農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.遺産分割によって農地を取得する場合には、法第3条第1項の許可は不要であるが、農業委員会への届出が必要である。
2.法第3条第1項の許可を受けなければならない場合の売買については、その許可を受けずに農地の売買契約を締結しても、所有権移転の効力は生じない。
3.砂利採取法第16条の認可を受けて市街化調整区域内の農地を砂利採取のために一時的に借り受ける場合には、法第5条第1項の許可は不要である。
4.都道府県が市街化調整区域内の農地を取得して病院を建設する場合には、都道府県知事(法第4条第1項に規定する指定市町村の区域内にあってはその長)との協議が成立すれば法第5条第1項の許可があったものとみなされる。
1・・・正しい
原則として、農地を取得する場合、農地法3条の許可が必要です(転用しない場合に限る)。
ただし、例外として、遺産分割によって農地を取得する場合には、3条許可は不要で、農業委員会に届出をすればよいです。
よって、本問は例外の内容なので、正しいです。
2・・・正しい
農地法の許可を受けずに行った農地の権利移動の契約は、無効です(=所有権移転の効力は生じないです)。
よって、本問は正しいです。
ちなみに、この点は、転用する場合(5条)もしない場合(3条)も同じルールです。
3・・・誤り
農地を砂利採取のために(農地を転用するために)、一時的に借り受ける場合も「農地を転用」することとなり、また、「権利移動」もするため、5条許可が必要です。
よって、本問は誤りです。
4・・・正しい
国又は都道府県等が農地を農地以外のものにしようとする場合においては、国又は都道府県等と都道府県知事等との協議が成立することをもって、農地法の許可があったとみなします。よって、本問は正しいです。
※ 都道府県知事「等」とは、都道府県知事および、指定市町村の区域内にあってはその市町村長をさします。
令和3年(2021年)10月試験分:宅建試験・過去問
- 問1
- 同時履行の抗弁権(判決文)
- 問2
- 連帯債務
- 問3
- 民法総合
- 問4
- 配偶者居住権
- 問5
- 制限行為能力者
- 問6
- 債権譲渡
- 問7
- 売買契約
- 問8
- 工作物責任
- 問9
- 相続
- 問10
- 選択債権
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 宅地造成等規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 所得税
- 問24
- 不動産取得税
- 問25
- 不動産鑑定評価基準
- 問26
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問27
- 免許
- 問28
- 宅建士
- 問29
- 業務上の規制
- 問30
- 広告
- 問31
- 保証協会
- 問32
- 免許
- 問33
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問34
- 営業保証金
- 問35
- 宅建士
- 問36
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問37
- 重要事項説明・37条書面
- 問38
- 媒介契約
- 問39
- クーリングオフ
- 問40
- 業務上の規制
- 問41
- 37条書面
- 問42
- 8種制限
- 問43
- 業務上の規制
- 問44
- 報酬計算
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物