防火地域と準防火地域とは?建築制限や耐火基準をわかりやすく解説

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令和7年度の宅建試験対策の個別指導

防火地域・準防火地域の概要

市街地では、多くの建物が密集しており、火災が発生した際に被害が広がるリスクが高いです。そのため、都市計画区域内では火災から住民の生命や財産を守るために、防火地域や準防火地域が指定されています(都市計画法8条1項5号、9条21項)。

防火地域とは

防火地域は、特に火災リスクが高い地域に指定され、主に以下のような場所が該当します。

  • 幹線道路沿いの建物が密集した商業エリア
  • 都市部の中心部に位置する繁華街
  • 事務所や店舗併用住宅が多く立ち並ぶ地域

この地域では、火災の延焼を防ぐため、建物に対して厳しい建築制限が設けられています。

準防火地域とは

準防火地域は、防火地域ほど火災リスクは高くないものの、火災の被害を抑えるために対策が必要な地域です。主に住宅地を中心としたエリアに指定されており、防火地域に比べて規制はやや緩やかですが、一定の耐火性能を持つ建築物を建てる必要があります。

防火地域・準防火地域の建築制限

防火地域や準防火地域では、火に強い建物を建てることが求められます。特に、防火地域では厳しい規制が設けられており、準防火地域でも一定の制限が適用されます。

防火地域内の建築制限

防火地域内の建築制限は、建物の規模によって異なります。

(a) 耐火建築物等としなければならない建築物

3階以上(地階を含む)または延べ面積が100㎡を超える建築物は、「耐火建築物またはそれと同等以上の耐火性能を有する建築物(延焼防止建築物)」にする必要があります(建築基準法61条1項、施行令136条の2第1号)。

2階以下で延べ面積100㎡以下の建築物は、耐火建築物、延焼防止建築物、準耐火建築物または準延焼防止建築物としなければなりません。

(b) 例外的に耐火建築物としなくてもよい建築物

高さ2m以下の門や塀は、耐火建築物にする必要はありません(建築基準法61条1項但書)。

高さ2mを超える門や塀でも、延焼防止上問題がなければ耐火建築物とする必要はありません(施行令136条の2第5号)。

(c) 看板・広告塔などの規制

防火地域内で建築物の屋上に設置する看板や広告塔、または高さ3mを超えるものは、不燃材料で作る必要があります(建築基準法64条)。

準防火地域内の建築制限

準防火地域では、防火地域ほど厳しくはありませんが、一定の耐火性能が求められます。

(a) 耐火建築物等としなければならない建築物

4階以上または延べ面積1,500㎡超の建築物は、耐火建築物または延焼防止建築物としなければなりません(建築基準法61条1項、施行令136条の2第1号)。

3階で延べ面積1,500㎡以下、または2階以下で延べ面積500㎡超1,500㎡以下の建築物は、耐火建築物、延焼防止建築物、準耐火建築物または準延焼防止建築物としなければなりません(施行令136条の2第2号)。

(b) 木造建築物等の制限

2階以下で延べ面積500㎡以下の木造建築物は、外壁や軒裏の防火構造が必要です(施行令136条の2第3号)。

非木造建築物の場合は、開口部に防火設備を設ける必要があります(施行令136条の2第4号)。

防火地域・準防火地域共通の規制

(a) 外壁の開口部の防火設備

防火地域・準防火地域内では、延焼の恐れがある部分に防火戸などの防火設備を設置する必要があります(建築基準法61条1項)。

(b) 隣地境界線に接する外壁

防火地域・準防火地域内の建物で耐火構造の外壁を持つ場合は、隣地境界線に接して建築可能です(建築基準法63条)。

(c) 屋根の規制

火災による飛び火を防ぐため、建築物の屋根は一定の耐火性能を満たす必要があります(建築基準法62条)。

防火地域・準防火地域が混在する場合の建築制限

(a) 防火地域・準防火地域とそれ以外の区域にまたがる場合

建物が異なる地域にまたがる場合、原則として最も厳しい地域の規制が適用されます(建築基準法65条1項)。

ただし、防火壁で区画されている場合は、それぞれの地域の規制が適用されます(65条1項但書)。

(b) 防火地域と準防火地域にまたがる場合

原則として防火地域の規制が適用されます(建築基準法65条2項)。

ただし、防火壁で区画されている場合は、それぞれの地域の規制が適用されます(65条2項但書)。

まとめ

防火地域・準防火地域は、都市の火災リスクを低減するために設けられた重要な地域です。防火地域では耐火建築物の義務付けが厳しく、準防火地域では規模に応じた耐火対策が求められます。建物の立地や構造に応じた適切な対策を理解することが重要です。

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