宅建業法の広告規制|誇大広告の禁止・広告開始時期の制限を解説

宅建業法における広告規制は、大きく分けて①誇大広告等の禁止②広告開始時期の制限③取引態様の明示の3つです。宅建試験では毎年のように出題される最頻出テーマの一つなので、それぞれの違いと要件を正確に押さえましょう。

誇大広告等の禁止(宅建業法第32条)

宅建業者が広告をする際、以下の事項について「著しく事実に相違する表示」や「実際のものよりも著しく優良・有利であると誤認させる表示」をしてはなりません。

規制対象となる5つの事項

  • 所在・規模・形質:地番、面積、間取り、地目、構造など
  • 利用の制限・環境:都市計画法等の公法上の制限、周辺施設の状況など
  • 交通その他の利便:最寄駅までの所要時間、路線名など
  • 代金・借賃等の支払方法:価格、頭金、支払回数など
  • 金銭貸借のあっせん:住宅ローンの有無・金利・返済条件など

具体例で理解する誇大広告

  • 床面積60㎡の建物を「70㎡」と表示 → 虚偽広告に該当
  • 道のり4kmの物件を「駅まで1km」と表示(直線距離のみ記載) → 誇大広告に該当
  • 市街化調整区域の物件を「市街化区域」と表示 → 虚偽広告に該当
  • 築10年の建物を「築1年」と表示 → 虚偽広告に該当

判断基準は「一般購入者が知っていれば誘引されないかどうか」です。単に事実との差が大きいだけでは該当しない点に注意しましょう。

おとり広告・虚偽広告も宅建業法違反

おとり広告とは売る意思のない好条件物件の広告、虚偽広告とは存在しない物件の広告です。いずれも問い合わせがなくても違反となります。この点は試験で頻出です。

また、広告媒体は問いません。チラシ、テレビ、ラジオ、インターネット・SNSを含むすべての媒体が規制対象です。

広告開始時期の制限(宅建業法第33条)

未完成物件(造成工事完了前の宅地・建築工事完了前の建物)については、以下の許可・確認等を受けた後でなければ売買・賃貸の広告を出せません。

  • 開発許可(都市計画法)
  • 建築確認(建築基準法)
  • 宅地造成工事の許可(宅地造成等規制法)
  • 農地法の許可(3条・4条・5条)

【試験頻出ひっかけ】国土利用計画法の届出・許可は、ここでいう「処分」に含まれません。選択肢で混ぜて出題されるので要注意です。

なお、許可等を受けた後であれば、工事完了前でも広告は可能です。

取引態様の明示(宅建業法第34条)

宅建業者が広告をするときは、自らの立場が「売主」「代理」「媒介」のいずれであるかを広告に明示しなければなりません。

広告時だけでなく、注文を受けた際にも遅滞なく明示する必要があります。

不動産広告のルール|宅建業法の3つの規制

不動産広告のルールは、主に宅建業法不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)の2つで定められています。宅建試験では宅建業法の規制が中心ですが、実務では表示規約も重要です。

宅建業法による不動産広告の3大ルール

規制 条文 ポイント
誇大広告等の禁止 第32条 5事項について著しい誇張・虚偽の禁止
広告開始時期の制限 第33条 許可・確認前の未完成物件広告の禁止
取引態様の明示 第34条 売主・代理・媒介の別を明示

表示規約による追加ルール

不動産公正取引協議会が定める表示規約では、宅建業法よりも細かいルールがあります。

  • 徒歩時間:80mを1分として算出(端数は切り上げ)
  • 新築表示:建築後1年未満かつ未入居の物件のみ「新築」と表示可能
  • LDK表示:DKは4.5畳以上、LDKは8畳以上が必要
  • 二重価格表示:過去の販売価格との比較は厳格な条件下でのみ認められる

宅建試験では表示規約からの出題は少ないですが、「不動産広告のルール」として宅建業法の3大規制とセットで理解しておくと、応用問題にも対応できます。

不動産広告の基本ルール|実務で押さえるべきポイント

不動産広告の基本ルールは、宅建業法の規制に加えて、実務では不動産公正取引協議会の表示規約広告媒体ごとのガイドラインの遵守も求められます。以下、不動産業者が日常的に注意すべき実務ポイントをまとめます。

実務で多いNG広告の例

  • 駅徒歩時間の誤表示:80m=1分のルールを守らず、実際は15分の物件を「駅徒歩10分」と記載
  • 価格未定での掲載:販売開始前の物件を「価格は相談」として広告(広告開始時期制限に抵触)
  • 完成予想図の誇張:CG・パースと実物の差異が大きく誤認を招く表示
  • おとり広告の掲載:売却済み・成約済み物件を集客目的で掲載し続ける行為
  • 取引態様の不記載:売主・代理・媒介の別を明示せず広告を打つケース

媒体別の注意点(Web・チラシ・ポータルサイト)

  • 自社Webサイト:更新日の明示、成約物件の速やかな取り下げが必須
  • ポータルサイト(SUUMO・LIFULL HOMES等):各サイトの掲載基準+宅建業法の両方を遵守
  • チラシ・折込広告:免許番号・取引態様・所在地の明記が必要
  • SNS広告:文字数制限内でも誇大広告・おとり広告は規制対象

不動産広告は、宅建業法違反が発覚すれば業務停止処分や免許取消処分、悪質な場合は罰金刑の対象になります。実務では「宅建業法の3大規制」+「表示規約」+「媒体ガイドライン」の三層チェックが基本です。

広告規制の試験対策まとめ

  • 誇大広告の禁止 → 対象5事項を暗記し、「著しく」の判断基準を理解する
  • 広告開始時期 → 許可・確認等の「後」でなければ広告不可。国土利用計画法は対象外
  • 取引態様の明示 → 売主・代理・媒介の別を広告と注文時に明示
  • おとり広告・虚偽広告 → 問い合わせがなくても掲載だけで違反
  • 広告媒体 → インターネット含むすべてが対象

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