「宅建の勉強をしたことがない方」や「法律の知識がない方」は、宅建の参考書から勉強を始める方が多いです。
そんな時に、必ず直面する問題は、「昨日勉強したことを全然覚えていない」という問題です。
昨日勉強したことを覚えていないのに、先に進んでいいのか?
それとも、
記憶に残るまで復習した方がよいのか?
このように悩む方もいるでしょう。
このようなときは、「前に進む」が正解です。
覚えられていなくても前に進めること
宅建のテキストは市販の教材でも500ページ~700ページあります。
「昨日勉強したことを覚えていないから復習しよう!」と思って、再度読み返しをしていたら、全然前に進みません。
これが続けば、試験日までに間に合わなくなります。
宅建の勉強では、テキストや参考書を読む時間よりも、問題を解く時間を多くした方が実力は付きます。ここから考えても、テキストや参考書を何度も読むことに時間をかけていては、時間が足りなくなるのは当然です。
だから、過去に勉強してきたことを忘れても、前に進めることが重要です。
実際、忘れてるといっても、100%忘れているわけではありません。
頭の片隅に、少しは残っています。
そのため、1週間後や1か月後に復習した時に、「そういえば、これ勉強したな」と思うはずです。
こう思うことで復習の際に、徐々に記憶に定着していきます。
勉強した1時間後には、66%も忘れている
心理学者のエビングハウス(忘却曲線)によると、勉強してから1時間後には66%、1日後には、76%、1か月後には79%の事柄を忘れているとしています。
つまり、誰でも勉強してから1日経過したら多くのことを忘れるということです。
これは仕方ない事実なので、受け止めるしかありません。
こういった前提を踏まえて復習を行うことが重要ということです。
前日の復習は重要
上記で解説した通り、覚えられていなくても前に進むことは重要です。
ただし、できれば、前日の復習は行った方がよいです。
この前日の復習の仕方については、前日に勉強したことと同じような「前日読んだ参考書の部分をすべて読む」とか「前日に解いた問題を全て解く」というやり方はしません。
ポイントやキーワードに絞って覚えなおしをするように復習します。
例えば、前日に、「権利関係の第三者詐欺」の勉強をしていたとします。
この中の下記ポイント部分だけを再復習します。
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売主Aが第三者Cから詐欺を受けて、買主Bに土地を売却した。
この場合、第三者Cが「悪意または有過失」であれば、Aは取消しできる(ポイント1)
逆に、第三者Cが「善意無過失」であれば、Aは取消しできない(ポイント2)
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できるだけ、具体例があれば、具体例を簡潔にまとめて、さらにポイントを復習するやり方がよいでしょう。
問題を解くことの重要性
宅建は、法律用語が多いため、日本語であっても文章を理解するのに苦労します。
単に宅建のテキストや参考書を読むだけでは、法律用語に慣れることができません。
なぜなら、宅建のテキストや参考書は、法律用語をかみ砕いて分かりやすく書いてある場合が多いからです。
一方、過去問は、法律用語がそのまま出てきます。
そのため、テキストや参考書で勉強した後は、必ず過去問で勉強してきた部分の問題を解きましょう。
そうすることで、勉強してきた内容の理解が深まります。
理解が深まれば、頭にも定着しやすくなるので忘れにくくなります。
ただし、市販の教材では、宅建合格するために必要な理解すべき部分までは記載されていないので、このあたりは、専門書等を使って、あなた自身で調べながら勉強をしていきましょう。
一通り、全分野終わらせること
宅建試験は、それなりに難しいので、1回や2回復習しただけでは、絶対に頭に残りません。
だからといって、同じ部分を短期間で何度も勉強するのは非効率です。
そのため、とりあえず、2か月位の期間で一通り全分野終わらせることをおススメします。
全分野を終わらせて、再度、始めから勉強を行うと、「これまで勉強してきた事項」がつながってきます。
イメージとしては、「点」と「点」がつながっていくイメージです。
例えば、「権利関係の契約不適合責任」と「宅建業法の担保責任の特約制限」のつながりです。
この辺りは非常にややこしいですが、理解と整理できれば、得点源になります。
本試験までには「理解と整理」をしておきましょう!
ここまで来るには、2周、3周と繰り返す必要がありますが、つながりが見えてくると、一気に実力が上がってきます。言い換えると、頭に定着してくるので、ここまでは、諦めずに前に進めながら勉強を続けましょう。