詐欺(欺罔:ぎもう)の重要ポイントと解説

(このページは、改正民法に対応しています)

詐欺のポイント一覧

  1. 詐欺は有効であるが、後で、取消すことができる
  2. 取消しできる期間は追認ができるようになってから5年以内、かつ、行為(意思表示)時から20年以内
  3. 第三者詐欺の場合、詐欺を受けた者は善意無過失の第三者に対抗できない
  4. 詐欺取消し前の第三者が現れた場合、第三者が善意無過失の場合、本人は第三者に対抗できない
  5. 詐欺取消し後の第三者については、登記を備えた方が、権利を主張できる。(二重譲渡と同様の考え)
  6. 契約解除と扱いが異なるので、比較して覚えること!

詐欺の言葉の意味

詐欺とはだますことです。法律用語では「欺罔(ぎもう)」と言います。

詐欺は原則、後で取り消しができる

詐欺の場合は無効ではなく、契約は有効です。 ただし、取り消すことができます。

なぜ、錯誤では無効で、詐欺では有効と異なる見解になるか?

それは、 「思っていることと、表示したことが食い違っているかどうか」 の違いです。
前回お話した錯誤は「意思(内心的意思)と表示」に食い違いが生じています。
一方、
詐欺は思っていることと表示したことが一致しています。
つまり、「意思(内心的意思)と表示」は一致しています。

例えば、
AがB所有の宝石をBの詐欺により購入した場合、 詐欺を受けたとしても、 AはB所有の宝石を買いたいと思っていて 「買います!」 と表示しています。
この場合は、契約自体は有効ですが、後から、取消すことができます
では、いつまで、取消しができるのでしょうか?

詐欺取消しができる期間

追認ができるようになってから5年、または、行為(意思表示)時から20年以内とされています。この期間を過ぎると取消すことができません。
⇒ 取消しに関する詳細はこちら

第三者から詐欺を受けた場合(第三者詐欺)

Aが第三者Cから詐欺を受けて、自己所有のAの土地をBに売却した。この場合、相手方Bが善意無過失であれば、Bは保護され、相手方Bが悪意又は有過失であれば、騙されたAが保護されます。これは、宅建試験でもよく出題される「第三者詐欺」の図です。

Aが、第三者Cから詐欺を受けて、「A所有の甲土地をBに売却する」意思表示をした場合、Aは詐欺を理由に取消しをすることができるのか??

相手方Bが、Aが詐欺を受けていたことについて善意無過失の場合、AはBに対抗できません。 =Aは詐欺を理由に取消しをすることができない

一方、 相手方Bが、Aが詐欺を受けていたことについて悪意または有過失の場合、AはBに対抗できます。 =Aは詐欺を理由に取消しをすることができる

>>第三者から詐欺を受けた場合の他の解説

詐欺取消し前の第三者

Aが詐欺を受けて、Bに対して自己所有の土地を売却した。その後、Bは第三者Cに当該土地を売却した。その後、Aは詐欺を理由にAB間の売買契約を詐欺を理由に取り消した。つまり、Cは、詐欺取消し前の第三者です。
この場合、第三者Cが善意無過失であれば、AはCに対抗することができません。
一方、Cが悪意又は有過失であれば、AはCに対抗できます。

AB間の契約は有効に行われており、それをCが適法に購入しているため
物権(所有権)はCまで移転しています。
その後、Aが取消しをするとなると、もし、Aが詐欺を受けていたことを第三者が過失なく知らない(善意無過失)場合、第三者はかわいそうですよね。
なので、第三者Cが詐欺について善意無過失であればCが保護され、Aは取消しを理由にCに対抗できません。しかし、第三者CがAの詐欺について知っていた(悪意)場合もしくは知らなくても過失があった(有過失)場合、Cよりも、Aを保護すべきなので、Aは取消しを理由に、第三者Cに対抗できます

時効完成前に現れた第三者との関係は類似問題で間違えやすいので注意してください!

詐欺取消し後の第三者

AB間の契約は取り消されているため、契約は契約時にさかのぼって(遡及的に)
無効となる。そのため物権はAに戻っているが、BがCに売却しているため、 所有権は
A→B に後、 A←B となり、 B→C
つまり、Bを中心に A と C に所有権が移転していることになります。
これを、二重譲渡の関係といいます。
この場合、先に登記をした方が自分の権利を主張できます
この登記を備えることを「対抗要件を備える」と言います。

これと同じ考え方をするものとして、時効完成後の第三者との対抗問題がありますので、併せて覚えてください。

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詐欺の問題一覧

■問1(改正民法)
AがA所有の甲土地をBに売却した。 AがBの詐欺を理由に甲土地の売却の意思表示を取り消しても、取消しより前にBが甲土地をDに売却し、Dが所有権移転登記を備えた場合には、DがBの詐欺の事実を知っていたか否かにかかわらず、AはDに対して甲土地の所有権を主張することができない。 (2016-問3-2)

 

答え:誤り

第三者Dは詐欺による取消し「前」の第三者です。
この場合、売主は、契約の取消しを善意無過失の第三者に対抗することができません。逆に詐欺取消し前の第三者については、第三者Dが悪意もしくは有過失の場合は、詐欺を受けた本人Aを保護します(AはDに対して甲土地の所有権を主張することができる)
本肢は、詐欺の事実を知っていたか否かにかかわらず、AはDに対して甲土地の所有権を主張することができない。」となっているので誤りです。
詳細な解説は個別指導でお伝えします!


■問2
A所有の甲土地につき、AとBとの間で売買契約が締結された場合において、AがBにだまされたとして詐欺を理由にAB間の売買契約を取り消した後、Bが甲土地をAに返還せずにDに転売してDが所有権移転登記を備えても、AはDから甲土地を取り戻すことができる。 (2011-問1-3)

 

答え:誤り

A←B→D

AB間の契約は取り消されているため、契約は契約時にさかのぼって(遡及的に)無効となります。そのため物権はAに戻っているが、その後、BがDに売却しているため、 所有権は

A→B に後、 B→A となり、 B→D

つまり、Bを中心に A と D に所有権が移転していることになります。

これを、二重譲渡の関係といいます。

この場合、二重譲渡の関係では、先に登記をした方が自分の権利を主張できます。

つまり、本肢では第三者Dが登記を備えているため、Dが優先し、AはDから土地を取り戻すことができません。

これは、単に解けるだけでなくしっかり理解しないといけない問題です。

では何を理解しないといけないのか?

それを「個別指導」で解説します!


■問3
AがBの欺罔行為によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合に関して、Cが当該建物を、詐欺について善意のDに転売して所有権移転登記を済ませても、Aは詐欺による取り消しをして、Dから建物の返還を求めることができる。 (2002-問1-4)

 

答え:誤り

詐欺取消し前に第三者が現れた場合、詐欺を受けた者は、「善意の第三者」に対抗できません。

つまり、第三者Dは、詐欺取消前の善意の第三者なので、Dが保護され、Aは詐欺によるAC間の契約の取消しを主張して、Dから建物の返還を求めることができません。

言い換えれば、Dが建物の所有権を主張できます。

この問題のポイントはこれだけですが、これを覚えるだけでは合格はできません。

しっかり、問題文を理解しているか?きちんと答えを導くための考え方が頭に入っているか?が重要です!

「個別指導」では、この問題をどのように理解し、どのように答えを導くかを解説しています!

また、併せて覚えてくべきことも記載しています!


■問4
不動産売買契約に基づく所有権移転登記がなされた後に、売主が当該契約に係る意思表示を詐欺によるものとして適法に取り消した場合、売主は、その旨の登記をしなければ、当該取消後に当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない。 (2007-問6-1)

 

答え:正しい

結論から言えば、売主は、取り消しによる登記をしなければ、取り消し後の第三者に所有権を対抗できない(主張することはできない)ので本問は正しいです。

つまり、売主が詐欺取消後の第三者に対抗するには、取り消しによる抹消登記を備える必要があり

一方、第三者が売主に対抗するには、先に所有権移転登記を備える必要があります。

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