平成24年(2012年)問39/宅建過去問

宅地建物取引業者A社が、自ら売主として建物の売買契約を締結する際の特約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはどれか。

1.当該建物が新築戸建住宅である場合、宅地建物取引業者でない買主Bの売買を代理する宅地建物取引業者C社との間で当該契約締結を行うに際して、A社が当該住宅の担保責任を負う期間についての特約を定めないこと。

2.当該建物が中古建物である場合、宅地建物取引業者である買主Dとの間で、「中古建物であるため、A社は、担保責任を負わない」旨の特約を定めること。

3.当該建物が中古建物である場合、宅地建物取引業者でない買主Eとの間で、「A社が担保責任の通知期間は、売買契約締結の日にかかわらず引渡しの日から2年間とする」旨の特約を定めること。

4.当該建物が新築戸建住宅である場合、宅地建物取引業者でない買主Fとの間で、「Fは、A社が担保責任を負う期間内であれば、損害賠償の請求をすることはできるが、契約の解除をすることはできない」旨の特約を定めること。


【答え:4】

 >> 8種規制の担保責任の特約規制について


1・・・違反しない

担保責任については、定めても定めなくても構いません。
事実、37条書面で担保責任(契約不適合責任)の内容について、定めた場合のみ記載すればよい事項(任意的記載事項)です。
もし、定めない場合、契約不適合責任を負う期間は民法の規定に従って、「不適合を知ってから5年、または引渡してから10年」となります。


2・・・違反しない

買主が宅建業者なので、8種規制の適用はありません。つまり、本肢のような特約も有効です。


3・・・違反しない

担保責任の通知期間は、宅建業法で、「引渡しの日から2年以上」とする特約は有効としています。
もし、これより不利な特約をした場合は、民法の原則に立ち返り、「契約不適合の事実を知ってから1年以内に通知すればよい」こととなります。


4・・・違反する

民法では目的物に契約不適合があった場合、契約解除ができ、損害が生じた場合は併せて損害賠償請求もできるとしています。そして、本肢のように、民法より買主に不利な特約は無効となり、宅建業法違反にもなります。

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平成24年(2012年)宅建試験過去問集

問1
虚偽表示
問2
代理
問3
民法の条文
問4
表見代理
問5
請負
問6
物権変動
問7
物上代位
問8
債務不履行
問9
使用者責任
問10
相続
問11
借地権
問12
借家権
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
国土利用計画法(事後届出)
問16
都市計画法
問17
開発許可
問18
建築基準法
問19
建築基準法
問20
宅地造成等規制法
問21
土地区画整理法
問22
農地法
問23
譲渡所得
問24
不動産取得税
問25
不動産鑑定評価
問26
免許
問27
免許
問28
広告
問29
媒介契約
問30
重要事項説明
問31
37条書面
問32
35条書面と37条書面
問33
営業保証金
問34
手付金
問35
報酬
問36
宅建士
問37
クーリング・オフ
問38
8種規制
問39
担保責任の特約制限
問40
宅建業法総合
問41
宅建業法総合
問42
案内所
問43
保証協会
問44
監督処分
問45
特定住宅瑕疵担保責任
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物
平成24年の宅建本試験を総括すると、 例年通りのレベルでした。 過去問分析をしっかりできている方は40点近くとれたとでしょう。 内容については、 民法については、一つの問題について、色々な分野から出題する複合的な問題が多かったように思えます。 そのため、曖昧な知識だと得点することができず、しっかり、ポイントを理解していなかった方は厳しかったかもしれません。 法令上の制限、宅建業法、税・その他については、基本的な問題が多かったですね。 個々の問題について、得点すべき問題か間違ってもよい問題かは各解説ページに記載してありますので、ご確認ください!
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