建蔽率・容積率とは?計算方法や規制内容を分かりやすく解説【宅建試験対策】

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令和7年度の宅建試験対策の個別指導

建蔽率(けんぺいりつ)とは何か?

建蔽率(けんぺいりつ)とは、敷地面積に対する建築面積の割合を示す指標であり、建築基準法により制限されています(建築基準法第53条第1項)。

建蔽率の計算式

建蔽率(%)=(建築面積 ÷ 敷地面積)×100

<具体例>

例えば、敷地面積が1,000㎡で、建築面積が500㎡の場合、

建蔽率 =(500㎡ ÷ 1,000㎡)× 100 = 50%

この場合、建蔽率は50%となります。

 建蔽率が制限される理由

建蔽率の制限には以下のような目的があります。

日照や通風の確保

建物を敷地いっぱいに建てると、風通しや日当たりが悪くなります。適度な空間を確保することで、良好な住環境を維持できます。

防災対策

密集した建物があると、火事が発生した際に延焼しやすくなります。建蔽率を制限し、敷地内に余裕を持たせることで、火災の被害を抑えることができます。

<具体例>例えば、すべての建物が敷地の100%を占める形で建てられている街を想像してください。建物の間には空間がほとんどなく、日当たりも悪く、風も通りにくくなります。さらに、火事が起きた場合、隣の建物にすぐに燃え移ってしまう危険性が高まります。

一方、建蔽率が50%に制限されている場合、各建物の周囲には適度な空間ができ、これにより風通しが良くなり、日当たりも確保できます。さらに、火災時の延焼リスクも低減されるのです。

建蔽率の規制内容

建蔽率の制限は、用途地域ごとに異なります。

用途地域による違い

都市にはさまざまな用途地域があり、それぞれに適した建蔽率が定められています。

住宅地(第一種低層住居専用地域など): 30%〜60%

住宅地では広い空間を確保し、住環境を快適にするため、建蔽率が低く設定されています。

商業地: 80%

商業地域では、土地を有効活用し店舗を多く建てることが求められるため、比較的高い建蔽率が認められています。

角地や防火地域での特例(建蔽率の緩和)

一定の条件を満たす場合、建蔽率の制限が緩和されることがあります。

  1. 角地(特定行政庁が指定する場合):通常の建蔽率に10%を加算できる。
  2. 準防火地域における耐火建築物等又は準耐火建築物等の場合 :通常の建蔽率に10%を加算できる。
  3. 防火地域における耐火建築物等:通常の建蔽率に10%を加算できる。
  4. 1と2の両方を満たす場合、または1と3の両方を満たす:通常の建蔽率に20%を加算できる。

建蔽率が80%(例えば、商業地域内)でかつ、防火地域における耐火建築物等の場合、制限はなくなります(建蔽率100%となる)。

敷地が異なる建蔽率の地域にまたがる場合

敷地が異なる建蔽率の地域にまたがる場合、それぞれの地域の建蔽率を加重平均して求めます(建築基準法第53条第2項)。

<計算方法>

(1) 各地域の敷地面積に建蔽率を掛ける。
(2) それぞれの建築面積の合計を求める。
(3) 合計建築面積を敷地全体の面積で割る。

<具体例>敷地面積:1,000㎡(500㎡が建蔽率60%、500㎡が建蔽率40%)

(500㎡ × 60% + 500㎡ × 40%) ÷ 1,000㎡ = (300㎡ + 200㎡) ÷ 1,000㎡ = 50%

この場合、敷地全体の建蔽率は50%となります。

建蔽率のまとめ

  1. 建蔽率とは、敷地面積に対する建築面積の割合。
  2. 目的:日照・通風の確保、火災時の延焼防止。
  3. 用途地域ごとの制限:住宅地は低め、商業地は高め。
  4. 特例の適用:角地や防火地域では緩和される場合がある。
  5. 異なる地域にまたがる場合:加重平均で算出。

建蔽率の規制は、都市の住環境や安全性を確保するために重要な役割を果たしています。試験対策としては、計算問題に慣れておくことがポイントになります。

 

容積率とは何か?

容積率(ようせきりつ)とは、敷地面積に対する建築物の延べ面積の割合を示す指標であり、建築基準法により制限されています(建築基準法第52条第1項)。

容積率の計算式

容積率(%)=(延べ面積 ÷ 敷地面積)×100

<具体例>

例えば、敷地面積が100㎡で、各階の床面積が以下のような5階建ての建物があるとします。

1階:60㎡

2階:60㎡

3階:60㎡

4階:40㎡

5階:40㎡

この場合、延べ面積の合計は260㎡となります。

容積率 =(260㎡ ÷ 100㎡)× 100 = 260%

この建物の容積率は260%となります。

容積率が制限される理由

建物の規模が無制限に拡大されると、周辺環境に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、容積率の制限は以下の理由から必要とされています。

住環境の維持

住宅街に過剰に大きな建物が建ち並ぶと、静かな生活環境が損なわれる可能性があります。適切な容積率の規制により、快適な居住環境を維持します。

公共施設の整備の適正化

過剰な建物の密集は、上下水道や電気などのインフラの需要を増加させ、計画的な整備が難しくなります。容積率の制限により、公共施設の適正な整備を図ります。

交通の円滑化

狭い道路に多くの建物が建つと、交通渋滞の原因となります。容積率を制限することで、交通の円滑化を図ります。

容積率の規制の内容

用途地域ごとの制限

都市計画では、用途地域ごとに適した容積率が設定されます(建築基準法第52条第1項)。

第一種低層住居専用地域:50%~100%

商業地域:300%~1,300%

このように、住環境を重視する地域では容積率が低く、商業地域などでは容積率が高く設定されることが特徴です。

前面道路の幅員による制限

前面道路の幅が12m未満の場合、建築物の容積率は次のように制限されます(建築基準法第52条第2項)。

住居系用途地域:前面道路の幅員 × 0.4

その他の用途地域:前面道路の幅員 × 0.6

例えば、住居系用途地域にある敷地の前面道路が10mの場合、

容積率 = 10m × 0.4 = 40%

この数値と都市計画で定められた容積率を比較し、より厳しいほうが適用されます。

容積率の緩和の特例

容積率には、いくつかの緩和措置があります。

(1) 共同住宅・老人ホームの共用部分

共同住宅や老人ホームの共用の廊下や階段部分は、延べ面積に算入されません(建築基準法第52条第6項)。

(2) エレベーターの昇降路

エレベーターの昇降路(シャフト)の部分も、容積率の計算対象から除外されます(建築基準法第52条第6項、施行令第135条の16)。

(3) 地下の居室

地階の住居部分については、建築物の住居部分の延べ面積の3分の1までは容積率に算入しません(建築基準法第52条第3項)。

<具体例>

地下1階に60㎡の住居がある場合、

60㎡ ÷ 3 = 20㎡

この20㎡分は容積率の計算から除外されます。

容積率制限の異なる地域にわたる場合

敷地が複数の異なる容積率制限の地域にまたがる場合、加重平均で容積率の制限を決定します(建築基準法第52条第7項)。

<計算方法>

(各地域の容積率 × その地域の敷地面積)を合計 ÷ 敷地全体の面積

<具体例>

敷地面積1,000㎡(500㎡が容積率200%、500㎡が容積率400%)

(500㎡ × 200% + 500㎡ × 400%) ÷ 1,000㎡
= (1,000㎡ + 2,000㎡) ÷ 1,000㎡
= 300%

この敷地の容積率は300%となります。

容積率のまとめ

  1. 容積率とは、敷地面積に対する建築物の延べ面積の割合。
  2. 目的:住環境の維持、インフラの適正管理、交通の円滑化。
  3. 用途地域ごとの規制:住宅地では低め、商業地域では高め。
  4. 前面道路の影響:幅員12m未満では制限あり。
  5. 緩和の特例:共用部分や地下室、エレベーターなどは容積率に算入しない。
  6. 異なる地域にまたがる場合:加重平均で容積率を計算。

容積率の規制は、都市の適正な発展と住みやすさを確保するために重要です。宅建試験でもよく問われる分野なので、計算問題にも慣れておくことが大切です。

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