「免許証の交付」と「免許の効力」の重要ポイントと解説

「免許証の交付」と「免許の効力」のポイント一覧

  1. 宅建業者名簿の一部に変更が生じた場合は、免許権者へ30日以内届出が必要
  2. 免許の有効期間は5年間
  3. 免許の更新をする場合、有効期間の満了日の90日から30日前迄の間免許の更新申請を提出しなければならない
  4. 更新期間中に申請をしたにもかかわらず、有効期間満了日までに処分が出ない場合は、有効期間満了後も処分されるまでは従前の免許の効力を有する

免許証の交付

無事、不動産業者が免許を受けると、免許権者(知事または国土交通大臣)は免許証を交付します。

免許証の記載事項

免許証には下記内容が記載されています(下記は具体例です)。

  • 商号又は名称 株式会社山田不動産
  • 代表者氏名 山田太郎
  • 主たる事務所の所在地 東京都品川区〇〇1丁目1-1
  • 免許証番号 東京都知事(1)第123456号
  • 免許有効期間 2022年1月20日から2027年1月19日まで

【注意点】 「専任の宅建士の氏名」は記載れていません

宅建業者名簿

免許権者が免許を交付すると、免許権者(国土交通大臣又は知事)は宅建業者名簿に以下の8つの事項を登載(記録)します。

これは、免許権者が、「宅建業者の情報を把握するため」のものです。

  1. 免許証番号免許の年月日
  2. 商号・名称
  3. 法人の場合は:その役員および政令で定める使用人の氏名
  4. 個人の場合は:その者および政令で定める使用人の氏名
  5. 事務所の名称・所在地
  6. 事務所ごとに置かれる専任取引士氏名
  7. 指示処分・業務停止処分の年月日・その内容
  8. 宅建業以外に兼業している場合は、その事業の種類(例えば、建設業)

上記1~6の内容に変更が生じた場合は、免許権者へ30日以内届出をしなければなりません。

免許の申請と同様、国土交通大臣免許を受けている宅建業者は、主たる事務所を管轄する都道府県知事を経由して届け出ます。

これを変更届出と言います。

そして、別のページで学ぶ「免許換え」「取引士の登録移転」「取引士の変更登録」などと混同してしましますので、しっかり整理してください。

免許の効力

免許の有効期間は5年間です。

有効期間の満了日の90日から30日前迄の間免許の更新申請を提出しなければなりません。

そして、免許を更新すればまた、5年間有効となります。
なお、更新後の免許の有効期間の起算日更新前の免許の有効期間の満了日の翌日です。

宅建業の免許の有効期間が満了する日の90日前から30日前までに更新の申請をした場合、更新後の免許の有効期間は、満了日から5年間となります。

更新期間中に申請をしたにもかかわらず、有効期間満了日までに処分が出ない場合は、有効期間満了後も処分されるまでは、従前の免許の効力を有します

免許証の書換え交付の申請

宅建業者は、免許証の記載事項に変更を生じたときは、その免許証を添え、変更の届出と併せて、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に免許証の書換え交付申請をしなければりません。

免許証の内容が異なる状況となるから、新しく免許証を交付してもらう必要があるということです。

免許証の再交付の申請

宅建業者は、①免許証を亡失したとき(なくした)、②免許証を滅失したとき(燃えた)、③免許証を汚損したとき(汚れた)、又は④免許証を破損した(破れた)ときは、遅滞なく、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に免許証の再交付申請をしなければなりません(義務)

そして、③免許証を汚損した場合、又は④免許証を破損した場合、宅建業者は、免許証の再交付申請をするとき、「その汚損した免許証又は破損した免許証」を添えて(添付して)、再交付申請をしなければなりません(義務)。

免許証の返納

宅建業者は、下記のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に免許証を返納しなければなりません(義務)。

  1. 免許換えにより、従前の免許の効力を失ったとき。・・・従前の免許を返納
  2. 免許取消処分を受けて免許を取り消されたとき。
  3. 亡失した免許証を発見したとき。・・・発見した免許証を返納

国土交通大臣免許を受けた宅建業者が廃業等の届出をする場合、国土交通大臣に直接免許証を返納しなければなりません。

また、都道府県知事免許を受けた宅建業者が廃業等の届出をする場合、都道府県知事に直接免許証を返納しなければなりません。

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免許証の交付と免許の効力の問題一覧

■問1
個人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、免許の更新の申請を怠り、その有効期間が満了した場合、Aは、遅滞なく、甲県知事に免許証を返納しなければならない。 (2016-問35-1)

 

答え:誤り

免許の有効期間が満了した場合、免許証を返納する義務はありません。
したがって、誤りです。

免許証の返納が必要な場合は下記の場合です。

1.免許換えをした場合
2.免許を取り消された場合
3.亡失した免許証を発見した場合
4.廃業等の届出をした場合


■問2
宅地建物取引業者D(丙県知事免許) は、建設業の許可を受けて新たに建設業を営むこととなった場合、Dは当該許可を受けた日から30日以内に、その旨を丙県知事に届け出なければならない。 (2009-問28-4)

 

答え:誤り

「宅建業以外の事業を行っている場合はその事業の種類(建設業等) 」は宅地建物取引業者名簿の記載事項ですが、

この事項に変更があっても「変更の届出」は不要です。

つまり、宅建業者が建設業を行う(兼業する)場合、 「変更の届出」は不要ということです。


■問3
法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許) は、役員の住所について変更があった場合、その日から30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならない。 (2009-問28-1)

 

答え:誤り

役員に関して言えば、役員の「氏名」に変更があった場合に「変更の届出」が必要です。

一方、役員の「住所」に変更があっても「変更の届出」は不要です。したがって、本問は誤りです。

関連ポイントも一緒に学習できると効率的なので「個別指導」では関連ポイントも併せて解説しています!


■問4
宅地建物取引業者Cが、免許の更新の申請をしたにもかかわらず、従前の免許の有効期間の満了の日までに、その申請について処分がなされないときは、従前の免許は、有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なお効力を有する。 (2009-問26-3)

 

答え:正しい

免許の更新の申請をしたにもかかわらず、従前の免許の有効期間の満了の日までに、その申請について処分がなされなかった場合はどうなるか?

この場合は、その処分がなされるまでの間は、従前の免許の効力が延長されます。

つまり、有効期間満了後も従前の免許は有効です。

これも何を言っているのかを理解する必要がありますし、関連ポイントも一緒に学習しておかないと、別角度から出題されたときに対応できないでしょう。。。


■問5
免許の更新を受けようとする宅地建物取引業者Bは、免許の有効期間満了の日の2週間前までに、免許申請書を提出しなければならない。 (2009-問26-2)

 

答え:誤り

更新の申請は、「有効期間満了の90日前から30日前まで」に行わなければなりません。

したがって、「2週間前まで」という記述が誤りです。

これはどういうことを言っているのかをしっかり理解する必要があるし、関連ポイントも一緒に覚えておく必要があります。

過去問で宅建業法は完璧にしていて、実際の本試験で16点を取れない方は単に過去問が解けるだけの勉強をしていて理解するための勉強ができていない場合が多いです。

注意しましょう!

個別指導」ではそうならないために理解するための解説を用意しています!!


■問6
法人である宅地建物取引業者B(乙県知事免許〉が、乙県知事から業務の停止を命じられた場合、Bは、免許の更新の申請を行っても、その業務の停止の期間中は免許の更新を受けることができない。 (2016-問35-2)

 

答え:誤り

業務停止処分期間中でも、免許の更新は行えます。


■問7
取引士ではないCがA社の非常勤の取締役に就任したとき、A社はその旨を甲県知事に届け出る必要はない。 (2006-問31-2)

 

答え:誤り

取締役とは「役員」のことです。

そして、非常勤であっても取締役は取締役(役員)なので、Cが非常勤の取締役に就任すれば

役員の氏名に変更があるので、A社は免許権者(甲県知事)に変更の届出をしなければなりません。


■問8
宅地建物取引業を営もうとする者が、国土交通大臣又は都道府県知事から免許を受けた場合、その有効期間は、国土交通大臣から免許を受けたときは5年、都道府県知事から免許を受けたときは3年である。 (2011-問26-4)

 

答え:誤り

免許の有効期間は、国土交通大臣免許か都道府県知事免許かを問わず、5年です。

なので、本問の「3年」という記述が誤りです!

これも、これだけ覚えるのは混乱の原因です。

キチンと、関連ポイントも学習することが重要ですね!

数字については特に混乱しやすいので。。。

個別指導」では、何を一緒に学習すべきか?さらには、関連問題も一緒に学習できるようにしています!

宅建業法も理解を深めておかないと本試験で、得点できないので注意しましょう!


■問9
宅地建物取引業者B(甲県知事免許)は、その事務所において、成年者である取引士Cを新たに専任の取引士として置いた。この場合、Bは、30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならない。 (2007-問30-2)

 

答え:正しい

新たな専任の取引士を設置したということは、専任の取引士の氏名に変更が生じるので、宅建業者Bは「新たな専任の取引士を設置(補充)して」から30日以内に免許権者(甲県知事)に対して「変更の届出」が必要です。

この点も関連事項を一緒に学習できると効率的なので「個別指導」では関連事項も一緒に解説しています。


■問10
宅地建物取引業者A社 (甲県知事免許)の専任の取引士がBからCに交代した場合、A社は2週間以内に甲県知事に対して、宅地建物取引業者名簿の変更の届出を行わなければならない。 (2004-問33-3)

 

答え:誤り

「A社の専任の取引士がBからCに変わった」ということは、専任の取引士の氏名に変更があったわけです。

専任の取引士の氏名に変更があったということは宅建業者名簿の記載事項に変更があるということです。

したがって、宅建業者A社は変更があった日から30日以内に甲県知事(免許権者)に変更の届出が必要ですね。

「2週間以内」という数字が誤りです!

では、このCがもともと別の会社に勤めていて、転職でA社に勤務するようになった場合、Cはどのような申請が必要でしょうか?

これも類題なので解けるようにしておきましょう!

この類題については「個別指導」で解説していますが、1つの問題から具体的な事例を学べるかどうかが理解学習のカギを握っています。単に抽象的な言葉で作られた解説を頭に入れようと思っても、使えない知識が増えるだけで、本試験の問題には対応できません。

また、それまでに忘れてしまいます。

使える知識にするためにも具体例をドンドン頭に入れていく勉強をしていきましょう!

そうすれば、理解が進み実力も上がります!

もちろん独学でも可能です。私自身が受験生だったころ「調べて、調べて、調べて」の繰り返しで理解を深めました!

ただ、時間も労力もかかります。

時間も労力もかけたくないなっという方には「個別指導」がおススメです。

調べなくても必要事項が解説に記載してあるからです。

何がともあれ、どのような手段でも理解をしていけば実力はつくので、理解しながら学習を進めるようにしましょう!

令和7年、宅建試験対策の個別指導が開講しました。

■問11
宅地建物取引業者B社 (乙県知事免許) の政令で定める使用人Cが本籍地を変更した場合、B社は、 その旨を乙県知事に届け出る必要がない。 (2004-問32-2)

 

答え:正しい

「役員や政令で定める使用人の氏名」は宅建業者名簿の記載事項です。

したがって、役員や政令で定める使用人の氏名に変更があった場合は、宅建業者は届出が必要です。

しかし、住所や本籍地については記載事項ではないので、変更があっても届出不要です。

この辺りは基本的な部分ですね!


■問12
宅地建物取引業の免許の有効期間は5年であり、免許の更新の申請は、有効期間満了の日の90日前から30日前までに行わなければならない。 (2004-問32-3)

 

答え:正しい

宅建業の免許の有効期間は5年です。そして、免許の更新を受けようとする者は有効期間満了の日の90日前から30日前までに免許申請書を提出しなければなりません。

ポイントだけ言えばこれで終わりなのですが、この問題から非常にたくさんのことを学べます!

・免許の有効期間と対比で覚えること
・更新に関する手続きと、その結果によっては2つのパターンに分かれてくるという内容
・そもそも「有効期間満了の日の90日前から30日前まで」とは具体的にどの期間か?

一つのことから関連事項をつなげて学習していかないと、頭を整理することができません。

上記の解説だけ頭に入れていくような勉強をしているようでは、一つの箱の中に、文房具もキッチン用品もトイレ用品もまとめて入れているのと同じです。これでは、箱の中がごっちゃごちゃで、何が何だか分からないですよね?

これが整理できていない頭の中です。

キチンと整理するために、関連するものはまとめて頭の中に入れる習慣を付けていきましょう!

個別指導」では、上記関連ポイントもこの問題の解説に記載しています。


■問13
宅地建物取引業社D社 (丙県知事免許) の監査役の氏名について変更があった場合、D社は、30日以内にその旨を丙県知事に届け出なければならない。 (2004-問32-4)

 

答え:正しい

監査役は「役員」として扱います。

したがって、監査役の氏名に変更があった場合、役員の氏名に変更があった場合と同じ意味なので、宅建業者は、 30日以内に免許権者(丙県知事)に対して、宅地建物取引業者名簿の変更の届出をしなければなりません。

これも基本的な部分ですね!


■問14
甲県に本店、乙県にa支店を置き国士交通大臣の免許を受けている宅地建物取引業者A(個人)がa支店の専任の取引士Bが不在になり、新たに専任の取引士Cを置く場合、Aは、Cを置いた日から2週間以内に専任の取引士の変更の届出を行う必要がある。 (2003-問32-2)

 

答え:誤り

「事務所ごとに置かれる専任の取引士の氏名」に変更があった場合、変更があった日から「30日以内」に変更の届出が必要です。本問は2週間以内という記述が誤りです。

何とヒッカケているかもキチンと理解して対比しながら学習を進めていきましょう!


■問15
甲県に本店、乙県にa支店を置き国士交通大臣の免許を受けている宅地建物取引業者A(個人)が本店のみで宅地建物取引業を行う場合、Aは、a支店が所在する乙県知事を経由して国土交通大臣にa支店の廃止の届出を行う必要がある。 (2003-問32-1)

 

答え:誤り

国土交通大臣免許を受けていたAが甲県のみに事務所を構えるため、Aは甲県知事免許へ直接免許換えの申請する必要があります。

ちなみに、廃業の届出は必要ではないの?

この点については、「個別指導」で解説しています。

このように類題を一緒に勉強できると、頭を整理できますよね!

キチンと理解しながら勉強を進めていきましょう!


■問16
Aは、専任の取引士として従事していた宅地建物取引業者B社を退職し、宅地建物取引業者C社に専任の取引士として従事することとなり、B社は宅地建物取引業者名簿登載事項の変更の届出をAの退職から半年後に、C社はAの就任から10日後に当該届出を行った場合、違反となる。 (2002-問31-1)

 

答え:正しい

専任の取引士の氏名に変更があった場合、宅建業者は「30日以内」に変更の届出が必要です。

始め、取引士AはB社の専任の取引士だった。その後、退職し、取引士AはC社の専任の取引士になったわけなので、

B社についてみると、取引士Aが退職することで、専任の取引士の氏名に変更が生じます。

したがって、B社はAの退職後30日以内に「変更の届出」が必要です。

この点が本問は誤りです。半年後に変更の届出を行っていては遅いです。

また、C社についてみると、取引士Aが専任の取引士に就任することで、専任の取引士の氏名に変更が生じます。

したがって、C社はAの就任後30日以内に「変更の届出」が必要です。

本問は、10日後に行っているので正しい記述です。

この問題はしっかり解き方を身につけることが重要です。

単に知識を頭に入れるだけでなく、その知識を使ってどうやって解答を導くかが重要です。

多くの受験者は、単に知識を頭に入れるだけで「知識の使い方」まで学習していません。

したがって、少しひねった問題になると解けないのです。

知識の使い方については、一問一問「理解学習」をしていく必要があります。

個別指導」では本問の答えの導き方だけでなく、この問題から別の問題をも作って、知識の使い方を学習できるようにしています。

単に過去問を解けるようにする勉強ではなく、合格できるような勉強をしましょう!

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