盛土規制法における「造成宅地防災区域」の重要ポイントと解説

造成宅地防災区域の指定

都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域に指定されていない土地で、「宅地造成、特定盛土等又は土石の堆積に伴う崖崩れ」又は「土砂の流出による災害」の防止のために必要があると認めるときは、関係市町村長の意見を聴いて、宅地造成又は特定盛土等に伴う災害で相当数の居住者等に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域で、一定の基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができます(盛土規制法45条1項)。

注意点

造成宅地防災区域は、宅地造成等工事規制区域内では指定できない

造成宅地防災区域内における災害の防止のための措置

造成宅地防災区域内の造成宅地の「所有者、管理者又は占有者」は、宅地造成又は特定盛土等に伴う災害が生じないようにするため擁壁等の設置又は改造その他必要な措置を講ずるように努めなければなりません(盛土規制法46条1項)。

勧告

そして、都道府県知事は、造成宅地防災区域内の造成宅地について、宅地造成又は特定盛土等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合、その造成宅地の「所有者、管理者又は占有者」に対し擁壁等の設置又は改造その他災害の防止のため必要な措置をとることを勧告することができます(盛土規制法46条2項)。

改善命令

また、都道府県知事は、造成宅地防災区域内の造成宅地で、「宅地造成又は特定盛土等に伴う災害の防止のため必要な擁壁等が設置されておらず、又は極めて不完全であるため」に、これを放置するときは、災害の発生のおそれが大きいと認められるものがある場合、その「災害の防止のため必要」で、かつ、「土地の利用状況その他の状況からみて相当と認められる」限度において、当該造成宅地又は擁壁等の「所有者、管理者又は占有者」に対して、相当の猶予期限を付けて、「擁壁等の設置もしくは改造」、又は「地形もしくは盛土の改良」のための工事を行うことを命じることができます(47条1項)。分かりやすく言うと知事は、災害防止の措置が不十分で、放置をすれば、災害の発生する可能性が高い場合、「災害防止のために必要な限度」かつ「相当と認められる限度」で、擁壁の設置等必要な工事を行うよう命令できます

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