都市計画事業(市街地開発事業・都市計画施設)の重要ポイントと解説

都市計画事業(市街地開発事業・都市計画施設)のポイント一覧

  1. 市街地開発事業等予定区域・都市計画施設の区域・市街地開発事業の施行区域「土地の形質変更」「建築物の建築その他工作物の建設」をする場合、原則都道府県知事の許可が必要
  2. 事業地では、非常災害のため必要な応急措置も、例外ではなく、許可が必要

都市計画事業(市街地開発事業・都市計画施設)とは?

都市計画事業には「都市計画施設の整備に関する事業」と「市街地開発事業」の2つあります。

都市計画施設とは、都市計画に定められた都市施設で、都市計画区域外でも定めることができます。

市街地開発事業とは、市街化区域、または非線引都市計画区域内において、一体的に開発、または整備を図るための都市計画事業の一つです。

ここでまず、大まかな流れを覚えてください。
これから都市計画を行っていこうと区域について、

市街地開発事業等予定区域を指定

②都市計画の決定都市計画施設の区域市街地開発事業の施行区域

③都市計画事業の認可・承認・公示事業地

④工事開始

この流れを把握していないと、宅建試験で悩んでしまいます。

市街地開発事業に関する都市計画は誰が定めるか?

市街地開発事業に関する都市計画は、原則として都道府県が定め、政令で定める小規模なものに関する都市計画は市町村が定めます。

市街地開発事業等予定区域

近年中に着工することが決まると、市街地開発事業等予定区域と呼ばれるようになります。
そして、この市街化開発事業等予定区域については、施行予定者を定めなければなりません。

▼基本事項を押さえたい方は、無料講座をご活用ください!

毎日3問、無料で過去問の解説をお送りします!

毎日コツコツ勉強することが、宅建試験の合格の秘訣です!

無料なので、ぜひ、ご活用ください!

都市計画事業の制限のまとめ

下表は、都市計画事業の段階によって建築制限が異なるので、それをまとめたのが下表です。
○は知事等の許可が必要で、×は許可不要です。

表の下では、表の内容を細かく解説しています。表に記載ないものもありますが、表は簡易的なものと考えてください!

建築物の建築 工作物の建設 土地の形質の変更 非常災害のため必要な応急措置 5t超の物件の設置・堆積
市街地開発事業等予定区域 × ×
②施行予定者が定められていない
都市計画施設の区域・市街地開発事業の施行区域
× × × ×
②施行予定者が定められている
都市計画施設の区域・市街地開発事業の施行区域
× ×
事業地

①市街地開発事業等予定区域内の建築許可制

「土地の形質変更」「建築物の建築その他工作物の建設」をする場合、原則都道府県知事の許可を受けなければなりません。
ただし、

  1. 非常災害の為の応急な措置
  2. 軽微な行為
  3. 都市計画事業の施行として行う行為

などは許可不要

②市街地開発事業、都市計画施設の建築許可制

まず、この段階は計画段階で、着工するか、計画倒れになるかも分からない段階です。
この段階では、市街地開発事業の施行区域内都市計画施設の区域と呼びます。

細かく言うと、「施行予定者が定まっている場合」と「定まっていない場合」では、制限が異なります。

■施行予定者が定まっている場合

市街地開発事業等予定区域と同じ制限となので、
原則建築物を建築等しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません。
ただし、例外として

  1. 非常災害の為の応急な措置
  2. 軽微な行為
  3. 都市計画事業の施行として行う行為

などは許可不要

■施行予定者が定まっていない場合

原則、建築物の建築をする場合、知事の許可が必要です。
例外として

  1. 政令で定める軽易な行為
  2. 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
  3. 都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為

許可基準として、申請にかかる建築物が「都市計画に適合した建築物」で「階数が2階(地階を有さない)の木造等の建築物で、容易に移転し、または除去できるもの」であるときは、都道府県知事許可しなければならない。
許可が不要というわけではないので、申請はしなければいけません!

③都市計画事業がはじまってからの制限

計画倒れになることがなく、無事、都市計画事業始まると、さらに建築制限が厳しくなります。
都市計画事業が始まるとは、都市計画事業の認可または承認の公示があった後を指します。
この段階では、工事を行う区域が「事業地」という呼び名に変わります。
この事業地では、予定区域で都道府県知事の許可が必要であった、「土地の形質変更」「建築物の建築その他工作物の建設」に加えて、「5トンを超える物件の設置または堆積も都道府県知事の許可が必要となります。
そして、予定区域内では許可不要であった、「非常災害の為の応急な措置」許可が必要となります!

たった10分で分かる理解学習|無料プレゼント!ご請求はこちら
令和6年度 個別指導開講

都市計画事業(市街地開発事業・都市計画施設)の問題一覧

■問1
市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画には、施行予定者をも定めなければならない。 (2016-問16-1)

答え:正しい

市街地開発事業等予定区域に係る「市街地開発事業又は都市施設」に関する都市計画には、施行予定者をも定めなければなりません。 したがって、本肢は正しいのですが、少しここは整理した方がよいので個別指導でお伝えします!


■問2
準都市計画区域においても、用途地域が定められている土地の区域については、市街地開発事業を定めることができる。 (2014-問15-3)

答え:誤り

市街地開発事業は都市計画区域内の「市街化区域」や「非線引き都市計画区域」で定めることができます! つまり、準都市計画区域内では定めることができません。 これもイメージできれば覚えなくても答えは導けます! 「個別指導」では、その点もイメージできるように解説しています! 法令制限はイメージできる部分をドンドンイメージしていけば、解けるようになります! そのために、「個別指導」をご利用ください! 目標は8点満点中6点ですね!


■問3
市街地開発事業等予定区域に関する都市計画において定められた区域内において、非常災害のため必要な応急措置として行う建築物の建築であれば、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受ける必要はない。 (2012-問16-1)

答え:正しい

市街地開発事業等予定区域とは、「本来の都市計画」が決定されるまでの暫定的な区域といいます。 つまり、 市街地開発事業等予定区域は都市計画事業の認可の公示がされる前です。 都市計画事業の認可の公示がなされる前は非常災害のため必要な応急措置として行う建築物の建築に都道府県知事の許可はいりません。 ただ、ポイントを覚えるだけの学習では、なかなか本試験で点数は取れません。 キチンと全体像を理解して勉強を進める必要があります。 そのため、「個別指導」では都市計画事業の全体像も理解していだくための解説を用意しています! 次の試験で合格する為に絶対確認しておきましょう!


■問4
都市計画事業の認可の告示があった後においては、当該事業地内において、当該都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更又は 建築物の建築その他工作物の建設を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。 (2013-問15-3)

答え:正しい

都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る「事業地内」において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある下記行為を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません。

①土地の形質の変更
②建築物の建築その他工作物の建設
③移動の容易でない物件の設置・堆積

ここで注意すべき点は、例外がないんです。 つまり、「通常の管理行為や軽微な行為」などの行為でも許可が必要になるんです。 本問は全体像を理解した上で、理由もしっかり理解しておく必要があるので、「個別指導」ではその点も一緒に解説しています! できるだけ分かりやすく解説しているので、イメージできるでしょう!


■問5
都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者であっても、当該建築行為が都市計画事業の施行として行う行為である場合には都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可は不要である。 (2013-問15-1)

答え:正しい

都市計画施設の区域」又は市街地開発事業の「施行区域内」において建築物の建築をしようとする者は、原則として、都道府県知事の許可を受けなければなりません。 しかし例外として、下記行為は許可不要です。

①通常の管理行為・軽易な行為
②非常災害のため必要な応急措置として行う行為
③都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為

そして、本問は、単に覚えるだけではなく、市街地開発事業について体系的に理解した上で、ポイントを押さえないと本試験で得点できません。 したがって、「個別指導」では、理解するための解説を細かく解説します!


■問6
都市計画事業においては、土地収用法における事業の認定の告示をもって、都市計画事業の認可又は承認の告示とみなしている。 (2009-問16-4)

答え:誤り

本問は「土地収用法における事業の認定の告示」と「都市計画事業の認可又は承認の告示」が逆になっています。 正しくは、都市計画事業の認可または承認の告示をもって土地収用法の規定による事業の認定の告示とみなします。 これは覚えるのではなく理解しましょう! 理解の仕方は「個別指導」で解説しています!


■問7
市街地開発事業の施行地区内においては、非常災害のために必要な応急措置として行う建築物の建築であっても、都道府県知事等の許可を受けなければならない。 (2009-問16-1)

答え:誤り

市街地開発事業の施行区域内においては、非常災害のため必要な応急措置として行う行為は例外として、許可不要です。したがって、本問は誤りです。 そして、本問は、単に覚えるだけではなく、市街地開発事業について体系的に理解した上で、ポイントを押さえないと本試験で得点できません。 したがって、「個別指導」では、理解するための解説を細かく解説します!


■問8
都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内の土地建物等を有償で譲り渡した者は、当該譲渡の後速やかに、譲渡価格、譲渡の相手方その他の事項を当該事業の施行者に届け出なければならない。 (2008-問18-3)

答え:誤り

都市計画事業の認可の公告の日の翌日から起算して「10日を経過した後」に事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、あらかじめ、施行者に届け出なければなりません。したがって、本問は誤りです。 この点はあまり知らないルールだと思いますし、対比して学習する部分でもあるので「個別指導」では細かく解説しています!


■問9
都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内において当該事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更、建築物の建築、工作物の建設を行おうとする者は、当該事業の施行者の同意を得て、当該行為をすることができる。 (2008-問18-2)

答え:誤り

都市計画事業の認可の告示後は、その事業地内で、当該事業の施行の障害となるおそれがある行為(土地の形質変更等)を行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければなりません。 そして、非常災害の応急措置として行う行為も例外ではなく、許可が必要です。 本問は「施行者の同意を得て」が間違いです。正しくは「知事の許可を得て」です。 本問は全体像を理解した上で、理由もしっかり理解しておく必要があるので、「個別指導」ではその点も一緒に解説しています! できるだけ分かりやすく解説しているので、イメージできるでしょう!


■問10
都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、行為の種類、場所及び設計又は施行方法を都道府県知事等に届け出なければならない。 (2008-問18-1)

答え:誤り

「都市計画施設の区域」又は「市街地開発事業の施行区域」内において建築物の建築をしようとする者は、あらかじめ都道府県知事等の許可を得なければなりません。 本問は「届出」となっているので誤りです。 この問題を理解するには、本問に関する全体像を理解しておかないとなかなか類題を解くことができません! 「個別指導」では全体像を図にして解説した上で、ポイントを押さえながら解説しています! しっかり得点できるように理解していきましょう!

宅建試験に失敗した2つの原因。失敗談はこちら
令和6年度 個別指導開講

■問11
都市計画事業については、土地収用法の規定による事業の認定及び当該認定の告示をもって、都市計画法の規定による事業の認可又は承認及び当該認可又は承認の告示とみなすことができる。 (2006-問18-3)

答え:誤り

都市計画事業の認可または承認の告示をもって土地収用法の規定による事業の認定の告示とみなします。 本問は、「土地収用法の規定による事業の認定等の告示」と「都市計画法の規定による事業の認可等の告示」が逆になっているので誤りです。 これは、イメージできるとスンナリ頭に入ると思います! なので、「個別指導」ではイメージしやすいように全体像を示しながら細かく解説していきます。


■問12
土地区画整理事業等の市街地開発事業だけでなく、道路、公園等の都市計画施設の整備に関する事業についても、都市計画事業として施行することができる。 (2004-問17-3)

答え:正しい

都市計画事業は大きく分けて「都市計画施設の整備に関する事業」と「市街地開発事業」に分けることができます。 都市計画施設の整備に関する事業とは、道路、公園、下水道などの整備に関する事業で、市街地開発事業とは土地区画整理事業などを指します。したがって、本問は正しいです。


■問13
都市計画事業の認可等の告示があった場合においては、事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある建築物の建築等を行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない。 (2004-問17-2)

答え:正しい

都市計画事業の認可等の告示があった場合においては、事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある建築物の建築等を行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければなりません。 たとえ、非常災害のための応急措置だったとしても、知事の許可が必要です。 この問題は理解が必要です! では、何を理解するのか?都市計画事業の流れともう一つは・・・ この点を理解できていないと、類題を見るたびに混乱して確実に答えを導けません。 この「都市計画事業の建築制限」の問題を理解して実力を付けたいかはこちら>>


■問14
都市計画法によれば、都市計画事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行う者は、原則として都道府県知事等の許可を受けなければならない。 (2002-問24-3)

答え:正しい

都市計画事業の認可の告示後、事業地において 「事業の施行の障害となるおそれがある行為」は知事の許可が必要です。 そして、非常災害の応急措置として行う行為も例外ではなく、許可が必要です。非常災害の応急措置として行う行為も例外ではなく、許可が必要です。 この問題および類題については、解き方があります。 この問題については、頭が整理されていない方が非常に多いです。 何に着目して問題を解いていくか?なにを頭にいれなければならないか? この点について「個別指導」では解説しています。 都市計画事業の建築制限の問題が出たらきっちり得点しましょう! 法令制限は比較的得点しやすい分野なので、苦手な分野にしないようにしましょう! ちなみに、上記「事業の施行の障害となるおそれがある行為」とは「土地の形質の変更、建築物の建築、工作物の建設、重量5トンを超える物件の設置または堆積」です。

宅建試験に失敗した2つの原因。失敗談はこちら
令和6年度 個別指導開講
宅建通信に関する相談はこちら