令和6年(2024年)問23|所得税(住宅ローン控除)

住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(以下この問において「住宅ローン控除」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、以下の居住用家屋は、令和5年に建築基準法第6条第1項の確認(建築確認)を受けたものとする。

1.令和6年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、その前年において居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けているときであっても、令和6年分以後の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることができる。

2.令和6年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、その前年において居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算の適用を受けているときであっても、令和6年分以後の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることができる。

3.令和5年中に居住用家屋の敷地の用に供するための土地を取得した場合において、令和6年中に居住用家屋を新築して居住の用に供したときは、令和5年分の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることができる。

4.令和6年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、その居住用家屋の取得に係る住宅借入金等の償還期間等が契約において3年とされているときは、令和6年以後3年間の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることができる。


【答え:2】

1.令和6年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、その前年において居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けているときであっても、令和6年分以後の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることができる。

1・・・ 誤り

住宅ローン控除は、住宅を購入してローンを組んだ場合に、所得税の一部が軽減される制度です。しかし、これを利用するにはいくつか条件(適用要件)があります。

その条件のひとつに「過去に特別な税優遇(特例)を受けていないこと」があります。

例えば、前年に自宅を売却して利益が出た場合、「軽減税率の特例」という税優遇を受けることができます。これは、売却利益のうち6,000万円までを通常よりも低い税率(所得税10%、住民税4%)で計算できる制度です。

しかし、軽減税率の特例を受けた人は、その翌年から住宅ローン控除を受けることができません

さらに、以下のような税優遇を受けた場合も同様に住宅ローン控除は適用できなくなります

  1. 3,000万円特別控除(自宅を売って得た利益から3,000万円を控除できる制度)
  2. 買換えの特例(古い家を売って新しい家を買う場合、売却益の税金が繰り延べられる制度)
  3. 財産の交換特例(土地や建物を交換したときの税優遇)

また、住宅ローン控除を受けるには、以下の条件も満たす必要があります。

  • 新しい住宅に住んだ年とその前2年間(合計3年間)は上記の特例を受けていないこと
  • 新しい住宅に住んだ翌年以降3年以内にもこれらの特例を受けないこと

よって、前年に軽減税率の特例を受けている場合は、翌年からの住宅ローン控除は受けられません。よって、本肢は誤りです。

 


2.令和6年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、その前年において居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算の適用を受けているときであっても、令和6年分以後の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることができる。

2・・・ 正しい

住宅ローン控除は、新しい家を購入して住み始めたときに、所得税を軽減できる制度です。

一方で、前の家を売ったときに損失(売却額が購入額より低い場合)が出た場合、その損失を他の所得と合算して税金を減らせる制度(損益通算繰越控除)もあります。

この2つの制度(「住宅ローン控除」と「損益通算・繰越控除」)は、同時に使うことができます

つまり、前の家を売った際に出た損失を税金計算で考慮しつつ、新しい家では住宅ローン控除を受けることが可能です。

そのため、令和6年に新しい家を購入して住み始めた場合でも、前年に損益通算の制度を利用していても、令和6年分以降の住宅ローン控除は問題なく適用できます。

よって、正しいです。本肢は周辺知識が今後の試験で出題されやすいです!そのため、周辺知識は個別指導で解説します!

 


3.令和5年中に居住用家屋の敷地の用に供するための土地を取得した場合において、令和6年中に居住用家屋を新築して居住の用に供したときは、令和5年分の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることができる。

3・・・ 誤り

住宅ローン控除を受けるためには、次の2つの条件を満たす必要があります(租税特別措置法41条1項)。

  1. 家を買った日から6カ月以内に住み始めること
  2. その年の12月31日まで住み続けていること

今回のケースでは、令和5年に土地を買っていますが、家を建てて住み始めるのは令和6年です。令和5年にはまだ住んでいないため、住宅ローン控除を受ける条件を満たしていません。したがって、令和5年分の所得税で住宅ローン控除は使えません。

 


4.令和6年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、その居住用家屋の取得に係る住宅借入金等の償還期間等が契約において3年とされているときは、令和6年以後3年間の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることができる。

4・・・ 誤り

住宅ローン控除を受けるためには、住宅ローンの返済期間10年以上 である必要があります(租税特別措置法41条)。

今回の問題では、返済期間が 「3年」 と短いため、住宅ローン控除の対象にはなりません。

また、注意点として、最初は10年以上のローンだったとしても、繰り上げ返済などで返済期間が 10年未満 になると、その年から住宅ローン控除は 使えなくなるので気をつけましょう。

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令和6年(2024年):宅建試験・過去問

問1
法律関係
問2
委任契約
問3
共有
問4
民法総合
問5
履行遅滞
問6
地上権
問7
賃貸借
問8
民法の条文
問9
承諾・債務引受
問10
契約不適合責任
問11
借地権
問12
借家権
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
都市計画法
問16
都市計画法(開発許可)
問17
建築基準法
問18
建築基準法
問19
盛土規制法
問20
土地区画整理法
問21
農地法
問22
国土利用計画法
問23
住宅ローン控除
問24
不動産取得税
問25
不動産鑑定評価基準
問26
35条書面
問27
宅建業法総合
問28
報酬計算
問29
宅建士
問30
クーリングオフ
問31
宅建業法総合
問32
媒介契約
問33
広告
問34
手付金等の保全措置
問35
37条書面
問36
営業保証金
問37
35条書面
問38
免許
問39
案内所
問40
37条書面
問41
重要事項説明
問42
死に関する告知
問43
宅建士証
問44
37条書面
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物

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