次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1.国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者が法第65条第1項の規定による指示に従わない場合、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができ、業務の停止の処分に違反した場合、免許を取り消さなければならない。
2.国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者の事務所の所在地を確知できないときは、その事実を公告し、その公告の日から2週間を経過しても当該宅地建物取引業者から申出がないときは、免許を取り消すことができる。
3.国土交通大臣又は都道府県知事は、法第66条の規定による免許の取消しの処分をしようとするときは、聴聞を行わなければならないが、当該聴聞は、公開することが相当と認められる場合を除き、公開されない。
4.国土交通大臣又は都道府県知事は、法第66条の規定による免許の取消しの処分をしたときはその旨を公告しなければならないが、法第65条第2項の規定による業務の停止の処分をしたときはその旨の公告はしなくともよい。
1・・・ 正しい
問題文の要点は下記2つです。
- 宅地建物取引業者(宅建業者)が指示に従わない場合、業務停止処分を命じられる可能性がある。
- 業務停止処分に違反すると、免許取消し処分になる。
まず、国土交通大臣や都道府県知事は、宅建業者が法律に違反したとき、業務改善のために「指示処分」を出すことができます(宅建業法65条)。
しかし、その指示に従わない場合は、さらに厳しい「業務停止処分」を命じることができます(最大1年以内)。
もし業務停止処分を受けた宅建業者が、その命令を無視した場合は、免許が取り消される決まりになっています(宅建業法66条)。
つまり、
- 「指示処分」→守らなければ「業務停止処分」。
- 「業務停止処分」→守らなければ「免許取消し」。
このように段階的に処分が厳しくなります。法律を守らなければ、最終的には免許が取り消されます。
2・・・ 誤り
宅地建物取引業者(不動産業者)の事務所の場所が分からなくなった場合、免許を出した国土交通大臣や都道府県知事は、まず「その事実を公告(公表)」します(宅建業法67条1項)。
この広告について、ポイントは以下の2つです。
- 公告する場所は、官報または都道府県の公報です。
- 公告した後、その業者が 30日以内に連絡してこなければ、免許を取り消すことができます。
本肢は、「2週間経過後に免許を取り消せる」と書かれていますが、これは 誤りです。正しくは 30日です。
このように、免許を取り消すためには「公告から30日以内に申出がないこと」が条件となります。
3・・・ 誤り
聴聞(ちょうもん)とは、行政機関が不利益な処分(免許取消しなど)を行う前に、処分を受ける人に意見を述べる機会を与える手続きのことです。
一般的には、聴聞は非公開で行われるのが原則です。ただし、行政手続法では、行政庁が「公開するのが適当」と判断した場合には公開することも認められています。
しかし、宅建業法では特別なルールがあります。宅地建物取引業者(宅建業者)や宅地建物取引士(宅建士)に対する免許取消しなどの聴聞は、必ず公開で行わなければならないと決められています(宅建業法69条2項、16条の15第5項)。
このため、問題文の「公開されない」という記述は誤りです。
4・・・ 誤り
本肢は、「業務停止処分の場合は公告しなくてもよい」という内容が正しいかどうかを問われています。しかし、この内容は誤りです。
業務停止処分や免許取消処分を行った場合は、必ず公告しなければならないと決められています(宅建業法70条1項)。
つまり、業務停止処分であっても、処分内容を広く周知する必要があります。
よって、業務停止処分についても公告は義務付けられているため、「公告しなくてもよい」という問題文は間違いになります。
令和6年(2024年):宅建試験・過去問
- 問1
- 法律関係
- 問2
- 委任契約
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- 共有
- 問4
- 民法総合
- 問5
- 履行遅滞
- 問6
- 地上権
- 問7
- 賃貸借
- 問8
- 民法の条文
- 問9
- 承諾・債務引受
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- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
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- 問35
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- 37条書面
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