履行遅滞の重要ポイントと解説

履行遅滞のポイント一覧

  1. 履行遅滞とは、履行期に履行が可能なのに、債務者の責めに帰すべき事由によって(自分の都合で)履行しないことをいう
  2. 不確定期限がある債務については、期限が到来し、債務者がそれを知った時、または、or 期限が到来後、債権者から請求を受けた時に履行遅滞となる

履行遅滞とは?

履行遅滞とは、債務不履行の一つで、「自分の都合で期限までに約束したことをやらないこと」です。

法律用語でいうと、
履行期に履行が可能なのに、債務者の責めに帰すべき事由によって(自分の都合で)履行しないこと」です。

例えば、アパートの賃貸借契約で、家賃は月末に翌月分を払う契約をしていた場合に、借主が、借主の事情で、月末になっても家賃を払わない場合、借主は履行遅滞に陥ることとなります。

履行遅滞の起算点

履行遅滞でポイントとなってくるのは、「履行遅滞の起算点」
つまり、いつから履行遅滞になるのか? ということです。

約束の仕方 履行遅滞となる時期
確定期限のある債務 期限の到来時
不確定期限のある債務 期限が到来し、債務者がそれを知った時、または、or 期限が到来後、債権者から請求を受けた時
期限の定めない債務 債権者が履行を請求した時
停止条件付の債務 条件成就後、債権者から請求を受けた時
返還時期の定めのない
金銭消費貸借
(お金の貸し借り)
催告後、相当期間経過した時
不法行為に基づく損害賠償債務 不法行為を行った時

確定期限のある債務とは?

債務を履行する期限が具体的に決まっている場合、その期限が確定期限となります。

例えば、「10月20日までに、買った商品の代金を支払うこと」と約束した場合、10月20日が確定期限で、買主が債務者となります。

不確定期限のある債務とは?

債務を履行する期限は具体的に〇月〇日と決まっていないが、いつか必ず到来する場合、不確定期限といいます、

例えば、「私の父が死亡したら、甲土地を売ってあげます」と契約した場合、私の父は必ず死亡するが、いつ死亡するかはわかりません。そのため、不確定期限です。

期限の定めない債務とは?

文字通り、約束した際に、期日を決めない場合です。

例えば、車の売買契約で、「代金を支払う日」や「車の引き渡し日」を決めない場合、売主は、期限の定めのない車の引渡し債務を負い、買主は、期限の定めのない代金の支払い債務を負います。

返還時期の定めのない金銭消費貸借とは?

お金の貸し借りの契約(貸金契約=金銭消費貸借契約)で、お金を返済する期限を決めない場合です。

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履行遅滞の問題一覧

■問1
AはBとの間で、土地の売買契約を締結し、Aの所有権移転登記手続とBの代金の支払を同時に履行させることとした。決済約定日に、Aは所有権移転登記手続を行う債務の履行の提供をしたが、Bが代金債務につき弁済の提供をしなかったので、Aは履行を拒否した。Bは、履行遅滞に陥り、遅延損害金支払債務を負う。 (2006-問8-1)

 

答え:正しい

履行の提供をすると、相手方の同時履行の抗弁権を失わせることができ、債務不履行を主張できます。
したがって、「Aは所有権移転登記手続を行う債務の履行の提供をしたが、Bが代金債務につき弁済の提供をしなかった」ということは、買主Bは債務不履行に陥っています。したがって、Bは履行遅滞(債務不履行)となり、遅延損害支払債務を負います。
これも理解した方がいいですね!
何をどのように理解するのかを「個別指導」でお伝えします!


■問2
AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によって、買主Aが売主Bに対して、損害賠償請求をする場合に関して、Aは、賠償請求に際して、Bの履行遅滞があったことを主張・立証すれば足り、損害の発生や損害額の主張・立証をする必要はない。 (2002-問7-4)

 

答え:正しい

損害賠償は原則、実損(実際に受けた損害額)を請求します。

また、損害を証明する必要があります。

予想以上に損害額が大きくなって困ることもありますし、損害を証明することも難しい場合が多いです。

そのため、損害賠償額を事前に決めておくことで、債務不履行が証明できれば、損害の発生や損害額の主張・立証をする必要はなく、決めておいた損害賠償の予定額を請求することができます。これが損害賠償額の予定です。

損害賠償額の予定とはそもそも何か?について、また、ポイントについてはは「個別指導」でお伝えしています。


■問3
AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によって、AがBに対して、損害賠償請求をする場合に関して、裁判所は、賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗違反となる場合でも、賠償額の減額をすることができない。 (2002-問7-3)

 

答え:誤り

原則は、賠償額の予定がある場合、裁判所といえどもその額を増額したり減額したりすることができません。

しかし、賠償額の予定条項が暴利行為(相手の財産を奪い取るような行為)にあたる場合には、善良の風俗に反する(社会的秩序や道徳に背くと認められる行為)限度において無効となり、裁判所は賠償額の減額ができます。

簡単に言えば、3000万円の土地の売買契約で、損害賠償の予定額が1億円というような金額した場合、一部無効となるわけです。

少し分かりづらいですよね!?
このように分かりづらい部分を分かりやすく解説するのが「個別指導」です!

個別指導」では具体例を出して解説しているので、勉強したらしっかり実力が上がります!

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■問4
AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によって、AがBに対して、損害賠償請求をする場合に関して、Bが、Aの過失を立証して、過失相殺の主張をしたとき、裁判所は損害額の算定にその過失を考慮することができる。 (2002-問7-2)

 

答え:正しい

損害賠償額の予定の条項がある場合でも、債権者に過失があったときは、これを考慮すべきとしています(判例)。 したがって、債務者Bが、債権者Aの過失を立証して、過失相殺の主張をしたとき、裁判所は損害額の算定にその過失を考慮することができます。 イメージとしては、損害賠償額の予定により、損害が生じた場合、損害賠償金は「100万円」と定めた場合でも、債権者Aにも多少過失がある場合、その過失を金額に当てはめて10万円程度であれば、その金額を過失相殺して、債務者Bは90万円を払えばよいことになります。 このようなイメージがあると分かりやすくないですか? 「個別指導」では、イメージしながら学習ができるように具体例等をお伝えしながら解説します!


■問5
AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によって、買主Aが売主Bに対して、損害賠償請求をする場合に関して、賠償請求を受けたBは、自己の履行遅滞について、帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。 (2002-問7-1)

 

答え:正しい

原則、債務者が帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責されます。

損害賠償額の予定が定められていても同じです。ただし、例外として、代金の支払い債務 (金銭債務)についての履行遅滞ならば、帰責事由がない不可抗力であっても(債務者に原因がなくても)、債務者は免責になりません(責任を逃れることができない) 。

本問は、売主Bは土地の引き渡し債務なので、金銭債務ではありません。

したがって、原則通り、帰責事由(故意・過失)がないことを主張・立証できれば、損害賠償しなくてもよいです。

この問題については、類題も出題されます。

そのため、原則と例外をしっかり頭に入れておく必要があるのですが、4つのことを対比して頭に入れると効率的です!

この点については「個別指導」で解説します!

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