根抵当権の重要ポイントと解説

根抵当権のポイント一覧

  1. 元本確定前の根抵当権に付従性・随伴性はない
  2. 元本確定日を定めていない場合、根抵当権の設定の時から3年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる
  3. 根抵当権は、元本確定前でも後でも、利害関係人の承諾さえあれば、極度額の変更は可能
  4. 元本確定前に「被担保債権の範囲の変更・債務者の変更・元本確定期日の変更」をするために利害関係人の承諾は不要

根抵当権とは?

根抵当権とは、簡単にいうと、
ある不動産を担保とした時、この不動産を担保に「上限額極度額)」と「債権の種類」を決め、この範囲内で何度もお金を貸し借りできる権利です。

抵当権では「この1000万円のお金を貸した時の担保」として設定されるもので、債権が特定されていますよね。
一方、根抵当権は債権の種類は決まっているが特定されていません。

根抵当権の図です。債権者Aは、債権者Bに対する債務を担保(保証)するために、自己所有の土地に根抵当権を設定した。この場合、根抵当権は、抵当権と異なり、複数の債権を担保することができます。

例えば、製造業者の代表Aは、定期的に、仕入れや製造機械を購入するために、Bからお金を借りては、返済をしています。
その都度、抵当権を設定していては面倒ですよね!?
このような場合に、不動産に根抵当権を設定していれば、上限額(極度額)までは何度も借りることができます。

元本確定とは?

後で説明しますが、根抵当権は、お金を全て返したからといって、消滅するものではありません。
そのため、期日を決めて、その期日の時点でいくらお金を返済する義務が残っているのかハッキリさせましょう、というのが「元本確定」です。

そして、元本の確定すべき期日の定めがないときでも、
根抵当権の設定の時から3年を経過したときは、
担保すべき元本の確定を請求することができます。
そして、元本が確定すれば、普通の抵当権と同じ扱いをします。

根抵当権の特徴

全て弁済しても当然に根抵当権は消滅しない(付従性がない)

元本確定前は、借りていたお金を全て返したからといって当然に根抵当権が消滅するわけではなく、 またいつでも借りられるようになっているため、根抵当権の抹消登記をしなければ、消滅しません。

被担保債権の範囲が決まっている

どんな債権でも、担保にできるのかというとそうではありません。そのように設定することは禁止されています。(包括根抵当権の禁止)
「売買契約や商品供給取引、銀行取引による債権」など、債務者との一定の種類によって生ずるものに限定されています。

随伴性がない

元本確定前は、被担保債権が譲渡されても、根抵当権は移転しません。
つまり、上記の例で、債権者Bが機械購入の為に貸したお金の貸金債権を第三者Cに譲渡しても、根抵当権はBにとどまります。

もし、随伴性があって、根抵当権がCに移転してしまえば、Bが今迄貸していた、AとB商品仕入れのための100万円と200万円の債権が無担保になって、Bは困ります。
さらに、Aとしては、Bから以後借りることができなくて、Aも困ります。

根抵当権の効力の範囲

根抵当権は、極度額以内であれば、確定した元本のほか、利息、遅延損害金などすべて効力が及びます。(保証されます)
一方、普通の抵当権は他の債権者がいると、最後の2年分しか優先弁済を受けられません。

根抵当権の変更

ポイントは、根抵当権は、元本確定後でも、利害関係人の承諾さえあれば、極度額の変更は可能です。
また、他の債権者の不利益を被らないものは利害関係人の承諾は不要という観点からみれば、利害関係人の承諾の有無は導けます。

変更可能な時期 利害関係人の承諾
元本確定 元本確定
極度額の変更 できる できる 必要
被担保債権の範囲の変更 できる できない 不要
債務者の変更 できる できない 不要
元本確定期日の変更 できる できない 不要
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根抵当権の問題一覧

■問1
AがBとの間で、CのBに対する債務を担保するためにA所有の甲土地に根抵当権を設定する場合について、元本の確定前の根抵当権の場合には、Bは根抵当権の順位を譲渡することができない。 (2014-問4-4)

 

答え:正しい

根抵当権は元本確定前の場合、順位譲渡できません。

これはそのまま覚えてもいいですね。

ただ、順位譲渡の意味は理解すべきです!「個別指導」では順位譲渡はもちろん解説しています!


■問2
AがBとの間で、CのBに対する債務を担保するためにA所有の甲土地に根抵当権を設定する場合について、Bが根抵当権を実行する場合には、AはまずCに催告するように請求することはできない。 (2014-問4-3)

 

答え:正しい

物上保証人に催告の抗弁権はありません。

つまり、「AはまずCに催告するように請求することができる」という記述は誤りです。

そもそも問題文は理解できていますか?

解説を理解することも重要ですが、問題文が理解できていないと実力は付きません!

そのため、「個別指導」では問題をどのように理解するのか、さらには、関連ポイントまで解説しています!

勉強したらその分実力を付けたいですよね!

そのために、理解するための解説を用意しています!

あなたも理解学習を実践して、来年合格しましょう!


■問3
AがBとの間で、CのBに対する債務を担保するためにA所有の甲土地に根抵当権を設定する場合について、根抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には、登記に加えて、債務者Cの異議を留めない承諾が必要である。 (2014-問4-2)

 

答え:誤り

根抵当権の設定について、「登記」をすれば第三者に対抗できます。

これは実はヒッカケ問題です。

何とヒッカケているか?この点は出題されてもおかしくないでしょう!

ヒッカケている内容と比較して学習することで頭が整理されます!

また、『抵当権の設定も根抵当権の設定も「登記」をすれば第三者に対抗できる』とはどういうことを言っているのか?

個別指導」では、上記2点について詳しく解説しています!

だから、合格力が着実についていくわけです!


■問4
AがBとの間で、CのBに対する債務を担保するためにA所有の甲土地に根抵当権を設定する場合について、根抵当権を設定する場合には、BC間のあらゆる範囲の不特定の債権を極度額の限度で被担保債権とすることができる。 (2014問4-1)

 

答え:誤り

そもそも被担保債権のイメージはできていますか?

お金の貸し借りでいえば、貸金債権(お金を取り立てる権利)が被担保債権です。

根抵当権は特定する必要はありません。

しかし、どの債権を被担保債権にするかの範囲を指定しないといけません。したがって「BC間のあらゆる範囲」のというのが誤りです。

本問は、問題文がどういう状況なのか?

また、上記解説がどういうことを言っているのか理解する必要があります!

そのため、「個別指導」では理解するために図を使って解説しています!


■問5
根抵当権設定者は、元本の確定後であっても、その根抵当権の極度額を、減額することを請求することはできない。 (2011-問4-4)

 

答え:誤り

利害関係人の承諾さえあれば、元本確定後でも極度額の変更は可能です。

この点については理解すれば当然なので、理解しておきましょう!

また、対比ポイントもしっかり頭に入れておいたほうがよいので「個別指導」では、対比ポイントも含めて解説しています!

一つ一つ理解を積み上げていきましょう!

これが宅建合格の近道です!

遠いように思えますが、これが近道です。

丸暗記は一見すると近道に見えますが、これが遠回りです。

何年勉強しても、過去問で45点取れても本試験では合格点は取れないんです。。。


■問6
根抵当権設定者は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがないときは、一定期間が経過した後であっても、担保すべき元本の確定を請求することはできない。 (2011-問4-3)

 

答え:誤り

根抵当権について、元本の確定すべき期日の定めがないときでも、根抵当権の設定の時から3年を経過したときは、根抵当権設定者は担保すべき元本の確定を請求することができます。

これは理解しておくと、対比ポイントも併せてイメージできやすいので、頭に残りやすいと思います!

なので、「個別指導」ではこのルールについて、詳しくイメージできるように解説します!


■問7
元本の確定前に根抵当権者から被担保債権の範囲に属する債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することはできない。 (2011-問4-2)

 

答え:正しい

元本確定前の根抵当権は、個々の債権との間には随伴性がないので、被担保債権の範囲に属する債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することはできません。

抵当権は随伴性があるので、債権(被担保債権)を取得した者は、抵当権を行使できます。

これは理解しないといけない部分です。

個別指導」ではこの点について具体例を挙げて細かく解説しています。


■問8
根抵当権者は、総額が極度額の範囲内であっても、被担保債権の範囲に属する利息の請求権については、その満期となった最後の2年分についてのみ、その根抵当権を行使することができる。 (2011-問4-1)

 

答え:誤り

根抵当権の場合、利息は満期となった最後の2年分に限らず、「極度額」までであれば根抵当権を行使することができます(優先的に弁済を受けることができる)。

抵当権の場合、後順位の抵当権者がいる場合、最後の2年分までしか優先的に配当を受けられません。

この違いについてはしっかり理解する必要があります!

個別指導」では、この点について、具体例を挙げて解説しています。

理解できていないと使えない知識になってしまいます。

本試験で別角度から出題されたら得点できなくなるので、理解しながら学習は進めましょう!


■問9
Aは、自己所有の甲不動産につき、B信用金庫に対し、極度額を3,000万円、被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」とする第1順位の根抵当権を設定し、その旨の登記をした。なお、担保すべき元本の確定期日は定めなかった。Aが友人CのためにB信用金庫との間で保証契約を締結し保証債務を負担した場合、B信用金庫のAに対するこの保証債権は、「信用金庫取引による債権」に含まれ、この根抵当権で担保される。 (2007問8-4)

 

答え:正しい

「信用金庫取引による債権」の範囲については、主たる債務者に対する債権だけでなく、根抵当権設定者に対する保証債権も含みます。

これは判例なのですが、「個別指導」では具体例を出して解説しています。

本問がどのようなことを言っているのか理解しておきましょう!


■問10
Aは、自己所有の甲不動産につき、B信用金庫に対し、極度額を3,000万円、被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」とする第1順位の根抵当権を設定し、その旨の登記をした。なお、担保すべき元本の確定期日は定めなかった。B信用金庫は、確定した元本が極度額以下であれば、その元本に係る最後の2年分の約定金利については、極度額を超えても、根抵当権を行使できる。 (2007-問8-3)

 

答え:誤り

根抵当権は元本や利息等を含めて極度額までしか保証(担保)されません。

したがって、「極度額を超えても、根抵当権を行使できる」という記述は誤りです。

この点については具体例を出して解説したほうがよいので「個別指導」では具体的に解説します。

理解しておきましょう!

令和7年、宅建試験対策の個別指導が開講しました。

■問11
Aは、自己所有の甲不動産につき、B信用金庫に対し、極度額を3,000万円、被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」とする第1順位の根抵当権を設定し、その旨の登記をした。なお、担保すべき元本の確定期日は定めなかった。元本の確定前に、B信用金庫から、被担保債権の範囲に属する個別債権の譲渡を受けた者は、確定日付のある証書でAに対し債権譲渡通知を行っておけば、その債権について根抵当権を行使できる。 (2007-問8-2)

 

答え:誤り

元本確定前の根抵当権には随伴性がありません。

元本の確定前に、B信用金庫から、被担保債権の範囲に属する個別債権の譲渡を受けた者は、その債権について根抵当権を行使できないので本問は誤りです。

この点は理解が必要なので「個別指導」では、「元本確定前の根抵当権には随伴性がない」とはどういうことかを具体例を出して解説します。


■問12
Aは、自己所有の甲不動産につき、B信用金庫に対し、極度額を3,000万円、被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」とする第1順位の根抵当権を設定し、その旨の登記をした。なお、担保すべき元本の確定期日は定めなかった。元本の確定前に、被担保債権の範囲を変更するには後順位の抵当権者がいる場合は、その者の承諾を得なければならない。 (2007-問8-1)

 

答え:誤り

元本の確定前であれば、根抵当権の被担保債権の「範囲」を自由に変更できます。

この際、後順位抵当権者の承諾は不要です。

この点ついては理解する必要があるので、「個別指導」では具体例を出して解説しています。

また、どういった場合に、後順位抵当権者の承諾がいるかも合わせて解説しています!

関連ポイントは一緒に勉強できると効率的ですね!


■問13
根抵当権について、遅延損害金については、最後の2年分を超えない利息の範囲内で担保される。 (2003-問6-4)

 

答え:誤り

根抵当権は極度額の範囲内であれば最後の2年分に限らず、全て担保されることになっています。


■問14
根抵当権について、被担保債権を譲り受けた者は、担保となっている根抵当権を被担保債権とともに取得する。 (2003-問6-3)

 

答え:誤り

根抵当権は元本確定前は随伴性はありません。

そもそも随伴性とは何か?

元本確定とは何か?

これはしっかり理解しないといけない部分ですね!

根抵当権については、元本確定「前」では被担保債権は特定されておらず、債権を移転しても根抵当権は第三者に移転しません。

したがって、随伴性はないわけです。

ちなみに、元本確定「後」については、随伴性があるので、債権が移転すると根抵当権も第三者に移転します!

この問題は理解すべき問題なので、「個別指導」では、具体例を使ってどういう意味かを解説しています!


■問15
根抵当権について、現在は発生しておらず、将来発生する可能性がある債権を被担保債権とすることができる。 (2003-問6-2)

 

答え:正しい

根抵当権は、現在は発生しておらず、将来発生する可能性がある債権を被担保債権とすることができます。

これも具体例を言えるかどうかで理解学習ができているかどうかが判断できます。

もし具体例が言えるのであれば、あなたは抵当権のポイントを理解していることになります。

もし言えないのであれば、丸暗記学習をしているだけということです。

丸暗記学習では本試験で30点前後までしか伸びません。合格点まであと少しというところで落ちてしまいます。

そうならないために理解学習を実践していきましょう!

どのように理解学習をすればいいか分からない場合は「個別指導」を使ってみてください!

具体例を記載しています!だから、あなたもすぐに理解学習ができます!短期間で合格力を付けるために理解学習をしていきましょう!


■問16
根抵当権について、設定契約を締結するためには、被担保債権を特定することが必要である。 (2003-問6-1)

 

答え:誤り

根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するものです。

つまり、「極度額」を決めて、その金額内で何度もお金を「借り」、 「弁済し」を繰り返すことができ、そこで発生する債権を担保する権利です。

そのため、根抵当権の被担保債権は特定されていません。

「一定の範囲に属する不特定の債権」を担保するわけです。

きちんと理解している方であれば、具体例を自分自身で言えるはずです!

もし言えないのであればそれは理解していない証拠です。表面的にポイントだけ押さえる学習になっているので本試験の応用問題に対応できないです。きちんと理解をしながら学習は進めていきましょう!

どのように理解すればいいか分からない場合は「個別指導」を使ってみてください!

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