不法行為のポイント一覧
- 不法行為は、何の権利もなく、故意(わざと)・過失(不注意)で他人に損害を与えた場合に成立する
- 不法行為による損害賠償の場合、裁判所は過失相殺をすることができる(任意)
- 物を壊した場合の(不法行為による物損)損害賠償請求権の消滅時効期間は、①被害者又はその法定代理人が「損害」及び「加害者」を知った時から3年間、または、②不法行為の時(物を壊されたとき)から20年間
- 人の生命又は身体の侵害(不法行為による人損)による損害賠償請求権の消滅時効は、①権利を行使することができることを知った時から5年間、または、②権利行使できる時から20年間
不法行為とは?
不法行為とは簡単にいうと、
何の権利もなく、故意(わざと)・過失(不注意)で他人に損害を与えた場合に、その損害を賠償してもらう制度です。
不法行為による損害賠償と過失相殺
交通事故などで例えると、
どちらか一方が100%悪い場合もありますが、本人も20%悪い場合などもございます。
このような場合、過失の割合に応じて、損害を公平に分担します。
これを過失相殺と言います。
そして、裁判になった際、裁判所は、お互いの過失の割合を見極めて、過失相殺をすることができます。(必ずしも過失相殺しなくてもよい)
不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効
物損の場合
物を壊した場合の損害賠償請求権は、①被害者又はその法定代理人が「損害」及び「加害者」を知った時から3年間行使しないとき、または、②不法行為の時(物を壊されたとき)から20年間行使しないとき、時効によって消滅します。
人の生命または身体の侵害(人損)の場合
人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、①権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、または、②権利行使できる時から20年間行使しないとき、時効によって消滅します。
上記2つで重要なことは、損害を知っていても、加害者を知っていなければ、3年経っても消滅時効にかからないということです。
不法行為に基づく損害賠償債務の履行遅滞の起算点
そして、被害者保護の観点から、不法行為を行った者(加害者)は、不法行為の損害賠償請求権は不法行為が発生すると同時に、履行遅滞となります。
不法行為に基づく損害賠償の請求権者
普通に考えれば、被害者が加害者に対して損害賠償を請求するのは理解できますが
被害者が不法行為により死亡してしまった場合はどうなるのでしょうか?
それは被害者の相続人は、被害者の損害賠償請求および慰謝料請求を行使することができます。
これは即死の場合でも、被害者自身に慰謝料請求権は発生し、相続の対象となります。
さらに、この相続人にはまだ生まれていない胎児も含まれます。