連帯保証の重要ポイントと解説

(このページは、改正民法に対応しています)

連帯保証のポイント一覧

  1. 連帯保証人には、「催告の抗弁権・検索の抗弁権・分別の利益」を有しない
  2. 連帯保証人に生じた事由で絶対効となるのは、「弁済・相殺・混同・更改」の4つ。左記以外はすべて相対効

連帯保証人の3つの特徴

連帯保証人も保証人に含まれるのですが、保証人よりもきつい保証人です。
具体的には、保証人は「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」、「分別の利益」をいう3つの権利があるのですが、連帯保証人にはこの3つがありません。

連帯保証人に「催告の抗弁権」はない!

債権者は、主たる債務者でも連帯保証人でも好きなほうに請求することができます。
保証人はあくまでも保証している人物ですから、主たる債務者が返済できなくなった場合など、 主たる債務者の後に請求されるのが筋であると思うのが通常ですが、 連帯保証人は、主たる債務者に先に請求するように要求する権利がありません。 これが催告の抗弁権がない状態です。

連帯保証人に「検索の抗弁権」はない!

主たる債務者に返済する資力(=財産など)があるにもかかわらず、 連帯保証人から先に請求されたとしても、連帯保証人は、主たる債務者には弁済する資力があるから、 主たる債務者の財産につき執行をなすまで自己の保証債務の履行を拒もうとしても、拒むことが出来ません。
これが検索の抗弁権がない状態です。

連帯保証人には「分別の利益」はない!

通常、保証人が複数名いるときは頭数で按分した金額しか保証しないのが当然ですが、 連帯保証人は一人ひとりが主たる債務の全額を保証しなければなりません。
たとえば、主たる債務者が1000万円を借りて、
保証人が4人いた場合
分別の利益「あり」・・・保証人1人当たり250万円まで保証する
分別の利益「なし」・・・4人の保証人はそれぞれ1000万円まで保証する
連帯保証人がどれほど重い責任を負わされているのか、少しは理解できたのではないでしょうか?
つまり、連帯保証人は借りた本人である主たる債務者と同列になるということです。
ただし、頭数で按分した金額よりも多く弁済した場合は、他の連帯保証人に対して、求償できます。
これを求償権といいます。
⇒ 別途、連帯保証人の分別の利益がない例をこちらに書きました。

連帯保証人の絶対効

例えば、連帯保証人が弁済すれば、その分の債務が消滅します。
このように、債務者(連帯保証人)の一人に生じた事由が、他の債務者(主たる債務者)に影響を及ぼすことを絶対効と言います。

逆に、影響を及ぼさないことを相対効と言います。

連帯保証人に生じた事由で絶対効となるのは、下記表のとおりで、それ以外は相対効です。

「債務の承認」を一つ例にとります。
連帯保証人が債務を承認しても、主たる債務者に影響を及ぼさないため、主たる債務者の時効は更新しません。もちろん「承認」している連帯保証人の時効は更新します。

主たる債務者に生じた事由全て絶対効となる点も併せて覚えてください!

連帯保証人に生じた事由において絶対効となるもの

履行(弁済)
弁済した分、債務が減少する
相殺
相殺した分、債務が減少する
更改
連帯保証人が一度債務を消滅させ、改めて新しい債務を負うと、主たる債務者の債務は消滅する
混同
連帯保証人が単独相続すると、債務は消滅する。

>> 絶対効と相対効の詳細はこちら

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連帯保証人の問題一覧

■問1
連帯保証人が2人いる場合、連帯保証人間に連帯の特約がなくとも、連帯保証人は各自全額につき保証責任を負う。 (2010-問8-4)

 

答え:正しい

連帯保証人は「分別の利益」はありません。したがって、連帯保証人は各自全額について保証債務を負います。

したがって、本問は正しいです。

本問がどのようなことを言っているのか理解しておく必要があるので、「個別指導」では具体例を出して解説しています!

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