を指し、必ずしも未成年者(18歳未満の者)とは限りません

成年に達したとしても、大学生・浪人生だったり、病気等により仕事に就けない場合は、養育費の支払義務が終了しない場合もあります。

よって、本肢は誤りです。


3.営業を許された未成年者が、その営業に関するか否かにかかわらず、第三者から法定代理人の同意なく負担付贈与を受けた場合には、法定代理人は当該
行為を取り消すことができない。

3・・・誤り

営業を許された未成年者は、その営業に関しては成年者と同一の行為能力を有します(民法6条1項)。そのため、「営業に関する負担付贈与」は、取り消しができません。

一方、「営業に関しない負担付贈与」は、法定代理人は未成年者であることを理由に取り消すことができます。

したがって、本問は「営業に関するか否かにかかわらず」が誤りです。

「営業に関する負担付贈与」については、個別指導で解説します!

しっかり理解をしておきましょう!


4.意思能力を有しないときに行った不動産の売買契約は、後見開始の審判を受けているか否かにかかわらず効力を有しない。

4・・・正しい

幼児や泥酔者、重い精神病や認知症である者など、意思能力を有しない者がした意思表示や法律行為は無効です(民法3条の2)。

これは、後見開始の審判を受けているか否かにかかわらず、無効なので、正しいです。

理解できない人も多い部分なので、詳細は、個別指導で解説します!

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令和3年(2021年)10月試験分:宅建試験・過去問

問1
同時履行の抗弁権(判決文)
問2
連帯債務
問3
民法総合
問4
配偶者居住権
問5
制限行為能力者
問6
債権譲渡
問7
売買契約
問8
工作物責任
問9
相続
問10
選択債権
問11
借地権
問12
借家権
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法(開発許可)
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
宅地造成等規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
所得税
問24
不動産取得税
問25
不動産鑑定評価基準
問26
重要事項説明書(35条書面)
問27
免許
問28
宅建士
問29
業務上の規制
問30
広告
問31
保証協会
問32
免許
問33
重要事項説明書(35条書面)
問34
営業保証金
問35
宅建士
問36
重要事項説明書(35条書面)
問37
重要事項説明・37条書面
問38
媒介契約
問39
クーリングオフ
問40
業務上の規制
問41
37条書面
問42
8種制限
問43
業務上の規制
問44
報酬計算
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物

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